【感想・ネタバレ】奇面館の殺人(上)のレビュー

あらすじ

季節外れの吹雪で孤立した館、奇面館。主人影山逸史に招かれた六人の客はそれぞれの仮面を被らされた。前代未聞の異様な状況下で、事件は進展する。主人の〈奇面の間〉に転がっていたのは、頭部と両手の指を切り落とされた凄惨な死体。六人の仮面には鍵がかけられていた。名探偵・鹿谷門実の圧巻の推理が始まる!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

上下巻!そして久しぶりな気がする、鹿谷が舞台に立つ形。これまではずっと安楽椅子探偵の感じがしていた。

読み進めていたら、以前暗黒館がどうのとか書いててちょっと読むのをストップした。順番通りに読んでたと思ってたけど、何か抜かしてしまったのか?
でもまあ、いいか、と読み続けることに。

同じ年齢、同じ誕生日の男性が集められて、仮面をかぶせられ、同じ服装をさせられる。
そして館の主人が首無し、指無し死体で見つかる。
普通に考えたら主人の犯行で、別人に成りすますみたいな目的だろうけど…

瞳子がキーパーソン、というかいっそ犯人だったり、今後のヒロインになりそうなキャラをしている。若くて薬剤師で柔術の使い手。

ところどころ出てくる、「やっぱりか…」みたいなヒントのようなものが全くわからないし、それがどこの説明に該当するのかもよくわからずモヤモヤしてしまう。鹿谷さん、賢すぎんよー。そしてその疑問をちゃんと言葉にしてくれー。

で、自分でも予想できるような入れ替わりはやっぱり安直すぎたようで、違った。

しかし、最大のトリックがまさかの登場人物全員同姓同名。影山逸史という同姓同名、且つ誕生日も近い人間がそんなにいるかぁ?
もはや影山一族じゃないか。昔の影山の祖みたいなのがなにかの計画を立てて一族を全国に散らばらせ、男子に同じ名前をつけるようにしたとかないとありえなさそう。
そして、なんか変だなと思った人物紹介なし、というのもちゃんとヒントだったんだなぁ。単に構成が違うだけかと思ってた。おもろい。

そしてこんな話を小説にすると大変そうだ、というメタネタまで出てくる。

でも今回はかなりの正統派探偵小説でおもしろかった。鹿谷大活躍だし。

でも、瞳子はなにか秘密がありそうな感じしてたけど結局なんにもなかったし、エピローグにすら出てこなかった。京極作品だったら続編にひょっこり出てきそうなくらいキャラが立ってたのに。

あとは、死者が少ないのも良い。死にまくるのは読んでてちょっとしんどさがある。

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2025年09月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

館シリーズ第9弾(上)

依頼を受け、鹿谷 門実が参加したのは「奇面館」での一泊二日の会合。しかも、鹿谷と瓜二つの小説家 日向 京助になりすまして。

「奇面館」では主人である影山 逸史の前では必ず、鍵つきの仮面をつけなければならない。
大雪で館が孤立する中で頭部と全ての指が切断された死体が発見される。しかも、参加者の6人は仮面が取れない状態にされてしまう。


鹿谷さんが事件に巻き込まれ、謎に迫っていく姿にワクワクが止まらない。犯人が分からないのはもちろんだけど、殺人がおこっているのに、死体が誰だか分からない。とにかく下巻が楽しみです。


以前「安藤 忠雄展」に行きました。
ジオラマなどもあって、様々な建築に対する発想の豊かさと緻密なデザイン、そして情熱に心奪われました。

「中村青司 館展」 いいなぁ〜

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2025年11月23日

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ネタバレ

個人的に十角館があまりに素晴らしすぎて、それを超える作品はないんじゃないか(失礼)と思って以降手を出してなかった館シリーズ!ふむ、面白いなー。続きが気になる。

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2025年02月15日

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ネタバレ

今回は割と殺人起こるのがあとの方だった!
島田さん居るだけで安心。笑
顔が分からないのって怖いなと。

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2024年06月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

〇 概要
 鬼面館の主人「影山逸史」が主催する奇妙な集いに,6人の客が招かれる。季節外れの大雪で館は孤立。そして,頭部と両手の指が消えた死体が発見される。関係者の大半は,鍵の掛かった仮面を被らされて素顔が見えない。前代未聞の状況の中,探偵鹿谷門実が真相を解き明かす。

〇 総合評価 ★★★★☆
 よくも悪くも綾辻行人らしい作品。登場人物が全員「影山逸史」だったことが分かるシーンはインパクト抜群だし,2代目と3代目の「影山逸史」を混同させる叙述トリックもさすが。作中の殺人の「死体の首を切った」意味が,死体の首がつけてた仮面が,館の秘密の通路を開くためのカギだったという点も独創的と言える。半面,登場人物に仮面を被らせた動機や,死体の爪を切り,ぐしゃぐしゃにした理由が,「被害者から抵抗を受けた跡を隠すため」というのは平凡。そもそも,上下巻合わせて700ページ近い作品にするほどのアイデアでもない。この半分くらいの長さで書き上げれば,中盤の中だるみもなく,なかなかの傑作に仕上がっていたと思う。週刊の漫画雑誌の作品みたいなもので,評価が定まっていない作家であれば,この作品は途中で投げ出されないようなスピーディな展開の作品になっていただろう。綾辻行人の館シリーズであれば,固定ファンもいるし,このワンアイデアでどこまで引き延ばせるか…という視点で描かれたと思える。つまらない作品ではないし,久しぶりにミステリを読んで驚くことができた点は素直に評価したい。★4で。

