あらすじ
堂野崇文は痴漢と間違われて逮捕されるが、冤罪を訴え最高裁まで争ったため、実刑判決を受けてしまう。入れられた雑居房は、喜多川圭や芝、柿崎、三橋といった殺人や詐欺を犯した癖のある男たちと一緒で、堂野にはとうてい馴染めなかった。そんな中、「自分も冤罪だ」という三橋に堂野は心を開くようになるが…。
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
最初はすごく良かったけど、最後の話はちょっと辛かった。穂花ちゃんが亡くなるなんて…
喜多川と堂野のストーリーとすれば完璧なんだけど、子どもが犠牲になるのは別問題。
「箱の中」「檻の外」自体はめっっっちゃいい作品!!!!もう最高!!!!Fooooo!!!!って感じ。もう感情がしっちゃかめっちゃかになる。
堂野は普通に生きてきた人だから喜多川の存在に戸惑うのも受け入れられないのも分かる。喜多川の真っ直ぐすぎる愛情も生い立ちから分かる。
木原音瀬さんの作品はこういう愛とか感情の揺れが細かく書かれてるから、心に直に来る!
あと作者さんのお名前、「このはら なりせ」だったんですね。申し訳ない、ずっと「きはら おとせ」かとばっかり…
最後に一言、
「なつやすみ」を読ませろよー泣!!!!
Posted by ブクログ
面白かった。
一日で読み終えました。
今までBL作品は、沢山読んできましたが箱の中は色々考えさせられる作品でした。
ブロマンス寄りのBLなんでしょうか。
2人のイチャイチャ〜というよりかは、冤罪で苦しむ人間の心理状態や、幼少期から愛を受け取ることがなかった人間が見返りのない優しさを知ることで起こる変化が細かくかかれており、読んでいて胸が苦しかったです。
個人的にですが、BLというジャンルに限らずテーマが重い作品は扱いが難しいと思います。題材が重ければ重いほど、それに見合うだけの中身の作り込みが必要になりますし、テーマだけが先行して内容が薄ければ、かえって空虚な作品になってしまうからです。
本作は、冤罪で収監された男と、母親に言われるがまま人を殺めた男という、重い事情を抱えた受刑者同士の恋愛を描いています。設定だけを見れば非常にシリアスですが、刑務所での生活の厳しさや受刑者の心理状態が細かく描写されているため、違和感なく物語に入り込むことができました。テーマの重さと描写の密度がきちんと比例していたからこそ、説得力があったのだと思います。
個人的に心を動かされたのは、喜多川が堂野と関わる中で、自らの罪と向き合い、罪の意識を持つようになった点です。それは単なる恋愛による変化ではなく、彼自身が一人の人間として大きく変わった瞬間だったように思います。
後半の追い上げがすごく、娘が亡くなる設定は少々急なのでは!?とも思いましたが、堂野が妻子を持つ立場のまま喜多川と結ばれることはないだろうと思っていたので喜多川と純粋に恋愛をするには、こういう設定も必要だったのかなと思います。
終始、2人が報われてほしい!となりました。いい意味で、読むのが辛かった。
その後のお話もあるらしいのですが絶版との事…。なんとかして読みたいですね
Posted by ブクログ
同じ雨の降っている場所にいるんだって思うぐらいいいだろ。顔が見たいって思う時に、歩いていける場所にいたっていいだろ
家があって、あんたがいて、犬が飼える。俺がずっと、夢見てた通りだ
