【感想・ネタバレ】ハプスブルク帝国のレビュー

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Posted by ブクログ 2020年01月18日

『「ハプスブルク史には、手頃な通史がない」……一般の人々に伝わる形でもっと紹介する必要があるのではないか。』その著者の思いが結実した格別の一冊。ハプスブルクの始まりから君主国の成立、展開、君主国崩壊後のハプスブルク家の動向を現代に至るまで、その千年を最新の研究成果を反映して描く。政治史に留まらず社会...続きを読むや文化も取り上げる。著者が伝えたいという『「学問としての歴史」がもつ独自の魅力』が十分に伝わる内容で文章も読みやすい。この本を入口に次は著者が参考にした膨大な文献に著者の後を追って分け入るのも良いかもしれない。

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Posted by ブクログ 2018年02月04日

 ハプスブルクの歴史はヨーロッパの特徴を実に分かりやすく示してくれる。特に中世から近代に至るまでの欧州のあり方を知る上では不可欠の知識であることが本書を読むことによって確認できた。
 多民族国家、多宗教他宗派、立場の異なる権力者たちの連合と敵対、それらに折り合いをつけるための巧妙なシステムとその制度...続きを読む疲労と崩壊、それらの繰り返しが同時多発的に起きるのが欧州史の特徴だ。
 本書は通史的にそれを把握できる入門書だ。ウイーンに関係する芸術に対する見方はこれで大きく変わった。

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Posted by ブクログ 2017年10月21日

これはおもしろい。ハプスブルク家というと、美術史に名を連ねるパトロンという拙い知識しかなかったが、1000年もの長きにわたって帝国を統治してきたヨーロッパ史そのもの。啓蒙主義や市民革命後もなお国家としてあるポジションを取り続け、世界大戦前後のナショナリズム、ソーシャリズムの台頭なるべくしての現状とも...続きを読むいえるが、歴史の分岐は紙一重だと感じた。

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Posted by ブクログ 2023年11月26日

ヨーロッパの歴史がわかり面白かった。中学生くらいの歴史の授業で第一次世界大戦の発端が、サラエボでオーストリア皇太子がセルビア人に暗殺されたことだと教わったが、いまいちピンと来てなかったけれど本書を読んで腑に落ちた気がする。他にもドイツという国の成立がフランスなどに比べて遅い気がしてたり、アフリカの植...続きを読む民地支配にイメージのなかったオーストリアが名を連ねていたり、いくつかの疑問の糸口が見つかったように思う。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年12月31日

ハプスブルク帝国の歴史について世界史を縦の切り口で切り取った本。国立西洋美術館で開催されているハプスブルク展に行く前に読んでおけばよかったと後悔。

分厚い本だが、流石ハプスブルク帝国。ヨーロッパの主要な出来事にほとんど関わっており、人名などを除けば専門的な知識なしでも読める内容になっている。
むし...続きを読むろ、世界史Bの知識の隙間を埋めてくれる良書になっている。
通史をもっと読んだ方がいいなと感じた一冊。

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Posted by ブクログ 2018年01月06日

20171128〜20180104 一千年以上に渡る一族の興亡を新書にまとめるのは大変な作業だったろうな、と感嘆します。自分もハプスブルク家と言うと華やかな女帝や王妃のイメージが強いのだけど、それだけではない本質を分析している好著だと思う。

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Posted by ブクログ 2017年11月25日

 ハプスブルク家に関する本は既に数多あり、そこに新たに切り込むには何らかの新奇性が必要なのだろう。本書にも「新たなハプスブルク家」像を描き出す様々な試みが散見される。例えば、王国の支配には中世ヨーロッパ封建制を支えた「諸身分」の支持が不可欠であったことを根拠に、当家が政略結婚で伸長した勢力であるとの...続きを読むステロタイプを否定しようとしている。曰く、政略結婚は世の常でありひとりハプスブルク家に限ったことではない、と。

