【感想・ネタバレ】ミッドウェー戦記(下)のレビュー

あらすじ

一瞬の隙を衝かれ空母三隻が被弾。日本海軍機動部隊が大混乱に陥るなか、ただ一隻残った「飛龍」の死闘が始まった。そのすさまじき奮戦と壮絶な最期。そして、傷ついた米空母に止めを刺さんとする潜水艦の苦闘。生き残った将兵たちを訪ね歩き、貴重な証言を得た筆者が著す戦記ドキュメントの金字塔。

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関係者の証言でよみがえる海戦当時の生々しい情景。飛龍とイ168号潜水艦の奮闘、活躍で
何とか一矢報いたのはよかったが、勝って当然の戦いで敗れたのは痛かった。最大の敗因が
連勝つづきによる気のゆるみや慢心、敵の過小評価にあったことは当時も認識されていた
らしいが、それにしては判断を誤った山本長官はじめ、海軍首脳部の責任追及が今一つ十分
ではなかったような気がする。
その一方で第二航空戦隊司令官の山口多聞、飛龍艦長の加来止男が飛龍とともに失われた
のは残念だ。艦長がフネと運命を共にするのは責任の取り方の一つかもしれないが、これで
は艦が撃沈される度に有能な人材が失われてしまう。あくまで兵器を消耗品と割り切り、
人命を尊重する米軍とは根本的に発想が異なる。米軍なら敗因を徹底的に追及し、これを戦
訓として生かす一方で、司令官や幕僚を更迭するなり予備役に編入するなりして、相応の
責任をとらせたはずだ。合理性に欠け、どこかなあなあ的な日本海軍。やはりこれは負ける
べくして負けた戦い、と言わざるを得ないのかも。

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2020年09月16日

Posted by ブクログ

まだ将官クラスの生き残りがいた1970年代に、これだけの規模の取材を敢行し、様々な立場でミッドウェーに立ち合い、生き残った者たちの声により、世紀の大海戦を立体的に読者の脳裏に浮かび上がらせる、これが本書の最大の価値だろう。
その時代にしかできないこと、その時代にやらねばならなかったことをやって、後世にこのような貴重な記録を残したのは素晴らしい

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2023年01月22日

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