【感想・ネタバレ】冬の光のレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

ほんとに著者女の人?っていうくらい男の視点が細かく書かれ、語り口も硬質。事実を並べればしょうもない男なんだけど、本人の語りで読むと、そんなこともあるか…と思わせてしまう描写力。一人の人間の中に存在する多面性、弱さ、人間くささがよく描かれている。
でも莉緒との関係は余計だ。気持ち悪い。
ところどころ光った表現がある。
「動物は着替えたりしない、という前衛アーティストの言葉そのままに、昔とまったく変わらぬ身なりで」
「人生の終焉の迎え方としてはね、今の日本がおかしいんですよ。リーダーシップを譲るべき時に次世代に譲らず、それどころか介護という形で何十年も負担をかけて、未来を紡ぐ芽をつぶしていく。そうやって生物的限界を超えて長生きしているのは、我々だけですよ」

0
2023年08月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

相変わらず文章は上手いし、持っていき方の技術が確かなのは間違いないんだけど、今作に関しては人物の造詣が空疎というか、端的に言うと薄い。
生身の人間というより、如何にも架空の人物が紙上で動き回っているに過ぎず、共感が抱けない。
遍路の途中で出会う秋宮梨緒の、物語における必然性、ましてや主人公の男が関係を持つ意味合いも解せぬまま。
巡礼を題材にちょろっと展開される宗教的な描写には、「ゴサインタン」や「弥勒」がちらりと想起され、オールドファンとしては少し嬉しくなったが、残念ながらそれぐらい。

0
2021年03月10日

「小説」ランキング