【感想・ネタバレ】「思考」のすごい力 心はいかにして細胞をコントロールするかのレビュー

あらすじ

人間のポジティブな思考の大切さを説いた自己啓発書は数多くあるが、本書は細胞生物学者が科学的にそれを証明した画期的な本。遺伝子やDNAが私たちの生体機能をコントロールしているのではなく、細胞の「外側」からやってくるシグナルがDNAをコントロールしているという。さらに、私たちが抱く思考は、肯定的なものも否定的なものも強力なメッセージを発していて、それらも細胞をコントロールしていることを示してくれる。本書は生物学はもちろん、量子物理学における最新の研究をも統合して、驚くべき成果を提示した。私たちの思考とは、自分の肉体をも変えうる無限の可能性を持っているということである。著者の画期的な研究は、エピジェネティクスという新しい生物学の端緒を開き、科学とスピリット(魂)の橋渡しに貢献している。ユーモアあふれる語り口と適切な喩えで、難しい生物学の話をわかりやすく教えてくれる本である。

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Posted by ブクログ

エピジェネティックスの世界、心と細胞の関係がとてもわかりやすく書かれている。ここに量子物理学との融合がある。すべてはエネルギーとの調和によって生かされもし殺されもする。特に子供への潜在意識への親の影響はとても大事。胎児の頃から影響する。
潜在意識内のプログラムを変える方法として、PSYCH-Kサイケーという方法があるとのこと。

190916 再読
エネルギー医学やプラシーボ効果、ノーシーボ効果など、現代医学における器質重視や病気の原因を観ず症状緩和だけの治療の問題点を指摘している。生命力を支配しているのは、遺伝子ではなく、思考である。

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2018年01月28日

Posted by ブクログ

2015年106冊目。

人は遺伝子によってあらかじめすべてを決められているのではなく、遺伝子の発現は後天的な要素によって制御できるとする「エピジェネティクス」。
そしてその後天的要素は、外部環境によるシグナルであり、さらには人の思考だと言うのがこの本の主張。
原題に“Biology(生物学)”という言葉が入っているだけあって、特に前半は科学的用語を用いた説明が多いが、ユニークな例えや図表、そして著者のノリの良さも相まってとても読みやすい。
後半から徐々にスピリチュアルな話も増えてくるが、全体的に「氏も育ちも、思考によって超えられる」というメッセージ性は読んでいて心強い。

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2015年12月26日

Posted by ブクログ

細胞レベルで生業や知性を科学の目線で明らかにしながら、その集合体である人間はどうしたらなりたい自分になれるか。環境による細胞の反応をもとに示唆する本

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2020年09月07日

Posted by ブクログ

日本語タイトルから成功哲学的な本かな?と思っていたら
細胞生物学者が量子物理学の研究も交え遺伝子、ミクロのレベルで、
思考が変化を及ぼす事を立証する超真面目な本でした。
が、研究者でありながら非常にユーモアあふれる語り口なのですいすい読める。
DNA遺伝子決定主義を批判。要因は遺伝子だけではなく環境によるところが大きい。
スイッチを入れるのは環境からの信号である。
DNAは細胞の生殖器であり、決して細胞の脳ではない。
生命とは何かを考えさせられる。生きているって素晴らしい。
おすすめのサイエンス本です。

