【感想・ネタバレ】大坂堂島米市場 江戸幕府vs市場経済 のレビュー

ユーザーレビュー

Posted by ブクログ 2019年02月25日

 前著『近世米市場の形成と展開』の内容を,新書レベルでわかりやすく解説するに留まらず,その後進捗された新たな研究の内容も踏まえた力作。前半では,大坂堂島米市場の取引システムに対する説明を詳細に描き,後半では,そこを舞台として繰り広げられる「江戸幕府と市場との格闘を観察,考察」(170頁)している。
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Posted by ブクログ 2018年11月11日

実証的な経済史学に基づき、市場経済と政府(江戸幕府)との対抗関係を興味深く描いている。300ページくらいの新書でありながら、これだけ高度な内容をわかりやすく堅実に著述できた名著であると思う。

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Posted by ブクログ 2018年11月14日

民主党政権と一緒に日本経済を殺してきた日銀前総裁が褒めてるって恐ろしい帯にもかかわらず、とても素晴らしい。

時々「世界最古の先物市場」と紹介される(けれど総裁は解説されない)堂島米市場の実像及び、プレイヤーと監督官庁の攻防はとても興味深いものである。

失敗から学ぶ江戸幕府
遂には口先介入まで編み...続きを読む

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Posted by ブクログ 2018年10月01日

ここで表されているものは、正に証券市場であり、かつ、金融だ。米切手が有価証券もしくは現金として信用創造する様には、ある種の感銘を覚える。そして、一種のデフォルトも清々と私的に整理されている。また、米切手を用いた金融政策も行われている(アナウンスメント効果もあり)。今とあまり変わらないのが楽しい。

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Posted by ブクログ 2018年08月16日

江戸時代の堂島米市場の具体像を通して、米切手の先物取引、空米切手(現物米と交換不能な米切手)をめぐる幕府・藩・米商人のかかわり、幕府の米相場コントロールの取り組みなどを明らかにしつつ、江戸幕府が市場経済といかに向き合っていたのかを展望しようとする一冊。

文章はわかりやすく、史料の現代語訳と書き下し...続きを読む

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Posted by ブクログ 2018年08月06日

【商都で一勝負】世界史的に見ても,当時の水準で異常なほどの発達を見せていた大坂堂島の米市場。今でいう「自由主義」が時に行き過ぎ,暴走の感を見せるその市場に,江戸幕府はどのような哲学をもって関係を築いていったのか......。著者は,ミクロ経済と経済史を専門とする高槻泰郎。

いわゆる経済学なる考え方...続きを読む

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Posted by ブクログ 2018年08月04日

 日本の金融市場の黎明期がどのように成り立ってきたのか、そのことを具体的に知る良書である。江戸時代の大坂でこのような洗練された金融市場が形作られた。そして、江戸幕府はこれをなんとかうまく利用しようと、お互いの駆け引きが続き、それはまた江戸幕府の統治の要のひとつであったという見方である。
 本当にこの...続きを読む

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Posted by ブクログ 2019年10月24日

米相場の指数先物取引といえる先進的な取引が行われていた江戸時代の米市場について、これを容認したり敵対視したりしつつも政策目的のために活用しようとした江戸幕府・大阪奉行所の動きや相場情報の迅速な伝達を目指した地方商人の視点なども織り交ぜつつ平易に解説している。あとがきによれば、著者は本書を経済史へのい...続きを読む

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Posted by ブクログ 2019年06月19日

大坂堂島の米市場は「世界初の先物取引市場」であった。大坂の米市は米取引市場の形態をとりながら金融市場としての働きをもっていたのである。しかも「帳合米」という実体のない米で指数先物取引市場の先駆的な取引市場を開設していたのである。
副題の「江戸幕府vs市場経済」こんな博打のような取引をなぜ幕府は認めた...続きを読む

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Posted by ブクログ 2019年03月30日

大坂堂島米市市場の当時の状況が詳しく書かれている本。

江戸時代の市場経済がどのようなものだったのか、幕府の対応や各藩の状況等、現代の金融市場と比べても勝るとも劣らない状況がそこにはあり読んでいてとても面白く感じた。
帯に日本銀行前総裁白川方明氏絶賛とあるけど、それも納得の内容。
資料の原文について...続きを読む

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2018年12月17日

本書は金融先物取引が江戸時代に行われていた様子を刻々と示すだけではなく、当時の政策やその効果、幕府の金融市場への関わり方を解説している。現代では複雑になりすぎている先物取引の仕組みを江戸時代の金融(米相場と米切手)に照らし理解するという読み方で読み進めていたが、私は通信分野を生業にしているものである...続きを読む

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Posted by ブクログ 2018年10月03日

江戸時代の米を媒介とした市場経済についてリアルに書かれている。手形から小切手が派生した歴史に着目される。

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Posted by ブクログ 2018年09月20日

江戸時代の堂島の米市場及び江戸幕府の政策方針を概観する。諸国大名の米が大阪の蔵屋敷(大阪町人名義)に集まるが、その資産を裏付けに米切手が発行される。それがやりとりされるのが米市場でさらにはその先物をやりとりする帳合米市場も同時期に生まれた、こちらは差金決済で現物のやりとりがなく、政府の関与は名目上は...続きを読む

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Posted by ブクログ 2018年09月19日

米で徴税を行う江戸時代の年貢制度が、それを貨幣に変えるための装置を必要とし、結果として金融市場が発展するというのが面白いですね。米の価格が下がれば大名は困窮するため、当時の幕府が米の価格維持を目標に金融政策を行っていたというのも、言われてみるとその必要はあるのですが、言われるまで気づきませんでした。...続きを読む

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Posted by ブクログ 2018年08月21日

歴史学と経済学を融合した良書。
市場との対話を繰り返し試行錯誤する金融政策立案者や市場秩序の維持に臨む司法当局など、江戸時代における幕府の政策を豊富な史料をもとに生き生きと描き出している。

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Posted by ブクログ 2018年08月11日

確か、日経新聞の読書欄で紹介されていた本。日本から始まった先物市場の始まり方を読みたくて買ってみた。米と交換出来るお米券的なものを、米と交換せずに売買するところから始まって、先物取引に発展するところが、なんか天才的な閃きがあった感じですごい。
歴史、とりわけ江戸時代に興味のある方なら、もう少し面白く...続きを読む

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Posted by ブクログ 2018年12月09日

経済史学の専門家が、世界に先駆けてスタートした先物市場について、その成り立ちや仕組みなどを解説した本。相場をコントロールしようとした幕府の努力も描かれている。現在の証券市場でなぜ「ヤリ気配」と言われているかも理解した。

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