あらすじ
【世界同時株安も予見していた「投資の神様」が日本と世界の経済のゆくえを占う】ウォーレン・バフェット、ジョージ・ソロスと並び「世界3大投資家」と称されるジム・ロジャーズ。ソロスと設立した「クォンタム・ファンド」は、10年で2400パーセントという驚異のリターンを叩き出し、伝説となった。本書は、そんな「投資の神様」ジム・ロジャーズが、初めて日本の読者に向けて語り下ろした1冊である。伝説の投資家の目に、日本と東アジア経済の未来はどう映るのか。じつは、本書の取材を敢行した2018年夏の時点で、ロジャーズは「日米マーケットの好景気はうわべだけ。近いうちに破綻が訪れる」と断言していた。2018年12月末に、その予言はある意味現実となった。「リーマンショック級」の株安が日米のマーケットを襲ったのだ。ロジャーズはほかにも、リーマンショック、中国の台頭、トランプ当選、北朝鮮開国に至るまで、これまで数多くの「予言」を的中させてきた。名門イエール大学、オックスフォード大学で歴史学を修めたロジャーズは、「私の投資の背骨には歴史がある」と述べる。歴史から大きな「お金の流れ」を掴むことで、数々の予測を的中させてきたというのだ。このあと、お金の流れはどう動くのか? 本書では、世界史を参照しつつ、短期・長期両方の視点から、日中韓の将来を鮮やかに論じる。日本再興への道、朝鮮半島に訪れる刺激的で劇的な未来、中国のアキレス腱……「アジアの玄関口」シンガポールから世界を見つめる投資家の慧眼に映る、驚愕の未来予測。 【目次より】●序章 風はアジアから吹いている――ただし、その風には「強弱」がある ●第1章 大いなる可能性を秘めた日本 ●第2章 朝鮮半島はこれから「世界で最も刺激的な場所」になる ●第3章 中国――世界の覇権国に最も近い国 ●第4章 アジアを取り囲む大国たち――アメリカ・ロシア・インド ●第5章 大変化の波に乗り遅れるな ●第6章 未来のお金と経済の形
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Posted by ブクログ
コロナを経て状況が変わっている部分もあると思うが、新鮮な視点が面白い。
日本の未来に対して悲観的である理由の一つとして、歴史から見て移民を受け入れない国は衰退する(例ビルマ、ガーナ、エチオピア)ことを挙げている。
日本の農業に対しては可能性を感じており、移民を受け入れて低コストな運営を目指すこと(ただし、歴史的に品質を落とした会社は長続きしないので、高品質なものを提供しつづけること)を示唆。
最近話題の気候変動について多くを触れているわけではないが、中国の現状を踏まえて環境ビジネスは伸びるといった示唆もある。
10年後も覚えておきたいフレーズとしては、「人は歳を重ねるごとに、変化に順応するのが難しくなる。変化を拒んでいればいずれ職を失うことになるだろう。」
Posted by ブクログ
「世界3大投資家」の一人、ジム・ロジャーズが、歴史から大きな「お金の流れ」をつかみ、日本と世界の未来を予測した本。
「私がもし10歳の日本人なら、ただちに日本を去るだろう」とジム・ロジャーズは言います。現在の日本は世界的な投資家の視点で見ると、衰退の一途をたどっているようです。なぜ日本が衰退しているのか。日本が再び輝くためにやるべきことは何かが、本書で提示されています。
ジム・ロジャーズは本書をはじめとしたさまざまな著書で「歴史に学ぶ」ことの重要性を説いています。そして、多くの本を読んで異なる視点で眺めるクセをつけることの大切さも語っています。
Posted by ブクログ
投資を勉強する上で、世界一投資家のジム・ロジャーズの考え方を知りたいと思って、この本を購読した。
わたし自身、日本経済はこれ以上、よくならないと思っており、40代には海外へ飛ぼうと、少しずつ計画している。
この本を読んでみても、その気持ちは只、強まるばかりであったが、具体的になぜそう考えるのか、その理由や日本でも良いところはまだ残っている等、一縷の希望などが書かれていたので、今の日本に対して絶望的だったのが、ほんの少しだけ緩和されたような気がした。
しかし、ジム・ロジャーズの分析力はとても素晴らしいと思った。著者の本を読んだのは、これが初めてだが、他にも「中国経済の本」や、「世界中を旅する本」等、わたしを惹き付けるものが多い。
まだまだ、知識不足な面もあるので、すぐには身にならないと思うが、それでも、この分析力や先読力に基づく、考え方にはとても価値のあるものだから、少しずつ自分の中に落とし込みたい。
Posted by ブクログ
講演録のようで、目次だけで内容の8割を把握できる。2019年のビフォーコロナのころに書かれたため、それは割り引いても大変読みやすかった。私がメモしたのはこのくらい
・アベノミクスによる景気昂揚はうわべだけの好景気。日銀がお札をすりまくり株や債券を買いまくってるだけ。いつか安倍が日本経済をダメにしたと振り返る日が来る。
・危機にこそ投資の機会がある。日本は教育レベルが高く勤勉で危機からの復興には強い。が人口減少がどうしようもなくキツイ。
・朝鮮半島統一は確実で、そのとき韓国経済のマイナスを補うプラスが非常に生まれる(晩婚化、高齢化の解消と国内需要の拡大)
・中国は共産党独裁を危惧されているが、独裁は絶対悪ではない。シンガポールなどプラスに働く面もある、鄧小平は非常に賢い独裁者だった。中国で独裁者の地位にのぼるのは、アメリカの大統領選挙よりも厳しい選抜をクリアする必要がある。
・ブロック経済や貿易戦争が勝者を生まないのは歴史が証明している。トランプはアホにしか見えない。アメリカ経済は今後下り調子になるしかない、一部のITだけが調子よいだけ。
・インドは宗教・官僚・言語、余りに多様すぎて本物の国家になるにはまだまだ。皆が嫌っているロシアこそ投資のうまみがある。欧米の反露アレルギーのメディアにまどわされるな。
・通貨の混乱やインフレから身を守るには、リアルアセットを持つしかない、不動産や金銀など。
Posted by ブクログ
リタイヤしてカネとヒマを手にしたら、お気楽ながらも貪欲に株で一儲けしたろ、なんてな間抜けな願望はあまりに儚いようだ。確かに一度も痛い目を負わずにひたすら成功する投資家もいないわけで、打ちのめされようとそれを糧として立ち上がることができ、大いなる野心を保てるだけの絶対的な若さが必要だ。ヒトとは違った発想ってのには自信もあったが、単にズレてるっていえばそうかもしれん。何より勉強になったのは、北朝鮮のポテンシャルだ。ここ数年で南北が統一されるという予測の真偽はさておき、その際の朝鮮半島の成長理論はうなずける。対して日本はどうやら救いがたく、移民を受け入れぬならば将来は日本人が移民にならざるを得ないと宣告されているような・・・