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2019年03月26日

Posted by ブクログ

「思考のすごい力」Bruce Lipton

身体が持っている機能で、細胞にはなくて身体だけが持つ新しい機能は一つもない。

遺伝子は子孫にだけではなく、異なる種の間でも受け渡しが起こる。これを遺伝子の水平移動と言う。

欠陥遺伝子が原因で生じる単一遺伝子病を発症する人は人口全体の2%未満。

人間の身体の中では、10万種類以上のタンパク質が働いている。さらに細胞内では10万個以上のタンパク質が働いている。

宇宙の神秘を解き明かすには、思考をまっすぐに進めるだけではダメ。

原子は目に見えないエネルギーで出来ており、実体のある物質ではない。量子論の世界では、物質は希薄な空気のようなもの。

物質は中身の詰まった実体(粒子)であると同時に、非物質的な力場(波)である。

原子は電位や波長を持っており、これはエネルギー(波)としての性質。

宇宙は分ける事のできない全体的な存在であり、エネルギーと物質が絡まり合っているので両者を別々のものとして考えるのは不可能。

米国人の死因第一位は医療行為が原因となって生じる医原病。

生物が生きていくためには環境からのシグナルを受け取って処理しなくてはならない。生き残れるかどうかはシグナル伝達のスピードと関係する。化学物質によるシグナルである物質の拡散は秒速1センチ以下だが、電磁エネルギーのスピードは秒速30万キロメートル。

処方薬のやることは、身体症状を抑えるが、原因はほとんどほったらかし。

原子の動きを強めたい時は、調和共鳴を引き起こすような振動数を見つける事。この場合、電磁波でも音波でもよい。

思考はエネルギーであり、身体の生理的機能にも影響を与える。

健康で幸せに暮らしていく為に大事なのは、心のエネルギーの方向を切り替えて、活力を生み出す肯定的思考に向かう事。かつ、エネルギーを浪費し、消耗を誘うばかりの常につきまとう否定的な考えを排除する事。

生物は、各細胞が自身の生理的な機能を制御する為に用いるシグナル分子を環境に放出して、他の生物の行動にも影響を与える事がわかっている。
環境に放出されたシグナルによって、散らばって存在する単細胞の生物達も協調的な行動をとる事が可能になる。環境にシグナル分子を分泌する事により、原子的な共同体として生活する機会を得て、単細胞生物の生存率は上昇した。

生物の歴史のごく初期に、原子的な単細胞生物は人間と同じシグナル分子を用いていた。

心は頭の中だけに留まるのではなく、シグナル分子によって身体全体に分配されているという事実が立証されている。

自らを意識する事により、心は脳を使って「感情をつくる化学物質」を生成し、環境シグナルを出発点とする反応系より優先的に情報を伝える事もできる。つまり、意識を正しく用いれば、病気の身体を健康にする事もできるし、逆に潜在意識が情動を適切にコントロールできなければ健康な身体であっても病気になってしまう。

環境刺激に対する人間の反応は知覚によってコントロールされているが、学習してきた知覚の全てが正確なわけではない。

心(中枢神経系が送り出すアドレナリンによる指令)は身体(局所的なシグナルであるヒスタミンによる指令)に優先する。

何を見るのかは自分で選択できる。信念というフィルターを通し、それがバラ色であれば、身体を構成する細胞が活発に活動する手助けになるし、暗いものであれば、心も身体も病気になりやすい状態になる。

「信念が変われば思考も変わる。
思考が変われば言葉も変わる。
言葉が変われば行動も変わる。
行動が変われば習慣も変わる。
習慣が変われば人格も変わる。
人格が変われば運命も変わる。」 マハトマガンジー

腸の内側表面の細胞は72時間で全部が新しいものになる。この細胞の入れ替わりは常に行われており、かなりの量のエネルギーが費やされている。

生命を謳歌するにはストレスの元を排除し、かつ積極的に動いて喜ばしく愛情深く満ち足りた生活を送るように心がけ、成長・増殖の過程を促進する事。

人間の身体には二種の防衛システムがある。一つは外部からの脅威に対して防衛反応を引き起こすHPA系、これは視床下部・脳下垂体・副腎の3部分が連携して働くシステム。脅威がない時は、HPA系が活動せず、体内では成長・増殖活動が盛んに行われる。

HPA系が活性化されると、副腎由来のストレスホルモンが大脳の血管を収縮させて機能を制限する為、頭(大脳)が働かなくなる。

限りない不安は、HPA系が絶えず発動され、慢性的なストレスになり、健康がひどく損なわれる。

潜在意識に蓄えられた、以前学んだ「真実」と矛盾する事柄を意識が信じると、脳内で葛藤が起こり、筋力が低下する。

過去、シェフィールド大学に知能指数126の学生がいたが、彼には脳がなかった。

人間を取り巻く環境や社会的慣習は急速に変化するので、文化的な行動を遺伝的にプログラムされた本能として伝達するのは得策ではない。子供達は環境を注意深く観察し、親が提供する世界の知恵を潜在意識のメモリーに直接ダウンロードする。その結果、親の行動や信念が子ども自身のものとなっていく。

