【感想・ネタバレ】狂人日記のレビュー

あらすじ

狂気と正気の間を激しく揺れ動きつつ、自ら死を選ぶ男の凄絶なる魂の告白の書。醒めては幻視・幻聴に悩まされ、眠っては夢の重圧に押し潰され、赤裸にされた心は、それでも他者を求める。弟、母親、病院で出会った圭子――彼らとの関わりのなかで真実の優しさに目醒めながらも、男は孤絶を深めていく。現代人の彷徨う精神の行方を見据えた著者の、読売文学賞を受賞した最後の長篇小説。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

読んでたときは、主人公の男が感じる幻覚や幻聴、悪夢をどう捉えていいのか探しつづけながら一ページ、また一ページとすすめていった。ここ、いいなととりわけ思った場面はなかった。
でも桂子と対話する最後の場面がおそろしく気持ちを攫っていった。この小説の大半の部分を仕方なく読んでいたような気もするのだけど、仕方なく読みつづけてよかったなとおもう。話に出てくる人たちのことをどうやらちゃんと見ていたみたい。

解説が佐伯一麦でおおお!となった。佐伯一麦が『渡良瀬』のときに読んだ思い出の小説だとおもうととても感慨深い。好き。

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2021年09月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ふわふわと夢の中を歩いているような感覚。
脱力感と、不安とを抱えながら、
夢か現実かわからなくなる霧の中を
分け入って、物語をたどっていく。
そして、たどりついた失望と絶望。
どうしようもなくつらい世界なのだけれど、
これを描ききった作者は、この病気で
亡くなった人のことを想い、書いたのだと
あとがきで知り、底知れぬやさしさを感じた。
やさしい、やさしい、繊細な人だったのだろうな。

0
2011年09月28日

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