あらすじ
いまから三千五百年ほどの昔、インダス川のほとりに住むアリアン人はバラモンを頂点とする身分制度を築いていた。そんな中、物語の主人公であるシッダルタが誕生する少し前、奴隷出身のチャプラはコーサラ国の将軍を助けたことがきっかけで彼の養子となる。そして、出自を隠して権力の座を狙うが、チャプラもやはり身分制度の呪縛からは逃れることができなかった……。ブッダが生きた時代とその生涯を描いた大作がここに始まる! <手塚治虫漫画全集収録巻数>手塚治虫漫画全集MT287~288『ブッダ』第1~2巻収録 <初出掲載>1972年9月号~1978年7月号 希望の友/1978年8月号~1979年12月号 少年ワールド/1980年7月号~1983年12月号 コミックトム連載
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Posted by ブクログ
『ブッダ』。3000ページにも及ぶ、ブッダの一生を描いた長編。仏教に対する手塚治虫流の解釈が散りばめられ、「苦悩するひとりの弱い人間」としてのブッダが鮮やかに、かつ大胆に描かれています。仏教やブッダに対する思想入門書としても最適でしょう。僕にとっては、本書は人生訓としても成り立っています。
「いつも次のことを考えなさい。いま自分は何をしているか、自分のしていることは自分にとって大事なことなのか、人にとって大事なことなのか、そして大勢の人にとって大事なことなのか!国じゅうの人にとって大事なことなのか、世界の人にとって大事なことなのか、この自然にとって、あらゆる生きものにとって大事なことなのかよく考えなさい」(第4部でのブッダの台詞)を、僕は特によく思い出します。
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『バラモン』
『浮浪児タッタ』
『ブダイ将軍』
『告知』
『チャプラ』
『王杯』
『生誕』
『技くらべ』
『秘薬を求めて』
『予言』
『裁きの日』
『死の壁』
Posted by ブクログ
『ブッダ』第1巻
奴隷から武士へと上り詰めたチャプラ。
身分を超えられず、母とともに命を全うする。
動物と心を通わせることができるバリアの子タッタ。
兄と慕うチャプラを亡き者にしたコーサラ国へ復讐を誓う。
タッタとチャプラの母を見守り、歩んできたナラダッタ。
チャプラを助けたい一心から行ったことに咎を受け、獣として罪を償い続ける。
そして、ブッダがこの世に生を享ける。
Posted by ブクログ
人間がトコトンどん底まで苦しんで、あー、おいらはケダモノとおんなじだと思いこまなきゃだめだと思うな、と言えるような心の平穏を、幼くして手に入れているはずのタッタ。
戦火にも、飢えにあっても、逞しさと優しさの中で死ぬことなくあって、それでも生きてゆく限り、儘ならなさは斯くも残酷にひとつの生を絡め取る。
同じく、ブッダとなれたはずであろう彼が、シッダルタと何を違えて生まれてきたというのか、親兄弟も、親兄弟程の関わりを持つ者も、全て同じ全体主義に生きる人々に殺され、そのコーサラ国への復讐を誓わざるを得ないまでに追い込まれながら、タッタ生来の闊達さが覆われてゆく過程は、吐き気を催すような居た堪れなさを感じる。
Posted by ブクログ
肝心のブッダは活躍しない。この巻では、おもにタッタや、その周辺の人物が登場する。ブッダが登場する以前の、階級差別に悩み苦しむインドの民衆の姿が多く描かれている。
Posted by ブクログ
何気なく漫画喫茶に入って手にした一冊 やっぱり自分の環境から
この手のものに目がいくのか
悟りを開くまでのシッダルダ王子の苦難 離別 葛藤が描かれていて
やはり悟りの境地には行かずとも人間はある程度苦難を経なければ
他者に対する本当の慈悲の心を持つことはできないのではないか と
考えてしまう
あらすじそれ自体はかなり脚色されているので伝記としては参考にならないがブッダのことに関心を抱くきっかけとしては十分な読み物であった
Posted by ブクログ
ブッダの一生を描いた手塚漫画。全14巻を読んだ。登場人物は多いが、最後はつながりが重なって、壮大なストーリーとなる。ブッダが悟りを開く過程はややわかりにくいが、話す内容は興味深い。今回は電子書籍で購入し、iPadで読んだが、目が疲れやすいように感じた。
Posted by ブクログ
生きることに意味はない。
何のために生まれたのかと考えたところで答えはない。
たまにブッダの教えを考えたり思い出したりすることいいかも。
それは自分の中に教えを足すというより、教えによって自分というものを引かれていくような感覚。