あらすじ
「日本のネットベースの国債は200兆円以下」「国には借金はあるが金融資産が大半の600兆円以上の資産を持つ」……なんでこんな常識を、新聞やテレビは伝えないのか? 消費税増税や金融緩和では、財務省や日銀の思惑を忖度して「ヨイショ記事」ばかりを書いてきた。なぜ「官報複合体」は、かくも強固に結束しているのか? そのカラクリを全て満天下に!
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
「マスコミ情報をうのみにしないこと」
まさにその通りです。
しかし一般人には、
政府や大新聞が隠している「本当の日本経済」を見抜く眼力を持っていないため、
独自の判断をするのが難しいところでしょう。
何事もまずは疑ってかかり、
「違う見方はできないかな」
「立場を変えてみたらどうかな」
「他のデータと併せてみたらどうかな」
といった視点で考える癖をつけることでしょうね。
このスキルは、ビジネスマンのみならず、生きていくためにも今後ますます必要になっていくと思います。
Posted by ブクログ
リフレ派の人たちの考え方をちゃんと理解したくて読んでみた。
上念司さんは、TBSラジオのボイスをずっと聴いてたのでよく知ってる。弁達者で、経済だけでなくアニメネタとかもの話も面白い。ボイス聴いてた頃から好きだった。
ただ、どうもこのリフレ派の人たちの「いくら国債(借金)増やしても大丈夫」って話は納得できない。本読んでも結局納得できなかった。
理由は1つ。
話がうますぎるから。
バブル後の金融・財政政策に失敗したこととか、財務省が信じられないとか、マスコミの話を鵜呑みしない方が良い、消費税を今上げてもしかたない、というのはすべてその通り。ただ、それが国家に寿命がないから国債いくら増やしても大丈夫、という話にはつながらない。
反リフレ派の人の別の本も並行で読んだが、この国債買い入れはインフレターゲットを達成した後で、インフレを抑え込むために国債を放出する際にかなりのリスクになる(はず)。そのリスクを語っていないのが、リフレ派の信じられないところ。
一方、財政再建派の人たちの話でおかしいなと思うのが、まるで「経済成長しなくても良い」と考えている節があること。この人たちの話には、「どうやって労働者の最低賃金をあげるのか?」という具体的な施策がない。もうひたすら借金を返し続けて生きていこう、という暗い未来しかイメージできない。
財政再建派もリフレ派も、なぜか一部の話しかしてない印象を受ける。リフレ派は楽観的すぎるし、財政再建派は悲観的すぎる。
なぜ、健全に経済成長しつつ、リスクも見据えた上で健全に財政再建をしよう、という話がないのか。
日本がこれからどんどん高齢化していくこともわかってるし、2019年予算が100兆円超えたように、これから年金・医療・社会保障費が増えていくのもわかってる。そこに楽観的に解決できる策があるとは思えない。
しかし、痛みは当然伴うとは言え、生産性を上げて賃金上げて消費もしっかりした上で、国家として何十年かけて借金返していけば良い。消費が増えてないのに消費税上げてもしかたない。同じ消費税率でも消費増えたら税収は増えるんだから。
そういう意味だと、リフレ派の人たちの話の方がまだ納得できる。現在ここまで賃金が上がらない(消費が冷えてる)のは、一言でいうと日本の経営層が無能だからだもの。ここまで政府がお金バラまいても、内部留保を増やすだけで賃上げしない。長期的に社会をどう持続させるか、という視点を経営者が持っていない。リスクを取らずに、自分だけは逃げ切れると考えてるのが本当によくわかる。情けない。政府が会社に直接賃上げしろ、と言いたくなるのもわかる。まぁ、これは、過去の政権(自民党)が無能な経営者をずっと甘やかし続けたツケでもあるわけだけど。
安倍首相も安倍政権も全く信用できないけれど、インフレターゲットは達成しない(しようとしない)と意味がないのは確か。ここまでやったのだから、2%を目指して継続してもらいたい。それでも賃金上がらないなら、もう毎年継続的に賃金を上げないとペナルティ与えるって法律でも作って、経営者を追い込んでもらいたい。そうすれば、強制的にでも生産性向上のために産業(企業)構造改革せざるを得なくなるので。
この本の内容とは全く関係ないことも書いたけど、頭を整理したくて、現時点で自分の中で整理できたことをアウトプットしてみた。
この本の評価としては、納得できないことも多々あったのでこの点数です。