【感想・ネタバレ】ヒルズ 挑戦する都市のレビュー

あらすじ

東京の風景を一変させた六本木ヒルズの生みの親、「森ビル」総帥が、「都市論」から、再開発での地権者との交渉までを初めて語る。世界レベルの空間造りを目指した元文学青年の「都市の論理」が、愛する東京を変え、海を越える。

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Posted by ブクログ

アークヒルズの開発の経緯など、さすがに面白い話が色々載っています。
庭園都市の構想については、悪くはないと思いますが、養老孟司さんだったら、「その緑は自然ではなく、人工である」と言うでしょうね。

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2021年03月15日

Posted by ブクログ

森ビル社長による都市開発物語。虎ノ門・六本木地区で極めて存在感のある森ビルではあるが、その成功の裏には並々ならぬ苦労があったことがよくわかった。特に、身近な存在であるアークヒルズ付近の谷間地地区が、バラックだらけの取り残された陸の孤島であり、自らの理念に忠実に、反対者の多い500戸にものぼる住民を説得し、近代的空間を作り上げた熱意はすごい。森ビルの総帥なんだから、タダ者ではないとは思っていたが。私も普段から都心を散歩し、今でも小さな木造家屋の多い地区を見てはガッカリさせられるが、都心を快適空間に変える森社長の理念には、完全に同意である。街の姿を一変させる都市開発の力に驚嘆した。六本木地区の変遷がわかり、とても興味深く読めた。
「日本は「土地こそ資産」という考えが強く、都心でさえ未だに一戸建てが数多く建てられている。これでは、建て詰まって都市環境は悪化するばかりである」p31
「(アークヒルズの)ケヤキ並木の中には6本の楠木が交じっている。「風よけに常緑樹を植えなさい」という指導があったからだ。ケヤキ並木のなかに、居心地悪そうな楠を見上げるたびに「まったく不思議な国、不思議なルールだ」とため息が出る」p70
「「田舎の3年、江戸の昼寝」という喩えがあるそうだ。田舎で3年勉強するより、江戸で半時昼寝をしているほうが勉強になるという意味らしい」p83
「(ヒルズは)「災害時に逃げ込める街」」p95
「日本では、リスクをとって新しいことに挑戦する人は少ない。前例のないことを認める人も少ない。実績と信用がつき、まわりの評判を聞いて初めて賛同する人が増える。よくいえば慎重。悪くいえば臆病。日本はベンチャー企業が育ちにくい国である」p122
「当時この一帯は「陸の孤島」だった。(谷間地地区は)土地が不整形で高低差が大きい、勾配がきつく、道路も曲がりくねっていた。しかも、崖下は老朽化した棟割長屋や木賃アパートが密集する下町、丘の上はお屋敷町と、全く性格の違う街だった」p135
「「できるはずがない」この言葉をこれまで何度聞かされただろう。そのたびに「そんなことはない、前例は自分たちでつくる」と奮い立った」p146
「(欧米人の)豊かなプライベートタイムが斬新なアイデアや、思いがけないビジネスチャンスを生み出しているように思われた」p196
「「法律で決まっているから仕方がない」と諦めるのではなく、法が制定された本来の目的を読み取り、その主旨に沿う最もいい方法を研究し、協議していくべき」p217
「中国には「井戸を掘った人を大切にする」ということわざがある」(皆のために良いことをしてくれた人を敬う)p256
「アジアのライバル都市に比べると、日本は意思決定も、許認可手続きも、工事も、供用開始もすべてにおいて遅い。このままでは、十年もたたないうちに追い越されてしまうだろう」p260

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2018年11月12日

Posted by ブクログ

垂直の庭園都市と文化・アートのコンパクトシティ構想、長期戦の土地確保、そらをやりきる信念。
#ヒルズ挑戦する都市 #森稔 #読書記録 #読書記録2018

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2018年09月25日

Posted by ブクログ

森ビル社長の著書
これまで都市や建築についてあまり深く考えたことがなかった。
ディベロッパーの仕事にも興味があった。
六本木ヒルズなどのヒルズシリーズ、森ビルナンバーシリーズなどを手がけた森ビルの
都市開発のコンセプトが記されている。

森氏は工業化社会時に根付いた働く場所と住む場所が分離されている状態から
職住近接をテーマとして最近のヒルズシリーズ作りをしているようだ。
その実現の手段が垂直の庭園都市だ。また職住遊の一体化を提案している。
(これまでの東京である平面過密、垂直過疎状態を脱する。)

