あらすじ
「ガイアの夜明け」(2014年9月9日放送)、「カンブリア宮殿」(2016年4月7日放送)に登場!!
世界に誇るメイド・イン・ジャパンのものづくりを守り、
育てるアパレルブランド「ファクトリエ」。
同ブランドを立ち上げた山田敏夫さんは、自らの足で日本各地を回り、
高い技術力を持つ縫製工場を訪ねては、工場のオリジナル商品を
つくってもらい、「ファクトリエ」で販売をしています。
「店舗なし」「セールもなし」「生産工場を公開」
「価格は工場に決めてもらう」--。
山田氏がファクトリエで実践するこうした取り組みは、
いずれもこれまでの日本のアパレル業界では"タブー"とされてきたことでした。
これまで消費者の前に姿を出すことのほとんどなかったものづくりの担い手、
「工場」の存在を前面に打ち出し、光を当て、その高い技術力やものづくりの姿勢を、
一人でも多くのお客さんに知ってもらう。これがファクトリエの目指す世界です。
そして2012年の誕生からおよそ6年が経った今、ファクトリエには
多くの仲間、工場、お客さんが集まってきています。
ファクトリエのこれまでと今。
アパレル業界の「新しい当たり前」をつくろうとする
山田さんの歩みを、一冊の本にまとめました。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
幸運にも経営者(著者)の方と話す機会があったことで読みました。
心を動かされる経営者には皆共通していることがあると思っていて、それは芯が通った誰もが理解できる信念があり、加えて利他の精神があること。山田さんからもそれがよくわかる本でした。加えて、会社の理念に伴って、社員の役割も明確化していることが印象的。
そして「誰がアパレルを殺すのか」を以前に読んだときにも思ったことだが、これからは食べ物だけではなく服についても大量生産・大量消費(廃棄)が疑問視されていく名は必定だと思う。服を作るのにあんなに水が必要というのは初耳でした。幸い年を重ねて服への趣味や考え方も変わってきたので、これからも買う服はしっかり考えていきたいと思わされました。
Posted by ブクログ
今や 検索で「ジャパンメイド」の服を探すのは簡単ではない
山田氏が 英語が得意で留学先にフランスを選ばなかったら。フランスでスリにあわなかったら。
グッチがバイト先として山田氏を採用しなかったら。などなど。
ひとの巡り合わせと彼の泥臭い行動力で今のファクトリエはあることがわかる
勉強ができて優秀なタイプがこういう本を書いても響かないが、山田氏は不器用で(本人が書いている)そうではないので共感がもてる
工場ツアーに参加してみたい
安い服というのはちゃんとした労働環境で作られていないということ
現場である工場を大切ににして仕事に見合った適性価格で取引することで最高のものづくりをしていてとても素晴らしいと思う
日本の縫製工場存続のためにも日本製のものを吟味して買いたい
Posted by ブクログ
生きるのは、目的ではなく手段だ、
与えられたこの命をどう使うのか?
できない理由をあげつらう暇があったら、
行動しよう、
そう、思わせてくれる本。
Posted by ブクログ
黒子に徹していた生産者(工場)に光をあて、正当な対価で仕入れて売る。非常に難しいことを成し遂げた企業の成り立ちがよくわかる。
この本が読みやすいのは、著者の山田社長の人柄の良さが表れているからかも。
Posted by ブクログ
人間の平均飲料水1人1日約1.5ℓとして、Tシャツ1枚作るのに約5年分の2,720ℓ、ジーンズ1本分の綿を生成するのに約20年分の1万ℓ以上の水が必要。
ファッションはあらゆる産業の中でも2番目に多く水を消費し、世界の排水量の20%を占めているんだとか。
ファクトリエの山田さんの素晴らしい人柄と熱意と行動力がひしひしと伝わる一冊。
Posted by ブクログ
食品については、作り手を支えることと安心して食べるということで、日本のもの、できれば地場産品を、という気持ちで買い物をするのに、洋服のことって、あんまり考えたことがなかった、と思う。手元にある洋服のタグを見たら、たぶん外国製がほとんど。
梨木さんの「やがて満ちてくる光の」にあった、着る物を「慈しむ気持ち」のこと、ボーダレスジャパン の起業の考え方、新疆綿のこと、いろんなことに思いがつながっていく。
素敵!という衝動も愛しているけれど、その素敵がどうやって生まれてきたかも楽しめるお買いものをしたいなあ。
Posted by ブクログ
