あらすじ
ベストセラー『現場力を鍛える』に続く第二弾。自社、他社、顧客、問題、ノウハウが見えれば、企業は強くなる。現場力の中核コンセプト「見える化」を豊富な事例のもとに体系化する。
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Posted by ブクログ
「見える化」の元祖、遠藤功によるズバリその名を冠した著作。「見える化」とは、現場による自律的な問題発見・解決を目的として『人間が本来持っている責任感や能動性、やる気を信じて、企業活動上のあらゆる問題や事象を顕在化させ、「視覚」に訴えていくこと』(P.21)を指す。
「見える化」には5つのカテゴリーが存在する:
■問題の見える化:
①異常の見える化
②ギャップの見える化
③シグナルの見える化
④真因の見える化
⑤効果の見える化
■状況の見える化:
①基準の見える化
②ステータスの見える化
■顧客の見える化:
①顧客の声の見える化
②顧客にとっての見える化
■知恵の見える化:
①ヒントの見える化
②経験の見える化
■経営の見える化
(PP.62-72を基に整理)
これらを『問題解決という共通目標の中で関係性を持つシステムとして捉える必要がある』(P.72)。
問題解決につなげるという点を踏まえれば、単に見えるようにすれば「見える化」という訳ではない。
“「見える」ことはあくまで「入り口」だ。それが人間に刺激を与えることで、意識が変わり、新たな行動を誘発する。たんに「見える」だけではなく、「見える」ことがきっかけになり、人間の心の中に何かを育み、それが「見える」前とは異なる思考や行動を生み出す”(P.178)
ことになってはじめて、「見える化」は意味を持つ。すなわち、
“1. 決められたルーチン(日常業務)をこなすだけでなく、現場で発生するさまざまな問題を「当事者」として解決しようとする強い意思、柔軟な頭脳、強靭な足腰を有している。
2. 現場の一部の人間だけがそうしたマインドや能力を持っているのではなく、現場の業務に携わるすべての人間が、現場力の重要性を理解して参加する「組織能力」にまで高められている。
3. たんに改善活動を行うのではなく、現場力を徹底的に磨きこみ、競合他社をはるかに凌駕する「優位性」にまで高めようとする高い志・目標設定をしている”(P.13)
というところにまで高めなければ「見える化」は意味をなさない。
Posted by ブクログ
■見える化=現場力の中核となるコンセプト=競争力
⇒経営から現場に至るまで、必要なものが必要なタイミングで「見える」=対処が迅速で且つ、適切
・問題のない企業は存在しない⇒問題設定能力が重要
・企業を成す3要素
1.ビジョン(WHY?)
2.競争戦略(WHAT?)
3.オペレーション(HOW?)
・トヨタのアンドン方式
⇒問題の開示
⇒個の責任による問題発見
⇒チームによる問題解決
・問題解決のPDCA
-Problem finding
-Display
-Clear
-Acknowledge
・見える化
「問題の見える化」=日常の企業活動において発生する異常や問題がタイムリーに見えるようにする。
ex.異常・ギャップ、シグナル、真因(原因)、効果(検証)
「状況の見える化」=企業活動の現状
ex.基準(ルール)、ステータス(リソース)
「顧客の見える化」=声の見える(ニーズ、ウォンツ)、顧客にとっての見える
「知恵の見える化」=あらゆる知恵を終結させたり、形式的に変換させるといった仕組み
ex.ヒント、経験
「経営の見える化」
・基礎情報⇔支援情報⇔信号情報
・効果を記録することは改善の基本
・基準があってこそ、基準外という問題が見えるようになる
┗トヨタの強さは徹底的な標準作業の明確化