あらすじ
妖怪が出現して暫くすると、相互監視や娯楽施設の閉鎖がはじまり、日本中が殺伐とした空気に支配されていった。「怪」関係者の一部は政府によって捕らえられてしまう。妖怪関係者は奪還を試みるが……。
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Posted by ブクログ
日本に妖怪が発生してから、世の中が妖怪やホラーの排斥活動を始め、妖怪専門の自衛隊(YAT)なるものまで結成され、妖怪関係者やホラー作家、怪談作家、ホラー映画関係者や俳優、声優、漫画家までもが富士山麓へ避難生活を余儀なくされていた。
そこで繰り広げられる文字通りの「妖怪大戦争」
令和の大戦争には百鬼夜行に描かれた妖怪だけではなく、鬼太郎や貞子3Dやガメラ、犬夜叉にとら(うしおととら)、漫画や特撮からもふんだんに怪物が登場する。
京極さんのオタクパワーがまたもや爆発している。最高ですか!?
版権のこと考えると映像化は不可能。だけど…だけど、こんなの見たいにきまってるじゃないか!
1980年代に著名なミュージシャンたちが集まり、歌った「We are the World」という素晴らしい曲がある。マイケル・ジャクソン、スティービー・ワンダー、ブルース・スプリングスティーンなど、大スターたちが、アフリカの飢餓や貧困を解消したい、という願いを込めて歌ったキャンペーンソングだが、妖怪愛好家版のソレと言っても過言ではない。
柳田國男の幽霊に、水木しげる、荒俣宏、平山夢明、東雅夫、黒史郎、木原浩勝、夢枕獏に小野不由美と旦那様、高橋留美子に藤田和日郎、佐野史郎や嶋田久作など、著名な人々が実名で登場している。このオカルト界の大スターたちが「日本のため」や「日本妖怪のメンツにかけて」とかのカッコイイ大義名分で戦うわけではなく、余裕のなくなった日本でとにかく暴れ回るだけ。
想像していると脳内がたのちぃ。
こんなに破茶滅茶な状態でどうやってオチをつけるのかと思いきや、やはり京極夏彦は一流。とてもほっこりとした最後だった。
百鬼夜行の最後には昇る朝日(丸い輪)が描かれることが多いが、その通りに終わる。
朝日が昇って、全ておしまい。何もなかった。
日本人は和(輪)を大切にするからね。洒落も効いていてよかった。
とても長かったけれど、読んだ後になんだか頭がスッキリして、自然に「あーーーー面白かった!」と口に出していた。
Posted by ブクログ
良い意味で、終始いったい何を読まされているんだろうか、、、という気分にさせてくれる本でした
内輪ノリの悪ふざけのオンパレードで
読んでいてとても楽しかったです
みんな集まるとこんな感じになるんですねw
ずーーっと、ヒッチャカメッチャカです
ネタが古かったり、マニアックなモノもあり
元ネタ知らない人はちょっと読みにくいだろうな、と思いました。
最後の新旧問わずのキャラクターオンパレードに、京極夏彦の「妖怪」と定義するストライクゾーンの広さと
サブカルに関しての知識の深さに感心してしまいました
犬夜叉、そういえば妖怪だった(笑
私は鬼灯様にお会いしたいです
そして巨大テレビから這い出てくる、ジャンボ貞子には笑いましたwwx
しかもそれを出したのが鈴木光司ご本人
馬鹿の権化たるレオ若葉がまさかそちら側だったとは!
レオ若葉の連載読んでみたいです
あの感じでどんな文章書くんだろうか、、
丸い輪の世界の向こう側に逝ってしまった水木先生
その中でにっこり微笑むお姿にうるっときました
最後の最後に、この物語は水木しげる先生を最大級にリスペクトした作品だったんだな、と思いました。