あらすじ
鮫島巧一は趣味が読書という理由で、会社の会長の別宅に2泊3日の招待を受けた。彼を待ち受けていた好事家たちから聞かされたのは、その屋敷内にあるはずだが、10年以上探しても見つからない稀覯本(きこうぼん)「三月は深き紅の淵を」の話。たった1人にたった1晩だけ貸すことが許された本をめぐる珠玉のミステリー。
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Posted by ブクログ
『三月は深き紅の淵を』という本をめぐって繰り広げられる物語(笑)1~3章までは読みやすくっていい感じですね(笑)本の秘密にかかわる話が良かった(笑)最終章はいきなり展開が変わって幻想的な雰囲気(笑)ちょっと分かりにくくなっていましたが嫌いではないです(笑)物語全体を包む恩田さんの雰囲気が読んでいると気持ちが良くなりますね(笑)
Posted by ブクログ
久々の恩田陸作品。幻の小説にまつわるミステリー。一章、二章はそこまでクセのない恩田作品だが、三章からはいつもの濃ゆい内容で色んな意味で安心してしまった。本の中にある黒と茶の幻想って実際に書いてるタイトルだよな?って思いながら読んだけど、他のタイトルもそうだったりするんだろうか。どれも面白かったけれど、個人的には三章が好きかな。本人のスタンスが垣間見える四章も結構好き。とても良かった。
創作について
一部ご紹介します。
・「人類の歴史は掃除の歴史なんだって。
ちょっとでもさぼると、文明なんてすぐに埃に埋もれてしまう」
・「誰でも一生に一冊の本を書けるというのは本当よ。あたしたちは毎日書いているでしょう」
「いいものを読むことは書くことよ。
うんといい小説を読むとね、行間の奥の方に、自分がいつか書くはずのもう一つの小説が見えるような気がするってことない?
それが見えると、あたし、ああ、あたしも読みながら書いてるんだなあって思う。」
・ヘンリー・ダーガーという人がいた。病院の清掃員を生涯の仕事にしていた。地味で目立たぬ男だった。
彼の死後、彼が生前書いていたおびただしい小説が発見された。
それは、子供たちの国。たくさんの子供たちが血みどろのむごたらしい戦争をしている国の物語。
その世界ではヘンリー・ダーガーは子供たちを救い出す救世主であった。
彼は美術の勉強をしたことはなく、広告や絵本や雑誌の絵を写しては組み合わせて、
このグロテスクでいつまでも終わらぬ世界を夜な夜な一人で描き続けていた。
彼はその世界に完全に生きていたのである。
・大量のストーリーが消費されている現代、結局のところ、ゲームの中の虚構は一つのテーマに統合されつつある。
英雄伝説、もしくは英雄になるための成長物語。最も古典的なテーマに立ち戻ろうとしているわけだ。
ゲーム制作者という吟遊詩人が作り出す、古典的なストーリーから派生した様々なバージョンをそれぞれのゲーム機でプレイヤーたちが聞いている。
彼らが聞きたがっているものは、大昔から変わっていないのだ。
・なぜ人間は「よくできた話」に感銘を受けるのだろう。
その感動は収まるところに全てが収まったという快感である。
おそらく、人間には何種類もの物語がインプットされているのだろう。
インプットされた物語と一致すると、ビンゴ(!)状態となる。
フィクションを求めるのは人間の第四の欲望かもしれない。
たぶん、想像力という他の動物にはない才能のためだろう。
Posted by ブクログ
何度も読み返せるスルメのような本。
おいしいもの食べてくだくだおしゃべり。いいな〜。
ずっと読んでいたくなる、読み心地の良い文章。
四つの章が入れ子構造になっている。
この書籍に書かれている四つの章と、幻の「三月は深き紅の淵を」の内容がリンクしている。
一つの章は後に「黒と茶の幻想」に、もう一つの章は「麦の海に沈む果実」に結実した。
大もとのこの本がやっぱり好きだなあ。
Posted by ブクログ
自分が今読んでいる本と話の中に出てくる本がリンクしているのか、
登場人物たちとの感想と一致していて、
だから4章は本当に読みづらく違うお話?
と混乱した。
個人的にそのことが引っかかってマイナス1。
3章までは面白かった。
Posted by ブクログ
全四章から構成されており、幻想的な作品でした。一章〜三章はギリギリ理解できましたが、四章はとても抽象的で、場面がコロコロ変わるので追っていくことが難しかったです。
一章〜三章の雰囲気は結構好みでしたね。
今回の作品はそこまで私に刺さりませんでしたが、作者の情景描写や感性のレベルは本当に高いと思います。私が作者と同じ景色を見たとしても到底あんな描写はできません。
プロ中のプロだと思いました。
Posted by ブクログ
十数年ぶりの再読なのだがすっかり失念していたので、初読みと変わらず;
「三月は深き紅の淵を」を巡る4つの物語。
現実と空想が入り混じっているような感じを強く受ける。
まさに幻想的。
特に第四章は四苦八苦!
とにかく話が飛ぶ飛ぶ(^_^;)
うっかりしてると置いてきぼり。
(第一章の中で、幻の『三月~』の第四章についてが語られるが、まさに今読んでるこの本の第四章そのものの印象であることにハッとした)
おまけに密度の濃い作品でもある。
適当に読み流したら、あとで(何だっけ?)となるから大変。
…しかし読むのに構えすぎた。
余計なことをたくさん考えてしまってひどく疲れた。
深読み・前知識の気にしすぎというやつである。
純粋に読めば良い。
そして(あれ?)と思ったりデジャ・ビュ的なものを感じたら、それがこの作品の醍醐味なのだろうと思う。
とはいえ、今回読んでみて第一章と第二章の話が興味をそそられた。
そして幻の『三月は深き紅の淵を』がやはり読みたくなるから不思議だ。
※ちなみに私はこの作品の前に、
「麦の海に沈む果実」「黄昏の百合の骨」を読んだ。
他の方のレビューでこの作品に「理瀬」が少し出てくると書いてあったので、その方がいいかも…と独断で。
…次は「朝日のようにさわやかに」を再読予定。