それを具現化したひとつが六本木ヒルズだ。
詳しくは本書を参照。

ビルというハードを作るのではなく、その街が社会に何を提供できるのかというソフトに非常に力を入れていることが伺わる。
さらにソフトから情報を発信するメディアとしての都市というのが非常に面白いと思った。(ヒルズ内の電光掲示板やディスプレイに流す映像などはヒルズ内で一元管理されており、その場所その場所で効果的な演出をしている。、またヒルズジャックと呼ばれるすべての場所で単一の情報を流すということも可能となっている。)
また人が魅力を感じる街として経済だけなく文化の中心地であることも目指している(現に、六本木ヒルズの最上階には美術館を設置している。)

ディベロッパーの仕事は10~20年近くかかる大仕事であり、このような未来を見据えた事業をするところに森ビルのオリジナルがあるのだと感じた。
クールなイメージのディベロッパーであるが土地の接収といった非常にドロドロした部分もあり現実の厳しさもよく分かる。


建築、デザイン、都市論といったものに興味がある方は楽しめると思います。

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2019年01月16日

Posted by ブクログ

都市論に興味があって、垂直都市のことを知りたくて、森ビルの考えを知りたくて読んでみた本。予想外に良かった。
都市開発がリアルに感じた瞬間。関わりたいな~

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2010年07月01日

Posted by ブクログ

リアルなデベロッパーの視点を学べる貴重な一冊。働き方の解像度が上がった。
入社3,4年目でまた読みたい。

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2024年06月27日

Posted by ブクログ

街を単に経済やシステムの効率的推進拠点にせず、街が「生きる」姿を重視する姿勢に強く共感し、また実際の事例とともに楽しく読み進められた。森氏はとくに文化・美術に着目し生きる都市イメージ実現に向かったようであったが、他にも住む者のアイデンティティやノスタルジーへの働きかけなど、「人が生きる=都市が生きる」構想を実現するには手段があると感じた。それ自体が生き、愛され、親しまれるために、都市やその開発にできることはまだまだあると感じさせられた。

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2021年06月27日

Posted by ブクログ

六本木ヒルズというのは、ヒルズ族というのがあって、
あぶく銭の館だと思っていたが、
この本を読んで、全く違っていたことを知った。
ワーカー2万人、住民2000人、訪問者4000万人。
森稔の「都市の中に、都市を建設する」という執念。
住みかつ働く、職住近接。用途限定から用途複合へ。
巨大フロアー(5400平米)をスペースとする。

「垂直の庭園都市」というコンセプトで、
「緑で覆われた超高層都市」そして「天空美術館」がある。
文化は経済活動に匹敵する産業になると森稔は思っていた。
クオリティオブライフを追求しながら、住み、暮らし、遊び、文化を創造する。
都市に小自然を作り出す。緑被率をあげる。四季を味わう。
自然が街を成熟させる。意外性や偶発性がある。
ワンテイストの街などあり得ない、異質なテイストが
高い次元で混じり合う街をつくる。

人口減少や少子高齢化になると都市に人口が集中する。
「田舎の三年、江戸の昼寝」と言われ、
情報が多くなればなるほど、都市にひかれ、集まる。
この指摘は、なるほどと思った。
中国から戻って、東京に住んで、もはや3年になるが、
やはり、東京の利便性と様々な文化的なイベントに参加できる。
やはり、東京に住むことを覚えたら、やめられない。

森ビル映像配信室、タウンマネジメント事業室が、
ヒルズジャックする。街がメディアになる。
この仕組みは、すごいなぁ。今後これが発展するだろうね。

既成概念に挑戦し、街の価値で勝負する。
そして、街の主役は人間であるという。
アークヒルズを作るときの、粘り強い取り組みには、
感心させられた。目標に向かって進む姿は、素晴らしい。

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2020年04月14日

Posted by ブクログ

日本人は広葉樹の方を好む。
前例は自分たちでつくる。
再開発の過程で多くの人に接し、色々な側面を見る。
六本木ヒルズだけでなく、上海の上海環球金融中心の話もあり興味深かった。
上海環球金融中心はアジア金融危機で中断していた。その時に撤退をする共同事業者もいたが、それをあきらめず株を引きとった。