木原先生の作品、「美しいこと」で一気に引き込まれて、他代表作として書かれていた本作を読みました。起きる現実の淡々とした残酷さが壮絶。ただ真面目に、普通に生きようとするだけの堂野の身に起こる、冤罪との闘い、服役、詐欺被害、子どもの死、妻の浮気。作中で、何一つ、彼は報われない。作品の中で、彼から伝わる絶望や、家庭を築き普通の幸せに対して感じている心の温かさ、裏切られた妻に対して感じていたしがらみはすごく普通で、人間的だと思う。(本当にそんな残酷なことが人生で自分の身に起きたら普通には生きていられないとも思うけど・・)堂野の感情の機微が人間的なのに比べて、感情があまりに幼く描かれていて、際立つ。唯一堂野から愛をねだり、堂野を傷つけられると激情する。人から騙されても気づかない、人を疑わない、堂野の妻もねたまない、殺されかけても恨まない。ずっと堂野が好きだっただけ。最終的に堂野を救ったのが、喜多川の変わらない、子どもが親に求めるような愛だったというのが、とても悲しかった。
個人的にBLの好きなところって、マイノリティで、偏見を持たれやすいという障壁があってもなお惹かれあってしまう熱いところなんですが、箱の中の二人はそういう愛憎劇を超えた、世界に二人しか残されなかったから愛するしかなかった・・みたいな二人でした。
第二部の大江探偵の話も、救われなくていいですね。物語がずっとヒリヒリしてて、最高でした。心奪われる物語でした。めちゃくちゃ好きです。
Posted by ブクログ
愛と恋の境界線。そこには人それぞれ様々な考えがあり価値観があるだろう。この本はそれを乗り越え私の中にある曖昧な部分をそれでいいんだと諭してくれたような気がする。情なのか、愛なのか、恋なのか、友情なのか、物理的な線引きがない分悩み苦しむ題であるが、これに性差は関係ないとも思う。BLだからこそその深みが出てくるわけではあるが、きっと男女間にも通じるものがあるだろう。
詐欺な探偵とひたむきに身を削りながらも金を稼ぐ喜多川の対比がものすごくやるせなかった。ムショに入れられる人と入れられない人、社会の理不尽さを感じた。
Posted by ブクログ
BL界の芥川賞、本当にその通りの作品だった。
堂野は箱の中で喜多川に人の気持ちは温かいものだと知ってもらおうと近づいていく
最初は無口で嫌な奴だと思っていたけれど風邪薬をくれたり温かい布団の中に足を入れさせてくれたり喜多川は親切にしてくれる。愛を知らない喜多川が堂野の「ありがとう」に心動かされて懐くようになる
喜多川は人の気持ちが分からない大きな子どもだった
堂野がノートに描いた家の見取り図を指でなぞって「広そうだから、走ってみた」というのは最初の頃の喜多川からは想像できない描写だった
檻の外ではもう結ばれることは無いのだろうなと思った。堂野があまりにも幸せな生活を送っていたからだ。
探偵を通してやっと会えても堂野は喜多川を拒み続ける 2人目を作る気になったら教えてくれ、死ぬから
死んだらあんたの家の子になれるかもしれない
一途に思い続ける喜多川に胸が痛くなった。思い続けられる堂野もずっと苦しかっただろう。性別というのはここまで2人を隔てるものなんだと思った
最終的には堂野も喜多川に思いを寄せるようになってびっくり。喜多川が報われてよかった
胸が苦しくなるのにやめられない
普段遅読気味な読書家です。一冊の本を読むのに1ヶ月から2ヶ月かかることもザラにあります。しかしこの「箱の中」は2日で読み終わりました。読み始めは自分の知らない刑務所内での生活や主人公の苦悩など重苦しくも読み応えがあり、これは良い夜のお供になると感じました。しかし、読み進めていくと喜多川という男のミステリアスな内面に翻弄されページを捲る手が止まらなくなりました。1日目に脆弱な詐欺師まで読了し、続きが気になるもののカーテン越しに早朝の気配を感じ泣く泣く眠りにつきました。翌日は夜まで待てず昼間のうちに一気にラストまで読み切り、ハッピーエンドでほっとしたものの2人の物語をもう読めないんだという寂しさでいっぱいです。
Posted by ブクログ
私はBLだと知ってて読んだけど、とても良かった。
愛って良いな。
ふたりが結ばれてほしい気持ちはもちろんあったけど、それにしては無闇に不幸が降りかかりすぎてて、「檻の外」は読んでてちょっとつらかった。
そんな展開にしなくてもふたり幸せになって良かったのでは。