潜在意識はプログラムを格納したデータベースであり、感情はない。潜在意識の機能は環境のシグナルを読み取って組み込み済みの行動プログラムをひたすら行うだけ。

意識は1秒間に40の刺激しか扱えないのに対し、潜在意識は2,000万の刺激を処理できる。

受精の数ヶ月前から、両親は子供の遺伝子を調整する遺伝子工学者としての役割を持つようになる。

出生前の子供は、覚醒時・就寝時を問わず、常に母親の行動・思考・感情の全てに同調している。受胎の瞬間以降に子宮内で経験した事により、脳が形成され、性格や感情的気質、高次の思考能力の基礎を築く。

ストレスを強く感じている子供ほど発達が遅れる。

成長・増殖を最もよく促進してくれるのは愛。

愛のない生涯は価値がない。
愛は生命のとっての水
全身全霊を傾けて飲み干しなさい。

「私たちが最も美しく最も深遠な感動を体験するのは、神秘的なものを感受した時。それこそが全ての真の科学の原動力である。」アルバートアインシュタイン

人間には、魂(スピリット)という本質があり、不死である事を新しい科学のメカニズムが明らかにしてくれた。

物理学や細胞研究の最新の発見が、科学の世界と魂の世界との間を繋ぎつつある。

最新の科学が示す世界観は、自然界の全ての物質に魂があると考えた初期文明の世界観と似ている。

地球上の生物圏は過去5回の大量絶滅が起こっている。絶滅が起こるたびに生物相はがらりと入れ替わってきた。

我々の体内の全てのタンパク質は、環境にある何かと物理的、電磁気的に相補的。我々は環境のイメージによってできており、環境とは宇宙である。

細胞のレセプターは、自己を環境からダウンロードする装置。つまり、私という自己は、体がここにあろうとなかろうと環境の中に存在している。

自己レセプターのアンテナがダウンロードするのは全体の中のほんの一部。つまり、我々は全体のごく一部の現れ。神の一部分。

我々がこの世界で経験した事柄は我々の魂に送り返される。人生をどのように送るか、その人生の性質があなたという自己の性質に影響を及ぼす。

人間一人ひとりが虹のスペクトラム中のそれぞれ異なる波長の色。特定の色が嫌いだからといって消去すれば残った波長をプリズムに投射しても再構成される光はもはや白色光ではない。

我々がなすべきことは、各波長にあたる人間一人ひとりを保護し、育むこと。

幾何学とは、異なるもの同士が、互いに関係しながらぴったり適合して、全体を構成する部分となる方法を数学的に判断すること。

レセプター/エフェクタータンパク質を多く有する生物ほど認識力が高く、進化の階段のより高いところに位置する。

三次元空間(細胞)内で表面積を増やすには、フラクタル幾何学が最良の方法。だから進化はフラクタルな出来事なのである。

単細胞生物は成長の過程で、他の細胞と接近することを強いられるようになると、彼らはプレッシャーに対する効果的な対処方法を探し始めた。それは結合であり、多数の細胞からなる共同体を作り出した。