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2019年01月15日

Posted by ブクログ

地縁、血縁、電縁というのは、今まさにその通りで、その中でも新しい電縁というネットを介したつながりをしていて凄い。
会社自体の成長は、実際はもっとエグいこと多かったんだろうな、と想像できるような。
割と読みやすいので、オススメです。

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2017年02月18日

Posted by ブクログ

読んでよかった。感銘を受けた。
本来公共セクターが持つべき「まちづくり」や「タウンマネジメント」の意識を大変強く持ち、それに根気強く向き合うことで、アークヒルズや六本木ヒルズを形にしてきた――そんなプロセスがよくわかる。地域の人々との接点を大切にし、入り込み、ひとりひとりの人生を巻き込みながら、信念を形にしていく様子は、読んでいて気持ちよくもある。
アークヒルズのヒルズマルシェや六本木ヒルズのHills Breckfastはもとより、例えば毎週末森ビル社員がパトロールしていることを知る人はあまり多くないだろう。知らないまま「食わず嫌い」せず、森ビルの考え方をまず知ってみること。森ビルの再開発の好き嫌いを決めるのは、そのあとでよい(学生のころは食わず嫌いしていたなぁ)。

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2014年11月27日

Posted by ブクログ

大学2年の夏、たぶん六本木ヒルズができて1年以内の頃、初一人旅で行った。
建物自体の大きさ、キレイさ、斬新さに目を奪われて「街」として捉えるまではできなかった。でもその時の衝撃ははっきり覚えてる。森美術館の模型も、景色も。
この本読んだ上でもう一度行きたい。
そこにはかつて普通に暮らしてた住民がいて、家があって。当時こんな広い敷地にバカでかい建物たてるなんて、前列ないし大変だったに違いない。それを何十年もかけて実現した。すごい。

新しいことに挑戦するときいろーんな壁に阻まれるけど、乗り越えたものだけが成功する。

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2014年07月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

Vartical GardenCity
垂直な庭園都市、これは是非是非日本の東京大阪クラスの都市では進めてほしい。
狭い上に平べったく土地を使うからどうしても広くなってしまい、それが原因で職場と住居が遠くなっている。
工業経済が中心であれば生活空間と産業空間は明確に分離すべきだが、知識産業化が進んでおりそれが逆効果になっている。
往復2時間なんて、正気の沙汰ではない。
大阪のグランフロントの住居部分の売れ行きが好調なことも、それを示していると思う。

さらに高齢化、人口減少が進むのであればより一層効率を高めるべきだし、環境の回復には人間の住まない土地を増やしていくことも重要だと思う。実際、この人の提唱する土地活用ができれば地上の9割程度が空く、ということだし。

ただ、これをやるのは東京大阪クラスの都市である必要もある。作ったは人がいないはだと大変なことになる。中国なんかだとほんと実現しやすそう。

とまぁ都市論でもいろいろと考えたが、それよりも再開発空間に居住する人たちとのやり取りが興味深い。膝を詰めて話すことがいかに大切か、再開発に遭遇するなんてディベロッパーでない限り、人生に一度あるかないか。それにあたって反対派が出てくることは当然であって、それを保守的であると批判してはダメだし、とはいえ再開発するべきである土地もたくさんある。伝統とかではなく、災害の観点も重要である。そういった折衝の一部がかいまみれて、面白かった

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2014年02月26日

Posted by ブクログ

森ビル、森稔氏のこれまでの調整を記した一冊。

会社に入って、社内調整、社外調整にかかる労力、株主等からの要求といったハードルを少しづつわかってきたからこそ、森ビルのやってきたことがほとんどの会社では実現不可能な事業であることが体感できる。

アークヒルズ、六本木ヒルズ、上海ワールドフィナンシャルシティ。どれも20年近い歳月をかけて竣工、開業を迎えているが、上場企業ではとても通らない話だろう。
端から見れば偉大で成し遂げがたい事業は内部から見た採算、経済合理性においては他社がやっている何気ないPJにも劣るかもしれない。

難しい。

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2013年03月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 森ビルは六本木の再開発でなにを実現しようとしていたのか。六本木ヒルズのコンセプト、共同建築、再開発の困難とその克服、上海での挑戦、そして今後森ビルが目指すものについて。
 話題としてはすでに少し古くなってしまったか。六本木ヒルズの好き嫌いはそれとして、新しいことに挑戦し、自らの過去を否定することも厭わない森ビルの都市づくりに対する姿勢はすばらしい。新しい都市づくりに向けた示唆に富む一冊。