描写がすごく丁寧でわかりやすく読みやすいし、ストーリーもイメージしてたようなベタベタのBLって感じじゃなくていろんなことを考えさせられた。
Posted by ブクログ
読み返した。内容は全く覚えてなかったが、途中から展開を思い出して気分が悪くなってきた。麻里子という人間がしょうもなさすぎて吐き気がする。穂花も実子かわからないのでは?と思った。デキ婚した時点で堂野の像がズレる部分はあった。芝さんが自分なりの正義を持って、(やり方には少々問題があるかもしれないが)喜多川を助けようとしていて救われた。痴漢冤罪のメンタルケアグループなんて、思いつきそうなものなのにそれを調べられないのが喜多川らしくて切ない。とにかく、喜多川が幸せならなんでもいい。
Posted by ブクログ
妻に不倫され娘もいなくなった堂野に喜多川がいてくれてよかったと思う。家に帰るのもしんどい中での堂野の居場所になってくれて、結果的に喜多川の一途な気持ちも報われて良かった。
Posted by ブクログ
「同じ雨の降る場所にいるんだって思うぐらいいいだろ。顔が見たいって言う時に、歩いていける場所にいたっていいだろ」
・2人が一緒になるための要素として、穂花ちゃんの死や奥さんの浮気が必要だったなと思うとちょっと複雑。
・BL漫画ってくっついてからが始まりみたいなところがあるけれど、木原音瀬さんの作品ってくっつくまでの過程を大事にしている気がする。読んでいる側としてはヤキモキするが、その時に感じる心がギュッとなる感覚が好きだな〜と。
・喜多川が死んじゃうんじゃないかってずっと怖かった
・芝がいい人すぎる!
Posted by ブクログ
ネタバレ注意
とてもよかったです。普段同性愛を取り扱った物語は読むもののBL小説と銘打たれたものは読まないのですが、こちらは気になって読んでみました。
決してラブロマンスが主軸ではなく、冤罪の苦しみや服役の苦痛などそちらの表現が女性向けにしては生々しく、また文体も硬めで文学として面白かった。その苦しみの中で光る純愛がとても良かったです。
ただ私の苦手な子供の死(しかも理不尽な死)が描写されていてそれが辛かった。彼女が死ななくても物語は進められたのではないか、とか思ってしまいノイズになってしまったので星を一個減らしました。後日談がBLレーベルから出版された「檻の外」であるらしくとても萌えるらしいのですが絶版で…困っています(笑)
Posted by ブクログ
よかった。。いい小説読んだなぁ〜って思う。
bl小説って男女の恋愛小説よりも、言葉とか描写が繊細な気がする。
最悪に最悪が重なる怒涛の展開だけど、最後はホッとした。
喜多川のふとした時に出る言葉が純粋さ故か重たくて、グッとくる。
Posted by ブクログ
読みながら「BLではないのでは?」と感じていましたが最後の最後でBLになった。BLになるまでが長ければ長いほど名作だと思うので名作です。
BLはざっくりと分けて、
①女性がいない世界だから愛し合うのも当然だよ≒箱の中
②女性がいる世界においても愛し合うよ≒檻の外
に分類できるかと思いますが、
物語構造的に①へと向かっていく(女性がいる世界において女性が消えていき、喜多川の家という箱の中に収束する)形と感じます。
しょうがなくではなく、
どうしても愛す。
というのがBLだという認識なので、
橋から落ちることを選び取ってからがBLです。
幼い子供すら亡くなる念の入れようで、女性を物語から消していく過程が正直読んでいてしんどかったのですが、それを耐えられるほどのBLを諦めなかった男・喜多川が素晴らしかったですね。
不憫で最高。
不憫な人物は受けになりがちな中、攻めでこの不憫さはすごい。
Posted by ブクログ
「箱の中」、続編である「檻の外」、その間の話としての「脆弱な詐欺師」の3部作。
