あらすじ
いろいろあるけど、前に進もうと思う。
五十歳を目前に控えた進は、役者という職業を細々と続けながら、東京で暮らしている。最近ようやく順調に仕事が入るようになったが、娘と妻のいる家庭内では、どうにも居心地の悪さを感じるようになった。
ときどき、ふと漠然とした不安を感じることがある。これから自分たちはどうなっていくのか……。
故郷で一緒に育った姉、友人。老いていく父と母、そして今の家族、妻と娘。
進の人生に関わる様々な人がいる。そして、それぞれがひとりひとりの人生を生きている。でも、どこかで重なり、繋がり、そしてお互いの人生に何かのきっかけを与え続けていく――。
“人生は、長いようであっという間”
翻弄され、迷いながらも家族や人生と向き合い、懸命に生きる人々を描いた群像小説。
【著者より】
小説『ふたたび蝉の声』は54年間生きてきた自分の人生観、家族や友人等、いろいろな想いを込めて書いた群像劇です。知り合いの誰かと誰かを足して創った人物もいれば、まったくの想像で創った人物もいたり……。楽しみながら、噛み締めながら書きました。是非、ご一読ください。
内村光良
感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
やがて家族へと繋がっていく一人ひとりの人生を昭和、平成と紡いでいきます。丁寧に描かれて読みやすい。愛する人たちを残してこの世を去っていかなければならない覚悟は計り知れないほどの哀しみであり涙なしでは読めずでした。
作者はウッチャン。物書きの才能は漫才のネタ作りから下地があるのでしょうか。人柄が滲み出るような温かくて前向きになれる本でした。
生きる上でなにが大切か、教えられます。
いろいろあるけど、また、前を向いて歩いていこうと思う
Posted by ブクログ
タレントさんが書く小説というのは、その方の芸風?キャラクターをよく知ってないと楽しめないのかなと思っている。なので、そんなに手を出してこなかったけど、ウッチャンはよく見る方なので(かつてあのウリナリを全部見てたという自負もあり)、どんなものなのかなーと読んでみることに。良くも悪くも、すんなりと心に入ってきて読みやすい。個人的には好きな文体でした。家族をテーマにしたエピソードには弱いので、時々しんみり。もっと印象に残るものがあってもよかったけど、自分の言葉で語れないものは無理に描かず、堅実に物語を繋ぐ力は、テレビの中で見かける落ち着いたウッチャンの雰囲気とはあってる気はする。