あらすじ
看護学科に通う高校3年生のアオイは、夏休みに産婦人科医院で看護助手のアルバイトを始めた。中絶の現場やその後処置を目の当たりにし、初めは戸惑いながらも、出産に立ち合い、次第に命の重みや輝きを感じ始める。
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Posted by ブクログ
産科医院では幸せな分娩ばかりではない。
様々な事情を抱えた妊婦さんや、生まれる前から障害がわかっている胎児、、また勤務する看護師の妊娠では仕事との向き合い方に悩んだり。
そういったことを日々、体験しているのはここでアルバイトをしている看護学生のアオイ。アオイは母親との確執を抱えていた。
考えさせられるエピソードばかりでした。
Posted by ブクログ
いやぁ、辛い、辛いわ。
女性ならどれかのエピソードに
自分を重ねてしまうだろう。
私は子育ての大変だった時期を思い出し
でも、そうしかできなかった自分を
忘れてしまっていたことを
まだ傷痕も生々しく見せつけられた。
Posted by ブクログ
上巻に引き続き、様々な事情を抱えた患者さんがやってくる。全体的に上巻より内容は重め。生まれる前からの病気の発覚や、性被害にあった女児…。それだけでなく由比産婦人科の看護師の妊娠や、働き方など、考える要素というか、30代女性共感ラッシュが続いた。
p.264
決断に正誤はないと、由比は思う。
大事なのは決める本人が納得することだ。
今までも考えてはきたけど、改めて自分はどうしたいかなーと考えるきっかけになった。
Posted by ブクログ
自分と重ねてしまうのか、何度も涙した。
親の気持ち、子の気持ち、産科には心揺さぶられるドラマがたくさんあるのだろう。
母親になるって難しい。
正解なんてないのに、やっぱりより良い方へと誰しもが求める。
生きるとは、、、まで考えさせられた。
Posted by ブクログ
ドラマを原案として、書き下ろされた小説。
主人公アオイの成長も見られ、(上)同様読みやすい。
生まれる前から重度の心臓病を患っている赤ちゃんの話は印象的だった。もし私ならどんな選択をしただろう。
だけど、実際そうなったわけではないから答えなんて見つからない。
実際に選択しなければならない状況になった人の答えにも正解はない。考えて考えて、考えつくして親として選択した答えは尊重されるべき。
とても深い内容でした。
Posted by ブクログ
私は手帳(母子手帳)を抱きしめる。私は愛されていた。たとえほんの一瞬でも、ちゃんとお母さんに、世界の誰より愛されていたんだ。その証があれば生きていける、と思った。どんなに辛いことがあっても、未来へ進める。そしていつか、誰かを愛することも。
あの小さな手帳には、大きくて深い愛が溢れていた。だけどその純粋な愛は、ずっと続くとは限らない。
妊娠したら、毎日幸せいっぱいなんだろうって思ってたんです。
不安を抱えるのが妊娠するということ。
「 病気も怪我もするけど、手当てしながらニコニコ暮らしていく。健康ってそういうことなんじゃないかな。困ったときはお医者さんに頼ればいいの。そのために病院があるんだから」
「 病気って、悪いことばっかりじゃないと思うんです。病気だけど、じゃあどうしようって考えられる人は、意外と前向きなんじゃないのかな」
「大好きなの。お母さんは、あなたのことが」
決断に正誤はないと、由比は思う。大事なのは決める本人が納得することだ。由比はいつも、迷う。迷い続けている。
「頼もしいでしょ?」
先生(由比)は心を動かされたようにうなずく。誰一人迷う様子のないその姿に、私も胸がつまる。なんてすごい人たちなのだろう。私は何てすごい職場で働いているのだろう。
Posted by ブクログ
産婦人科っておめでたいだけの場所ではないんよね。。。
色々な人がいるし、色々な背景がある。
すごく考えさせられた。
沖田さんが下巻ではハツラツと、少しずつ一人前になる姿も見られた!
Posted by ブクログ
産まれる前から心臓に疾患があることがわかった母親の話が考えさせられた。
産まれても子供は長く生きられない。
それでも出産して治療を始めるのか、中絶するのか...
お腹の中にいる赤ちゃんにどうしてほしいか聞けない。
何が正しい選択なのかわからない。
いっそ医師に選択を委ねてしまいたい気持ちが手に取るようにわかる。
この夫婦は最後に弔うために出産することを選ぶのだけど、
勇気と愛情にあふれて、でもやがて訪れるであろう悲しみもあって、胸がつまりそうだった。
たくさんのママのように、"普通に"、"健康な"赤ちゃんを授かることがいかに奇跡的なことなのか。
当たり前なようで実はそうではないこと、たくさんの女性や男性、子供たちに知ってほしい。