あらすじ
東京の風景を一変させた六本木ヒルズの生みの親、「森ビル」総帥が、「都市論」から、再開発での地権者との交渉までを初めて語る。世界レベルの空間造りを目指した元文学青年の「都市の論理」が、愛する東京を変え、海を越える。
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Posted by ブクログ
Vartical GardenCity
垂直な庭園都市、これは是非是非日本の東京大阪クラスの都市では進めてほしい。
狭い上に平べったく土地を使うからどうしても広くなってしまい、それが原因で職場と住居が遠くなっている。
工業経済が中心であれば生活空間と産業空間は明確に分離すべきだが、知識産業化が進んでおりそれが逆効果になっている。
往復2時間なんて、正気の沙汰ではない。
大阪のグランフロントの住居部分の売れ行きが好調なことも、それを示していると思う。
さらに高齢化、人口減少が進むのであればより一層効率を高めるべきだし、環境の回復には人間の住まない土地を増やしていくことも重要だと思う。実際、この人の提唱する土地活用ができれば地上の9割程度が空く、ということだし。
ただ、これをやるのは東京大阪クラスの都市である必要もある。作ったは人がいないはだと大変なことになる。中国なんかだとほんと実現しやすそう。
とまぁ都市論でもいろいろと考えたが、それよりも再開発空間に居住する人たちとのやり取りが興味深い。膝を詰めて話すことがいかに大切か、再開発に遭遇するなんてディベロッパーでない限り、人生に一度あるかないか。それにあたって反対派が出てくることは当然であって、それを保守的であると批判してはダメだし、とはいえ再開発するべきである土地もたくさんある。伝統とかではなく、災害の観点も重要である。そういった折衝の一部がかいまみれて、面白かった