信念で突き進んでいる姿に強い刺激を受けた。ファクトリエの真面目なブランドイメージは山田さんそのものなんだな。強い想いがあってこそ人は共感していく。
アパレルの世界はなんでこんなに透明性が低いのだろうとずっと疑問だったけれど、ブランドイメージや技術の流出を防ぐため、工場は契約を結んでいるブランドから関わっていることを口止めされているなんて知らなかった。とはいえデザイナーが物凄く力を持っている業界。デザインを工場に託して共にものづくりをして商売の軌道に乗せるなんて並大抵のことじゃない。。猛スピードで失敗すること、64の曼陀羅など、実践できそうな例も沢山ありました。
Posted by ブクログ
「メイドインジャパンのブランド化」のために突っ走る姿。想いが信念になり、共感を呼び事業が生まれる。素晴らしい。志良し!ファクトリエを応援したくなる。時代が求める行動力の見本みたいな人。清々しい。好きだ。
Posted by ブクログ
「ものではなく想いを届けるブランド」全てに響くであろう良書。そのまま踏襲して実践できる内容が多い。
◎満足はリピートを作るかも知れないが、口コミまでは生まれない。口コミが生まれるのは、満足を超えた熱狂が生まれるとき。
◎熱狂を生むための仕掛け:「仲間と楽しむイベント」と「サプライズ」
→ファンが交流できる「場」をつくる(セミナー形式のイベント、ワークショップ)
★アイテム数を増やし過ぎればいいというわけではない。「本当に自分が欲しいと思うものだけを販売できているだろうか?」「繰り返し買いたくなるものだけを売っているだろうか?」「誰のどんな問題を解決するものなのか?」を問いかける。
★自分たちにあった規模感と数量で、愛情を注げる商品だけを作って売っていく。
◎ヘビーユーザーへのインタビューで、ファクトリエに求められていることをキーワードにまとめる。cf. 大谷選手の行動の曼荼羅シート
◎私たち人間が唯一コントロールできるのは、結果ではなく行動。
◎シャツ100枚を売り切るために企業での無料セミナー開催→300社アポで12社実現→出口で販売→完売
◎余計なことはやらない
Posted by ブクログ
日本の服飾関係の工場、服飾に関わる職人や技術者は、減少し続けており、日本の高い技術は、継承者がいないことで、失われていっている。
ファストファッションの隆盛により、海外の安い賃金で服を作り、次々に流行に応じた、瞬間的な服を使い捨てる文化となっている。
日本の服飾下請け工場は、海外との価格競争にさらされ、未来が見えない状況である。
筆者の山田さんは、日本の高い技術を生かし、工場の高い技術を持つ人たちが本当に作りたいもの、皆が本当に欲しいと思うものを作り、工場が山田さんの会社(ファクトリエ)を介し消費者に直接売ることで、上記の状況を打開しようとしている。
1人で起業し、40人の従業員を抱える会社に育て上げた成功者が、起業に至る経緯、会社の育て方を語る、とういことで、いわゆるビジネス本に近い種類に見える。
だが、
山田さんの文章からは、所謂ビジネス本が暗黙の了解としている、お金を稼ぎたい、「利益を出す=成功」というような感覚が全く感じられない。
逆に感じられるのは「自分の夢をかなえたい」というモチベーション、ポリシーから突き動かされるすさまじいパワーだ。
工場が名もなき黒子に徹していて、滅びてしまうことへの危機感。素晴らしいものをきちんと残していきたいという志。
そして、リスクを取っても行動すること、「自分の夢」を、皆にも感じ取ってもらい「共に夢をかなえる」という姿勢
これが素晴らしいのだと思う。
Posted by ブクログ
私はここ25年ほど体型が大きく変わっていないので、一度買ったジーンズなど長く着れる服は10年単位できています。
なので、テキトーに服を選ぶとそのテキトーな選択に10年付き合わなくてはならないわけで…
ひさびさに、服を買いに行きたくなる本でした。
直営店、覗いて見よう。
あと、以下のフレーズに痺れました。
『プロダクトアウトでもマーケットインでもなく、価値観を共有することから商品が売れるようになる流れを、僕たちはもっと増やしていこうと思いました。』
Posted by ブクログ
インターネットだけで注文・生産・販売を行うアパレル企業の社長の立志伝です。それにしても有名ブランドの衣料品を委託生産しているのが地方都市の工場であることは知りませんでした。アパレル業界には守秘義務の慣行があって、その工場がブランドの委託を受けている事実すら公表できない理由には驚きました。地方都市の疲弊は目を覆うばかりです。高度な技術を持った地域の工場に光を当てて収益化する試みには一筋の光を見る思いがしました。