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2012年11月06日

Posted by ブクログ

森ビルの説明会より、この本一冊読んだほう森ビルについてよく分かる。
森ビルの提唱する垂直田園都市は、都市としての東京の未来を変える可能性のある理念だと思う。
都市に関するあらゆる批判に対し、森ビルはひとつの答えを提示出来ている。
そして、六本木ヒルズのようなインパクトの大きい事業を手がけている森ビルが、何故「中堅」ディベロッパーであるのか、読めば分かる。

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2012年01月18日

Posted by ブクログ

森ビルに行くのが楽しみになる一冊。

地下の有効活用って、近未来なイメージだったけど、

今後もどんどん進んで行くんだろーな。

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2011年07月25日

Posted by ブクログ

2010.10.24
Point
1。高層階による居住環境の向上
通勤時間の短縮
2。ビルの上に田園
3。美術館を入れビルの資産価値の向上
4。逃げ出す街から逃げ込む街の整備

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2010年10月24日

Posted by ブクログ

400人もの地権者をまとめるという行為はもはや想像できない。
中国の行政のスペクタクル感も羨ましい。
満足度7

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2011年01月31日

Posted by ブクログ

会社研究のために読みました。

森ビルの社員さん1人1人にも、この本に書かれてる、森さんの信念が行きわたってるんだなーって思った。
「垂直の庭園都市」って、最初はあんまり共感できなかったけど、徐々に良いなって思えるようになったかも。
六本木ヒルズも、もう少し年月が経てばこなれた感が出て、もっと六本木という街は良くなると私は思う。

にしても、地権者との交渉をする粘り強さとか、すごいわー。
森ビルは、理念が分りやすくて好きです。

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2010年02月20日

Posted by ブクログ

ヴァーティカルガーデンシティを始め、都市と向き合いながら理想を追いかけ、実現しつつある。

人としては本気で尊敬できる。
惜しい人を亡くしたと思う。

でも個人的に森ビルの「今の姿」はあんまり好きではない笑
最初高くて、それが馴染んで一般的な風景の一つに成りえるかどうか、今後が見物。

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2014年02月20日

Posted by ブクログ

森ビル絡みの本は過去にも読んだけど、ご本人によるものは初かな。
アークヒルズ、六本木ヒルズ、そして上海と注目プロジェクトの裏側を知ることができて非常に興味深い。
賛否両論がある都市作りという話ですが、これまでにないことを新しいアプローチで取り組んで実現してきたのは事実だし、その恩恵に少なからず関わっている人は少なくないということで、評価されてしかるべきなんでしょう。
今年逝去されたとのこと、長い間お疲れさまでした。

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2012年11月05日

Posted by ブクログ

森ビル(株)社長が考える都市の考えが紹介されている。自分は建築が好きだ。建築物に身をおき、建築家がどのような意図をもってその建物の設計をしているのかを想像のが楽しい。森社長は建築家ではなくデベロッパーだ。1986年に着手した六本木ヒルズの都市再開発には400件超の地権者、借家人300人、東京ドーム約2.4個分のエリアの開発に17年近くかかっている。都市の価値を高めるため、過密住宅地の安全性の向上のために都市を開発する。建築家とは違い、デベロッパーとして都市が人に与える影響を考えている。これは自分にとって新鮮だった。

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2012年03月08日

Posted by ブクログ

かつては、「花のお江戸は八百八町」と呼ばれた巨大都市の東京。その東京の都市開発の一翼を担ってきた森ビルの歩みを辿る。筆者は、大学在学中から父親が創業した森ビルで働き、虎ノ門や赤坂、六本木のエリアの再開発に深く関わっていく。様々な関係者の思いの対立を乗り越えながら街づくりに挑む描写から、筆者の街づくりにかける情熱と卓越した先見の明、当事者でしか語りえない迫力を感じる。そして、その活動は東京のみにとどまらず、上海での開発へと続いていく。街の歩んできた歴史の一側面を知ることができ、街を歩く楽しみがまた増える一冊。

