あらすじ
探検部を卒業し、今を時めく人気ノンフィクション作家となった高野秀行と角幡唯介。未知の世界への憧れを原動力とする点は共通するが、テーマの選び方やアプローチの仕方は大きく異なる。高野は混沌とした人の渦へ頭からダイブし、角幡は人跡未踏の地をストイックに攻める。夢追い人二人の、仕事の流儀!
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
<目次>
第1章 僕たちが探検家になるまで
第2章 早稲田大学探検部
第3章 作家として生きること
第4章 作品を語る
第5章 探検の現場
第6章 探検のフィクションとは何か
<内容>
名前を知っている「探検家」二人の対談集。そのレベルで借りたのだが、意外と奥が深かった。二人とも早稲田大学探検部の出身。そして、このサークルは一癖も二癖もある連中の巣窟。そこの企画書などを書くことで文章力が磨かれるようだ。この本は、探検の話よりもノンフィクションの書き方、題材の選び方、文章の書き方、売り込み方まで書かれた、文筆業(作家を除く)の指南書となっている。「へえ」の連続だった。
Posted by ブクログ
両者の作品が好きなのだが、文体もテーマも大きく異なり、それを本人同士が理解した上で話し合う姿がファンにとってはたまらない。何をしているかではなく、何を書いているかで評価して欲しいという一文に作家としての矜持を垣間見た。
Posted by ブクログ
早稲田大学探検部出身の辺境ライター、高野秀行と角幡唯介の対談集。10歳違いの二人は、それぞれ世界の珍しい場所に旅をしたりそこで暮らしたりして、その体験を書くノンフィクション作家である。角幡唯介氏の著作は読んだことがないが、そういう作家がいることは知っていた。
対談の内容は、探検家になった理由や、探検部での活動、作家としてのキャリア、各作品について、探検の現場や、探検ノンフィクションについてなど。
対談集はあまり好きなジャンルではないが、高野氏の著作を数冊読んでいたので、楽しく読めた。
Posted by ブクログ
「探検は土地の物語、冒険は人の物語」
早稲田探検部OBにしてノンフィクション作家の探検家二人の対談集。
この時代に、なぜ探検家を目指したのか、
早稲田大学探検部とは、どういう連中なのか、
その上で作家として生きていくとは、
特に探検部とは、というところが面白かった。
他の大学には負けられない。
そういう空気が、東京バカ大学サイクリング同好会(神楽坂)にもあったことを思い出す。
今時、薪を積んで夜通し走る合宿するのは、都内だと俺たちだけだ。
軟弱者だなぁ。
京大サイクリングの連中は冬しか北海道を走ったことがないらしい。あちぃな!
このルートを行くには、担ぎだな。
重い荷物を積んで走る奴のほうがエラい。
そんなサークルだった。
だけど、俺たちがやっていたことは、拓かれた道の上を走っていた冒険だ。
何かをテーマに道なき道を行く、言葉通りに。そんな探検の分野に足を踏み入れたことはない。
いい大人になって何やってんだ?
俺もそこそこ常識人だから、そういうことを思ってしまう。
しかし、現実に探検家はいる。活動している。
そんな男たちの話は面白い。