〇 サプライズ ★★★★★
 この作品の最大のポイントは,「影山逸史」が主催する奇妙な集いに招待された6人の客が,いずれも「影山逸史」だったという点。この点が,現在の鬼面館の主人である「影山逸史」と,2代目の鬼面館の主人である「影山逸史」を混同させるというプロットにつながっている。正直,何かおかしいとは思っていたが,6人の登場人物が,いずれも「影山逸史」という名前だったというところまでは考えが及ばず,この点は素直に驚くことができた。本格ミステリとは意外性だけが魅力とは思えないが,やはり,小説を読んでびっくりするという経験は面白い。★5で。

〇 熱中度 ★★☆☆☆
 冗長である。殺人事件は1件しか起こらず,発生するのは第7章。上巻の200ページを過ぎたところである。そこから,丹念といえば聞こえがいいが,だらだらと捜査が続くことになる。解決編も,死体の頭を切断したのはなぜか,死体の指を切断し,ぐちゃぐちゃにしたのはなぜか,全ての客に仮面を被せ,鍵を閉めたのはなぜかといった謎ときがだらだらと続けられる。登場人物が全て「影山逸史」という名前だったことが分かるシーンのサプライズはさすがだが,もう少し短く,コンパクトにまとめることができたと思う。熱中度はそれほど高くない。

〇 キャラクター ★★☆☆☆
 探偵役の鹿谷門実を始めとし,鬼面館の主人である影山逸史に招待された客,創馬社長,マジシャンの忍田天空,建築家のミカエル,降木矢算哲の生まれ変わりという男,元刑事のヤマさんは,それなりには個性的である。しかし,全員の名前が影山逸史であるということを伏せようとしたことと,創馬社長が2代目の鬼面館の主人であり,真犯人だったことを伏せるという制約から,個々のキャラクターは十分に描かれていない。使用人の長宗我部,鬼丸,新月も,いかにもミステリの使用人というステレオタイプ。やや新月が,格闘家であるという個性があるが,これもプロットを成立させるための設定に過ぎない。キャラクター性は低い。

〇 読後感 ★★★☆☆
 この作品は,登場人物が全て「影山逸史」だったという事実に驚くためだけの作品であり,読後感はよくも悪くもない。一応,2代目の鬼面館の主人だった創馬社長のトラウマなども描かれているのだが,薄っぺらい。

〇 インパクト ★★★★☆
 登場人物が全て「影山逸史」という名前だった小説とか,登場人物が全員仮面を被って捜査する小説といったところはインパクトがあり、なかなか忘れられない作品といえる。もっとも,全体に冗長な上,それ以外の点の深みはないので,インパクト抜群とまでは言えない。

〇 希少価値 ☆☆☆☆☆
 綾辻行人の館シリーズの1冊として,長く読み継がれそう。少なくとも,絶版にはならないと思う。

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2016年12月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

『暗黒館』以来、およそ2年ぶりの綾辻先生。「びっくり館」は飛ばしてしまったのですが、久しぶりの館シリーズですね〜。
このところずっと海外ミステリばかり読んでいたのもあり、まずその会話文の多さと読みやすさに驚きました。

ひょんなことから怪しげな「奇面」の集いに参加することになった鹿谷。
序盤はなんだかのほほんとした雰囲気があり、「ほんとに誰か死ぬのか?」と思わずタイトルを確認してしまったほどですが、いざ蓋を開けてみれば……。
「顔なし死体」が現れ外は季節外れの吹雪、連絡手段は断たれてしまい、おまけに館に閉じ込められた招待客たちは「鍵のかかった仮面」で正体がわからない――。
いやはや、お膳立てが整いすぎて、いくら推理力のない私でも「同一性」の問題はすぐにわかりました。

個人的に気になるのが、作中に『世にも怪奇な物語』という、エドガー・アラン・ポーの原作を元にした映画が出てきた点です。
原作の一つである『ウィリアム・ウィルソン』はちょうど先日読み直したばかりで、あの結末がこの物語の行方を暗示しているのか?
あと、瞳子ちゃんがドアノブを回してから電話を受けるまでの間に犯人は〈奇面の間〉から移動しているはずですが、瞳子ちゃんに見られずにどう移動したのか?中村青司の館だからやっぱり……?
綾辻先生のことだからアッと驚く展開に期待しつつ、素直に下巻を読み進めていきたいと思います〜!

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2025年11月30日

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