 では、ハプスブルク家がヨーロッパの大勢力になるべくしてなったというその理由は、本書ではどこにあるとされているのだろうか。強いて一言でいえばそれは、カール5世の治世で確立された「複合君主政国家」的性格が他国家よりも顕著であったということなのだろう。本書では、普遍主義に基づく宗教的統合の試みの挫折や、30年戦争やスペイン承継戦争を経て、ハプスブルク帝国が複数の主権国家よりなる寛容な「帝国らしからぬ帝国」となっていく過程が描かれており、後のEU構想の原型が透けて見えるようで興味深い。
 しかし一時は19世紀以降の民主主義国家を先取りしたとも見えるこの進取性も、当家が神に選ばれし王権であるという根強い「選良意識」「神権的君主理念」から生ずるパターナリズムにより、その発現を阻まれることになる。啓蒙主義も自由主義も、当家においてはエリートの体制維持が保証される範囲内で称揚されたに過ぎなかった。19世紀のヨーロッパを席捲したナショナリズムでさえハプスブルク君主国の枠組の中で各国民の自主性の獲得を目的とするものに限定され、君主制の権威主義を護持する範囲での社会の改良が志向された。そのため代議制や立憲制への移行が遅れ、国内マイノリティたるスラヴ系民族の扱いを誤った挙句サライェヴォ事件の遠因を作り、さらに国内調整の遅滞から経済停滞を招き富国強兵でも他国にも後れを取ることとなる。
 
 全編を通じて、民族的多様性から多くの文化的果実を得つつも、その錯雑さに翻弄される君主国の苦悩が描かれているが、これこそが著者が本書で浮かび上がらせたかったハプスブルク君主国の本質なのではないかと思った。ハプスブルク君主国が、「帝国」の概念を多様性さえも抱合するより上位の概念に昇華させた、とする終章での著者の指摘が、悲劇の国家として扱われることの多いこの国にとってはせめてもの救いといえるだろう。

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Posted by ブクログ 2017年11月21日

高校時代は日本史選択。
世界史の基礎が無いもんで知識を得ようと
”ローマ帝国”・”ハプスブルク家”といったような
新書本が本棚に何冊も・・・

・・・読まねばw

追記:読み終わりました。かなり読みやすかったのですが
如何せんハマダの世界史知識がなさ過ぎて辛いw

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Posted by ブクログ 2022年11月19日

高校時代に世界史をとっていなかったので、欧州史に関する知識はほぼゼロだったが、入門者にも読みやすく概要を理解するのには役立った。ただ記述がいかにも教科書チックで、内容が面白かったかというと。。。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年06月12日

日本人にはわかりにくいが
世界に影響を与えたハプスブルグ家の通史。

ヨーロッパの国々のつながりが少し理解できた。

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Posted by ブクログ 2018年12月14日

気になっていたハプスブルク家について知っておこうと思い手に取った一冊。研究者が一般向けに書いた新書なので、多少堅い感じもしますが、それなりに読みやすかった。ハプスブルク家の1000年を通じて、馴染みの薄い中欧・西欧の歴史と地理が少し身近に感じられ、機会があれば訪問したい気分になります。高校時代、現代...続きを読むの国民国家の知識で世界史・西洋史をざっと学んだときは、神聖ローマ帝だとかオーストリア・ハンガリー帝国なんて言われても全く分からなかったが、本書を通じて雰囲気をつかめた。日本の歴史との比較、特に明治維新から世界大戦までのあたりを比較するとより楽しめそう。中欧・東欧という内陸の多民族における君主制の歴史から、日本という島国での天皇制というものを客観視することができそう。戦後のヨーロッパの統合(EU)を経て再びナショナリズムの高まる昨今、第一次世界大戦によるハプスブルク君主国の崩壊に重なり、歴史の繰り返を見ている気がしてきます。と言うことは、また戦争の足音が近付いているのかもしれない。もう始まっているのかもしれない。

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Posted by ブクログ 2018年01月25日

良いも悪いもない。ハプスブルク家の歴史を知る書物なので星3,。
学校の勉強ではわからなかった詳細がわかったことかよかった。

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