【感想・ネタバレ】右脳思考のレビュー

あらすじ

優れたビジネスマンは
勘で仕事する!

「なんか、変だぞ」「これは面白い」……。
本物の経営者は思いつきやひらめきを大事にしている。
生産性と創造性が劇的に上がる思考法を解説。

著者・内田和成氏が経営コンサルタントの仕事を通じて、優れた経営者から学んだのは、彼らは経験や直感を大切にしているということである。大改革を成し遂げた経営者、ユニークな戦略で自社を飛躍させた経営者に、「なぜ、そのような意思決定をしたのか」と尋ねると、「勘です」とか、「答えは誰もわからない、やってみるしかない」という回答をもらうことが多い。
「優秀なコンサルタントもいきなりフレームワークから持ち出さない」とも述べる。左脳的に分析を始めたり、プレゼンテーションをするのはあまりお勧めできない。

本書で伝えたいのは、ロジカルシンキングの否定ではない。ロジックに加え、感情や勘、すなわち右脳を働かせることで仕事をより効率的に進める、あるいは、成果をあげられるということだ。
「勘や感覚よりもロジックが大事」というのはビジネスの常識。
勘・感覚は右脳的、ロジックは左脳的。ビジネスは左脳重視の世界だ。
本書はこの常識に挑戦する。ロジックの権化と言われる戦略コンサルティングファームのトップを務めた著者は「右脳も大事」と説く。コンサルタント時代から右脳重視派だった著者が右脳・左脳の使い分け方、使うタイミングを解説する。
生産性と創造性が劇的に上がる1冊。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

本当にひさかたぶりにビジネス書を読んだ。それも読んだ目的は、ビジネスに活かすためではなく、右脳について書かれた本を読んで見たいと思ったからだ。

先日、ジル・ボルト・テイラー著の「奇跡の脳」(脳科学者である著者が、突然の脳卒中で左脳の機能を失ったあと、左脳機能を再生するとともに、脳科学者として右脳機能の重要性について気付きを得た話)を読んだのがきっかけである。

脳科学的なアプローチでなく、ビジネス最前線での脳の使い方であるので、つまりは理論編ではなく、実践編の面白さがあった。

本来は、著者と同様にコンサルティングをする立場にある人、あるいはコンサルティングを受ける側の経営層や事業企画部門のスタッフにとって、非常にリアリティをもって読める書であると思う。本書の対象読者は間違いなくソコのはずである。

しかし、この内容は事業企画的な業務(例えば新規事業のビジネス展開など)だけに適用されるものではなく、どのような業務にでも、またビジネスに限らず、日常の様々なアクションで活用できる考え方であるなと思った。

仕事のプロセス(インプット→検討・分析→アウトプット)が示されている。著者の定義は次のようなもの。
◆インプット:情報収集、仮説づくり、課題発見など。
◆検討・分析:真の課題特定、分析、課題の構造化、代替案抽出など。
◆アウトプット:意思決定、コミュニケーション、実行。

そして、この3つのプロセスでの主役は、右脳→左脳→右脳であるという。単純化するなら「ひらめき(右脳)→ロジカルシンキング(左脳)→人の心を動かす(右脳)」いうイメージだ。

例えば、掃除、料理、学習、子育て、旅行などの日常的なイベントでも、生きていくという人生プロセスでも適用できると思った。何かの問題に突き当たったときには、この考え方は応用できる。

コンサルタントへの「どんな時に仮説を思いつくか」という質問に対し、ディスカッション中とか、インタビュー中との回答が多かったのは興味深い。

仮に子育てで悩む両親は、単独で悩むより、両親でよくディスカッションすれば、よりよい子育て方針の仮説が見つかるかもしれない。対話には、右脳が活性化させる働きがあるということだろうか。

本書の副題に、「ロジカルシンキングの限界を超える観・感・勘のススメ」とある。問題意識をもってアンテナ高く物事を「観」じたり、素直な心で「感」じとったり、想像力たくましく「勘」を働かせてみたりすることは、ロジックのみを追求しているよりももっと真実が見えてくるのだいう。

問題意識を持つというのは、自分のレンズだけでなく、相手のレンズでものを見る努力をするということだと著者は述べているが、人生に起こる様々な問題解決も、この視点はとても重要であるように感じる。

著者の次の2つの言葉を、特に銘記したい。

「右脳思考とは、自分の中に蓄積された経験というあなたのオリジナルデータベースに、自在にアクセスし、それを使って自由に考えることである」

「正しいことややるべきことではなく、やってみたいことや面白いと思うことをやる」

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2020年08月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

どれだけロジックが正しかったとしても、相手の腑に落ちなければ意味がない
ロジックで説得できなければ、相手の心の内を考えて「情に訴える」ような説得をした方が良い

0
2021年03月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

人は無意識のうちにクリティカルシンキング(ロジカルシンキング)とクリエイティブシンキングを使い分けている。
アイデア(What、How)の抽出で発散し、企画として収束させる。意識して右脳と左脳のスイッチを切り替えることが大事。
「右脳思考」は無意識に行っている思考プロセスを体系的に解説し、意識的に行うことができるようヒントをくれる。
また、MBA的なビジネス知識(いわゆるヒト・モノ・カネ)だけでは必ずしもうまく行かないことも多い。そういった時に読むことをオススメする。

ただし、人の動かし方については「影響力の武器」の方がより実践的で参考になる。


以下、本書からの学び

【右脳を使うことが重要な理由】
「ひらめき」「良いアイデア」はそれを考えついた人がワクワクするもの。

【右脳の使い方】
仕事の流れ:インプット→検討・分析→アウトプット
頭の使い方:右脳→左脳→右脳。思考が右脳と左脳を行き来する。
(p.237、図表6-1)
問題発見は右脳が出発点。3つのカン:観(観察する)、感(感じ取る)、勘(を働かせる)
「情報収集」と「仮説づくり」は渾然一体。
課題発見は「とりあえず」を見つける。
意思決定に勘を大事にする。ただし、別の切り口から検証するプロセスが必要。

【右脳で考え、左脳でロジカルチェック】
ビジネスでもまず「やりたい!」から考える。
アイデアを事業化するとは、右脳で考えた思いつきを左脳で理論武装するプロセス。
直感、経験(右脳)をロジック(左脳)で説明できるようになる。

【左脳で考えたロジックフローを右脳で肉づけ】
ロジックだけでは人は動かせない。相手の気持ちを動かすにはストーリーが必要。
人を動かす4つの要素:論理性、ストーリー、ワクワク・どきどき、自信・安心
ストーリーを豊かにする方法:立体感(イメージできる)、現実感(実現できそう)、安心感(やってみたい、自分でもやれそう)

【右脳「力」を鍛える】
自分はどんなことには勘が働き、どんなことには勘が働かないか。
意識しながら、観・感・勘を使う→検証し、外れた場合は修正。
自分自身を腹落ちさせる。
右脳思考とは、蓄積された経験を使って自由に考えること。

【ロジカルシンキングより直感を信じてみよう】
自分が組織で期待される役割を知る:分析型、批評家タイプ、思いつき型、熟慮型、実行型、破壊者タイプ、まとめ役、アドバイザータイプ
(p.247)

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2020年10月18日

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