まず、「箱の中」の完成度は高い。後書きでBL作品と知り納得。ドギマギしてしまうような官能的な描写も雑食である私は楽しめた。BLに抵抗のある人に響くものなのかはわからない。でも、真面目で真っ当に生きてきた平凡の極みのような主人公に対し、普通に生きていたら主人公の人生とは交わるはずのなかった悲惨で凄惨な過去を持つ男が向ける狂気じみた執着と欲。エモい。BLは精神性を重要視するというが、まさにこの作品はそこに非常に訴えかけてくる完成度が高いものであった。
ただ、残念ながら続編の「檻の外」の出来は良くない。“家族を作ってしまった主人公とそれでも真っ直ぐに思い続ける男、その2人の大円団“ありきで、そのために周りが動かされている感がどうしてもある。BLと知らずに読んでいたので、最初は喜多川が家族をめちゃくちゃにしたらどうしようとハラハラしていたが、妻の浮気を匂わせる描写のあたりから、主人公と喜多川をくっつけるための流れを感じて幻滅。主人公の娘が行方不明になった時は、(物語を都合よく進めるために用意される可能性がある)最悪の結末を想像して物語とか関係なく絶望的な気持ちになったし、読み進めている間もずっと絶望していた。結果としてやはり想像通りになった時は本当に本当に読んでいられない気持ちになった。自分にも子供がいるから感情移入しすぎたのかもしれないが、やはりちらりと自分の身に置き換えて頭をよぎり気分が悪くなった。そこまで感情移入させるのもすごいのかもしれないが、結果として物語の結末に子供がいたら大円団になりにくいから?主人公に責がないような形で離婚にすすめるため?あんな事件が起こったのかと感じられて、子供の死を、そしてそうなった時の親の気持ちを軽んじすぎている気がして読後感は最悪だった。私は幸にして子供を亡くしたことはないが、大人になってから大切な家族を事故で亡くした経験がある。その直後、絶対にセックスなんかしたくないと思うんだけど。
「箱の中」だけでよかった。
箱の中は星三つ、檻の外は星ナシ。
Posted by ブクログ
とっても良かった!刑務所で出会った冤罪の堂野の殺人罪の喜多川。刑務所内での堂野の苦悩も、出所後に堂野を探そうとする喜多川の一途さも、二人に降りかかる悲しい事件も。全てがおもしろく、愛おしくて、一気に読み進めました。そうそう感じることのない気持ちの良い読後感。大満足です。
Posted by ブクログ
喜多川の生まれも一途さも可哀想すぎて途中から可哀想だと思うのやめたくらい可哀想
愛とは何か、愛の意味するところ
結局喜多川が堂野に執着した理由って
生きてきて言われたことのない言葉とか教えてもらったこととか、愛や人間関係に飢えた喜多川にとってはからっからの場所にどばどば水を注がれた感じになったからなのかな
一回潤ったらもっともっとってなるよな、、
相手が同性だったってだけで。
堂野は住所を伝えなかったし、結婚して子供もできてたし
けど妻の不倫と子供の死の原因を知って、裏切りを知ってから喜多川にいった、、ずるいのか、、
けど喜多川が報われてくれて、2人は愛し合ってるからそれが1番ではあるけど
2人が川に落ちて、初めて堂野が好きだって言ったシーンは流石に泣いた。
“同じ雨の降っている場所にいるんだって思うぐらいいいだろ”
強烈に胸打たれた
物を知らなくて、自分の感情も言葉にするのが下手な喜多川だからこそ駆け引きも何もなしにド直球ストレートで愛をぶつけてくる
育った環境、親が違ければまっっったく違う人生だったんだよなと思って辛くなるけど
これは創作物だとしっかり認識しないとひっぱられちゃいそうになる。辛すぎて
刑務所の中で、堂野と暮らす家、暮らしたい夢の話は辛すぎて。この世界で叶うことはないんだと思い知ったら死んでしまうんじゃないかと思って鳥肌たった
天地がひっくり返っても叶うことのない愛を持て余した彼が間違った選択をしなくて本当に良かった。
ハッピーエンドで良かった。
ハッピーエンドじゃなかったら呪ってたと思う