【感想・ネタバレ】君がいない夜のごはんのレビュー

あらすじ

電車の中で読んではいけない絶品エッセイ集
料理が出来ず味オンチと自覚する穂村さんが日常で見出した「食べ物」に関する六十編。深くて笑えて思い当たる。傑作エッセイ集。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

穂村弘のエッセイを読む。
過剰な自意識を笑うと、それは自分に返ってくる。
自分のことなんて他人はそんなに気にしてないぞ。

穂村弘のエッセイを読む。
一般常識の前で立ちすくむ姿は、全くもって私の姿だ。
なぜみんなそんなことを知っているのか。
どこでそれを知るのか。

穂村弘のエッセイを読むと、なんだか自分がとても悲しい。
客観的に見る自分はとても情けない。
だけど、客観的に見る自分は笑える。
だから穂村弘のエッセイは面白い。

この本は食をテーマに書かれた本なのだけど、腐った牛乳を飲んでも気がつかない、味覚が昭和で止まっているほむほむの食に対する姿勢が抱腹絶倒なのである。
布団の中で食べる菓子パンが一番好きという、ちょっとわからない食のこだわり。
納豆やお好み焼きのタネを混ぜることがめんどくさくてしょうがないという無精っぷり。
ラーメンに乗せるトッピングを絞り切れない優柔不断。
やっぱほむほむって変。

「曖昧体重計」とか「逆ソムリエ」のという言葉の破壊力。
言葉にこだわる歌人の性なのか?
才能の無駄遣いのような気もするが。

そして、変なのはほむほむだけではなかった。
蕎麦はそれほど好きじゃないのに、わんこそばが好きという若者。
好きな理由が「リズム」。
???

ステーキ屋さんで、他のお客さんの頼んだものが美味しそうだからと言って、その客のあごの動きで咀嚼回数を数え、メニューを特定したという知人のSさん。
…マガジンハウスの沢田さんでしょうか。

毎日世間の常識にあわあわしながら過ごすのも、結構楽しいのではないか。
穂村弘のエッセイを読むといつもそう思う。

0
2021年10月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

再読。やっぱり穂村さん面白いな…外で読んでるとちょいちょい笑ってしまいそうになって危ない。食べ物エッセイ集だったことには後書きを読んで初めて気付きました(笑)。

―ラーメンを頼む一瞬、心の綾波が叫んだのだ。違う。それは「私のラーメン」じゃない。その声をきき取って、瞬時に正しいラーメンを頼むとは。なんて凄いんだろう。私には私の声がきこえない。本人なのに。(186P)

0
2021年12月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

初めての穂村弘さん作品。
なんてへんてこな人なんだろう!(褒め言葉)
あまりのへんてこぶりに、くすくす笑ったり、苦笑いしたり。

ごはんエッセイなのに、見事なまでに「美味しそう!!食べたい…!」とならない所が面白い。

干しいちじくのお話なんて、逆に干しいちじく食べにくくなってしまったよ。
虫やカ、ビ…?大好きだったのに!
見なかったことにして、これからも食べるけどね。

「曖昧体重計」はお馬鹿やな~とくすくす笑いつつ、ちょっとわかる!と共感。言い訳作っちゃうんですよねえ。


一つ一つのお話が短くてあっさりしているので気楽に楽しめた。
他の作品も気になる作家さんだ。

0
2023年09月01日

「エッセイ・紀行」ランキング