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2011年11月27日

Posted by ブクログ

既成概念への挑戦
-住食遊を一つにまとめる
-経済活動×文化
-巨大なタワーの中に多くの機能を配置=効率的
-耐震性
-地震でライフラインが止まっても生活を継続できるような街を作る
-「逃げ出す街」から「逃げ込める街へ」


狭い土地の中に一つの国家を作る感じ
街づくりと言うより国づくり
その国をた日本全体に広めるにはどうすればいいか・・・


都市の中の都市=「街」本来の姿をつくり、街を育てる
-ヒルズ:オリジナリティの高い部分
 周辺:それ以外の部分
-建物ができることによって、周辺にもにぎわいができ経済効果が上がる
-周辺を巻き込んだコミュニティ活動、現地に根づいた街を育てる
(ex:お祭り広場で伝統的なお祭りを復活、産地と協力して朝市を企画)


六本木ヒルズ=都市の再生へ
都心:高度な土地利用
   多くの都市機能をコンパクトかつインテグレートした形に再生
郊外:自然を保全
⇒持続可能な都市


-空と地下の活用で空間を創る⇒自由に使える時間、みどりも生まれる
-vertical gerdencity:空間を作る⇒需給緩和⇒賃料が下がる
-職住近接
-歩くのが楽しくなるような道を作る
-文化都市


同じものは創らない
街に「変化する仕組み」を組み込んでおく


その時代、その国、その地域に最もふさわしい街をどう実現するか

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2011年10月09日

Posted by ブクログ

森ビルの歴史はそのまま著者の歴史でした。
六本木ヒルズ創業時、中学生だった私にはヒルズに込められた意味を考る気など起きなかった。メディアで見聞きするに、高級なところなんだろうというイメージであった。

本書には、著者がどのような想いで、ディベロッパーとしてどのように再開発に取り組んできたかがよく記されている。
高層庭園都市高層のような理念は俄かに理解しがたいものであるが、
再開発自体、当時は今以上に理解を得にくいものであっただろう。
その中で、確固たる信念を持って対話に挑み、近隣住民を説得し続け、ついには事を成し遂げた著者の姿勢には心打たれるものがあった。

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2011年03月28日

Posted by ブクログ

森ビルの元社長が、森ビルの沿革と歴史を振り返りつつ、
都市のあるべき姿について説いている。

従来の都市は平面過密・立体過疎であり、移動に多くの時間とエネルギーを費やしてきた。
理想の都市である”垂直の庭園都市”とは職住近接で安全・緑・文化など
いくつもの都市機能やエンターテイメントを立体的に集約した都市である。

構造としては、細分化された土地を再統合し、建ぺい率を低く抑えながら容積率を高め、
必要な空間を地下や超高層建物に収めることで空間を生み出し、
敷地のほとんどを緑や人間に開放するというもの。

そして、世界的な都市間競争が激化する中で日本が生き残るには、
都市に投資を集中して都市骨格をつくり直し、知識情報社会に相応しい
職住近接の都市構造に再生すべきだと説いている。

それ以外にもアークヒルズに関する記述では、地上げの苦労話が書かれていて興味深い。

しかし、この本の最大の魅力は、「再開発が地権者のこれまでの人生や生活を取り上げる」ことを理解し、
利益よりも、「都市や建物を単なる人の容器ではなく、それらが社会に何を提供できるのか」
というポリシーを貫いている元社長自身にあると感じた。

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2011年03月14日

Posted by ブクログ

感心する考え方や行動の記述が、ところどころあったが、深く感心するところは特に無かった。
しかし、森社長の言わんとしている事には共感している。

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2010年07月01日

Posted by ブクログ

へーそうだったのかぁと思った。ただおされなビルを作りたかっただけじゃなく ビジョンがあったのね 知らなかった。ちょっと自讃しすぎな感じも受けたけど。

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2010年06月05日

Posted by ブクログ

港区の大家さん、森ビル社長 森稔氏による都市論。森ビルの誕生からアークヒルズ、六本木ヒルズ、上海、マッカーサー道路と森ビルが手掛けてきたプロジェクトと氏が考える都市論について振れることが出来る。森ビルのレゾンテール(存在意義)は、高度空間を活用した、垂直庭園都市による職住遊近接型の21Cの知的資本主義を支える都市づくりというのには、なるほどなと思った。森ビルと他のディベロッパーとの違いは共同建築による共同開発のノウハウ蓄積にあり。

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2009年12月08日

「ビジネス・経済」ランキング