【感想・ネタバレ】小説 劇場版 はいからさんが通る 前編 ~紅緒、花の17歳~のレビュー

あらすじ

時は大正。「はいからさん」こと花村紅緒は竹刀を握れば向かうところ敵なし、跳ねっ返りのじゃじゃ馬娘。ひょんなことから知り合ったハンサムで笑い上戸の青年将校・伊集院忍が祖父母の代からの許嫁と聞かされる。忍に心ときめくものを感じながらも素直になれない紅緒は必死の抵抗を試みて数々の騒動を巻き起こす。伊集院家に招かれ、花嫁修業をすることになった紅緒だったがそこでも相変わらず騒動を起こしていき……。

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紅緒、花の17歳とその青春

実写からアニメと様々なメディアで映像化されていたが自分が観たのは某アイドルユニットの
ショートストーリーだったので、いざ実際に詳しい話として見た事はほぼなかった

前編の感想を述べると面白い。大正デモクラシーの中で自分らしい生き方を模索するのは現代と何も変わらない
今でこそ個人の自由が尊重されているが一昔前までは「家同士の都合」が主流であり、紅緒や忍も当人の生まれる前に
交わされた不条理な約束を強いられている。自由とまさに真逆の風潮だ

お転婆な紅緒が自身の行動で様々な失敗と騒動を招くも、結果的にそれが功を奏する場面も少なくない
それは華族という特権に縛られてきた伊集院家に「新しい風」を取り入れたい忍にしても新鮮に感じており
当初こそ「おばあ様のために」と割り切っていた彼自身に変化をもたらしている

一方で許嫁という形で不本意だった紅緒が段々と忍に惹かれる変化もニヤニヤしてしまう
ありのままを受け入れてくれる相手ならお転婆でもそりゃ恋に落ちるわな

ようやく心が通じ合い始めた時、奇しくも紅緒のお転婆で暗雲が立ち込めたのは皮肉過ぎる
許嫁という縛りをなくした彼女が取った行動は今の世からすれば場違いかも知れない、損だと言う人もおるだろう
けれど打算だらけ(無論全てではないが)の現代と比べれば何と気丈で美しいのか

創作の世界とはいえ、戦前の女性はこういうご婦人が多かったんだろうか
そんな事をふと読んでて思っていた

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2020年05月12日

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