【感想・ネタバレ】ボクたちはみんな大人になれなかった(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

それは人生でたった一人、ボクが自分より好きになったひとの名前だ。気が付けば親指は友達リクエストを送信していて、90年代の渋谷でふたりぼっち、世界の終わりへのカウントダウンを聴いた日々が甦る。彼女だけがボクのことを認めてくれた。本当に大好きだった。過去と現在をSNSがつなぐ、切なさ新時代の大人泣きラブ・ストーリー。あいみょん、相澤いくえによるエッセイ&漫画を収録。

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名だたる著名人が絶賛しているWEB連載発、大人のラブストーリー!
Facebookで元彼女に友達申請を送ってしまったところから始まる私小説。
著者の燃え殻さんは私とは世代が違うものの、90年代の東京の雰囲気、空気、カルチャーなど自分があの時代・あの場所にいたかのように錯覚するほど、描写が自然で巧く、一瞬で引き込まれました。彼女、アルバイト、友人など、各エピソードはそれぞれ短編小説としてまとまっていて、どのエピソードにも燃え殻さんからにじみ出てくるようなやさしさと切なさが溢れていて、胸が締め付けられます。「あの頃には戻れない、けれど生きている今は悪くない。」そんな感動がきっと味わえると思います。
また、作品中に出てくる「電気グルーヴ」「フリッパーズ・ギター」「小沢健二」など、世代的に違うものもあるけれど、読後に無性に聞きたくなったことは言うまでもありません。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

初めて読む燃え殻さん。
なんだか素敵、と装丁とお名前に惹かれて手に取りましたが
面白かった…!
読んでいくほどにこれは好きなやつだ、とのめり込んでいきました。
年代は少し違うけれど、主人公が43歳。偶然にもわたしも今年43歳になります。そんな共通点もハマったポイントだったのかな。

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2025年04月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

✶印象に残った言葉↓
「でも夢持たないと、夢破れたりしないからお得ですけどね」

「美味しいもの、美しいもの、面白いものに出会った時、これを知ったら絶対喜ぶなという人が近くにいることは幸せだ」

「『いま、孤独なんだ』を『いま、自由なんだ』って言い換えると、鎮静剤くらいには効くんですよ 」

「毎日毎日、満員電車に乗っていたら、たまには会社に行かずどこか遠くへ行ってしまいたいと思う方がまともだ。そういうネガティブな考えの人間は大人じゃないとか根性がないとかいう人とは友達になれない。そんな人間はポジティブで根性があって、センスがない。それが立派な大人なら、ボクはやっぱりなりそこねたんだと思う。」

「好きな人って何、そう思って生きてきたの__あ、わかる」

「傷ってやつにもいろいろあって、時が癒してくれる傷と、膿のようにずっと心の底に居着く傷がある」

「たとえハリボテの夢だったとしても、人間は背中のリュックに何か入っていないと前に足が進まないようにできているのだ。荷物は軽い方がいい。だけど手ぶらでは不安過ぎるんだ。」

「ボクたちは似ていた。好きな人がいて、その好きな人の強さに惹かれ、自分の弱さに耐えられず少しズルくなっていた。」

「ボクが凸で、君が凹。そんな単純なパズルは世の中にはない。ボクが△で、君は★だったりする。カチッと合わないそのイビツさを笑うことができていたら、ボクたちは今も一緒にいられたのかもしれない。」

「始まってしまったボクたちは、いつか終わる運命にある。必ず夜が朝になるように、必ず朝は夜になる。ただその必ずが今日なのか、明日なのか、20年先なのか、それは誰にも分からない。」

「みんな広い世界を覗いて、片手に収まる窓を開けて満足しようとしている。ボクはときどき、急にその場所が息苦しくなる。見えない窮屈なルールを感じる。そして、決して自分と分かち合うことのできない並行世界に目を伏せたりする。それでも、みんな「ここにワタシはいる」と瞬いているのが見える。どんなにコミュニケーションが変わってもボクたちは「孤独」が怖いままなんだ。一等星から六等星まで、その光の強さ、大きさはそれぞれ違うけど、もっと速く、もっと深く、本当はみんなひとりぼつちが怖くて、どこかに繋がりたいと叫んでいるように感じた。」

「俺たちがあと50年生きるとして、1日に1冊ずつ読んだところで読み切れない量の出版物がすでにもう保管されてるんだ。そして一方では世界の人口は70億を超えて今日も増え続けてる。俺たちがあと50年生きるとして、人類ひとりひとりに挨拶する時間も残ってない。今日会えたことは奇跡だと思わない?」

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2025年11月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

後半にあったこの一文
そう、たった三文字で愛を伝えたのです。『ア ナ タ』と。
まだ世間知らずだった私に恋の難しさを教えてくれた1冊
エモいって表現がいいのかも

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2025年10月23日

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