適者生存という暴力が生命の核心であるというダーウィニズムはまちがっていた。

人間のふるう暴力の中で最も広く行われていてかつ陰険なのは思想統制。

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2018年04月05日

Posted by ブクログ

邦題はとんでもなく胡散臭い。いわゆるトンデモ系である。
でも原題は"The Biololgy of Belief "。やっぱり胡散臭いか。
実際「細胞の脳は細胞膜である」なんて書かれていて大丈夫か、と思う。
でも著者は変わった経歴を持っているが、それなりにまっとうな生物学者。
部分はまっとうな科学的議論で最近の文献も引いて説明している。
”細胞膜は脳”というのも、表現はどうかと思うが言いたいことは理解できる。
遺伝子・DNAに関する最近の新しい知見(エピジェネティクス=DNAが全てをコントロールしているのではなく、DNAは単なる設計図であり環境から変更されることもある)や関連する研究に関して分かりやすく紹介されているので、それを簡単に理解するのにも意外と役立つ。
分かりにくいとことか不確かなところは訳者が結構説明を加えてくれているので読みやすい。
ただ、すべてはエネルギーだなんて感じの量子物理学に関する話とかは定性的な議論しかしてないのでどうかと思うし、最後の2章ぐらいはついていけないところも多い。題名の”思考”、というか”自己意識”とか”潜在意識”、”魂(スピリット)”についての著者の考察なんだが、前半で紹介した細胞生物学の新しい知見に基づいて、”明らかになった”と著者は言うのだが、どうも論理の飛躍がある。我々の意識は環境からダウンロードされたものだから、身体が死んでも残るだの。ただ、その主張に関しては、要は「病は気から」「気の持ちよう」的な話で、日本人にとってはそんなに受け入れがたいものでは無いように思う。一応科学的な考察に基づいた自己啓発的な内容と思えばよいのかもしれない。人間が感じるものは、脳で感じる。対象が同じでも見方(フィルター)によって変わる。物事の良い面を感じている方が楽しいに決まっている。楽観的な思考、バラ色のめがねを通じて世界を見る。プラス思考は体も人生をも変える力がある。ということかな。

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2011年11月05日

Posted by ブクログ

細胞生物学者による自己啓発書。
人間の資質や能力は遺伝子によって決定・支配されているのではなく、
思考によってコントロールできるし変えられるんだよ、ということが
細胞生物学や量子力学的見地から説明されています。
けっこう人生観が変わりますね。

物質はすべてエネルギーでできているという量子力学的な世界観がまずあって、
そこから心と肉体、スピリチュアルな世界と科学の世界を
切り離して考えることがいかにナンセンスかってことを力説しておられます。

人間というのはは約50兆個もの単細胞からなる共同体だから、
細胞が細胞膜から取り込んだ環境情報からDNAをコントロールするように、
人間自身も心で身体をコントロールできるということらしい。

子育てにしても、プラシーボ効果を最大限利用して、
「やろうと思えば何でもできるんだよ」という
潜在意識を植え付けてあげることが大切だそうです。

生命が競争原理によって進化してきたとするダーウィン理論より、
生命全体が環境との調和や生命同士の共同によって成り立っていて、
愛情深い者が生き残るというこっちの理論の方が、
希望が持てていいと思います。

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2011年06月30日

Posted by ブクログ

読み始めたら、一気に読んでしまった。
『がん、自然治癒力のバカ力』の真柄俊一先生お勧めってことでしたが、大変興味深かったです。
遺伝子の発現を調節する機構を研究するエピジェネティクスという生物学についてはかなり専門的な解説。ただし、意識や心、エネルギーっていう話しになってくると、かなり飛躍が。でもそっちの方が面白いんだけど。

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2011年02月19日

Posted by ブクログ

遺伝子というのは単なる生物の設計図に過ぎないという、大胆な発想に惹かれ読んでみた。
専門的な用語が多いため少々難しく感じる。私達が健康に暮らすために大事なのは、心のエネルギーの方向を切り替えて、活力を生み出す肯定的思考に向かうことだそうだ。
ただ、難しいのは、意識と潜在意識という、表面的には区別できるように見える心の区分けが、実は密接に関係しあっているということだ。
意識には創造力があるが、潜在意識は本能によるものなので容易にコントロールはできないということなのだろう。

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2010年10月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

前半は学術的用語&表現で訳が分かりません・・・
後半はタイトル通り。非常に興味深い。

・・・細胞一つ一つには知性がある。
・・・潜在意識は情報処理装置としては最強の部類に入る。
などなど。興味があるフレーズが盛りだくさん。
最後は「愛」で締めてあります!!

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2010年12月12日

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