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Posted by ブクログ
守れない約束に後悔し続けた良治。
約束を信じて待ち続けた伝。
立場が違えば見えるものも違う。憎しみが生まれるはずがないことは分かっているけど、二人の記憶を受け継いだ者達が苦しんでいるのは辛かった。
世代を越えて遠い日の約束を果たした徹と大地の絆は揺らぐことがなく強い。
良治と伝は思いを石に託して再会することを強く願い続けていたんだと思う。
大地の手を握り返した徹の手に新たな始まりを予感させる。
Posted by ブクログ
読み始めた時は、心が躍るのをとめられなかった。
石に宿る 遠い過去を生きた人の記憶。
このモチーフだけでも展開に強く思いを馳せてしまう。
さらに冒頭の地学部の部室がある旧校舎の描写や
登場人物がとても魅力的で 期待が高まった。
しかし後半は急ぎすぎたのだろうか。
しっくりこないままで終わってしまった。
伝と良治の繋がりはとても強い。
第三者の立場で見ていても 良治のしたことを
伝が恨んでいるとは思えなかった。
仮に恨んでいたとしても そのことを
後悔しているはずの良治の記憶が
そこから逃れたいと思っているとは
やはり考えられなかった。
むしろ あえて伝の前に進み出て
ひれ伏して詫びるのではないだろうか。
伝の記憶を継いだ大地と良治の記憶を継いだ徹。
やがてそのことを互いに知ることになる二人の
不思議な巡りあわせの必然性や
時代を超えて再会の喜びを心から分かち合う
大地の中の伝 と 徹の中の良治 を描いて
くれるものだと思っていた。
良治の恩人である医師の姓 久守と
徹の義父 航の姓 久守との関連性も
語られていなかったように思う。
どこか腑に落ちず 前半の筆者の筆力からすると
もっと心震えさせてくれたはずだと思っている。
少し残念だ。。