あらすじ
暗闇の中にしか生きられない女の末路は!? 天外(てんげ)家から逃げ出した奇子(あやこ)は、実業家となった兄・仁朗(じろう)のもとに身を寄せるが、長年の地下生活から光に怯える性質に……。戦後史の暗部を背景に描く問題作、完結編! 青年漫画の好短編『鉄の旋律』『白い幻影』『レボリューション』も併録。 <手塚治虫漫画全集収録巻数>『奇子』(手塚治虫漫画全集MT199『奇子』第3巻収録)/『鉄の旋律』(手塚治虫漫画全集MT96『鉄の旋律』収録)/『白い幻影』(手塚治虫漫画全集MT96『鉄の旋律』収録)/『レボリューション』(手塚治虫漫画全集MT96『鉄の旋律』収録) <初出掲載>『奇子』 1972年1月25日号~1973年6月25日号 ビッグコミック連載(※全巻通しての初出)/『鉄の旋律』 1974年6月25日号~1975年1月7日号 増刊ヤングコミック連載/『白い幻影』 1972年8月8日増刊号 女性セブン掲載/『レボリューション』 1973年1月6日+13日号~1月20日号 漫画サンデー連載
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日本の土着的因習が現在となって
古より連綿と続く日本の因習、村社会の中で翻弄される奇子の数奇な運命を中心に人間身勝手さや業を見事に描き切った佳作です。
ただ、奇子のその後や下山事件をモチーフとした社会風刺の行く末を見届けられなかったのは残念でなりません。
手塚先生も無念であったでしょう。
Posted by ブクログ
霜川事件、三鷹事件、松川事件をうまく織り交ぜつつ、戦後史の裏面を鮮やかに綴った手塚治虫の裏代表作のひとつ。どこまでもどこまでも暗い話に関わらず読者をまったく離さないのは、確実に漫画の神様・手塚治虫の力の成せる技です。文庫本に収録されている橋本治の解説「少年だった大人はグロテスクを獲得することが出来るか?」も必見(『奇子』に触れられているのはごく一部ですが)。