あらすじ
2020年代 労働力人口が5年間で300万人減り、日本経済が大打撃を受ける!
2030年代 地方の生産年齢人口が激減し、地方税収が落ち込む!
2040年代 自治体の半数が消滅の危機に陥り、行政運営に支障が出る!
2050年代 団塊ジュニア世代の高齢化で、社会保障制度が崩壊の危機に!
2065年 2.5人に1人が高齢者となり、日本は貧しい国になる!
だから、どうした? 人口が減ると、何か問題でも? 経済学者・高橋洋一が、いま話題の「未来年表」を一刀両断! 人口減少危機論を煽る黒幕の正体を暴く!!
本書は、2018年9月末時点の情報に基づき執筆されております。
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Posted by ブクログ
巷で流布されている人口減少によっておこるとされている事象が本当におこるのか分析した一冊です。先進国である日本で起きている人口減少は、産めよ増やせよの時代と違い鮮明になってきていますが、その原因は今でも明確には解き明かされてはいないようです。個人的には、年金の問題が一番気にかかっていましたが、さほど気にするような問題ではないようです。他の問題でも移民に関しては、ただでさえ他国で問題になっているのに、日本で足りない労働者を補う為にわざわざ外国の移民を増やすというのは様々な問題を招きかねないということで、これは多くの専門家と同じく著者も反対しています。このように、人口減少に関して気になることが網羅されているので勉強になります。
Posted by ブクログ
あまりにも人口減少危機論が多いため、逆の論はないかと思い本書を読んだ。
基本的にマクロの視点から、社会保障や移民政策等を論じている。中には頷けない意見もあるが、移民政策で欧米を見習えば、その欧米で起きている騒乱が引き起こされる、という論には同意。
しかし、社会の人手不足の声が高まっている現状、その騒乱には目を背けそうな気がする。
Posted by ブクログ
先日読んだ『未来の年表』の内容と真逆の位置に属する本書。人口減少の影響は皆が心配するほど大きいものではないとの主張。少し安心した一方で、経済成長と生産性向上は必須なので、古いマインドを刷新する体制が作れるかが課題か。河合氏の本と足して2で割ると丁度良さそう。人口減少による地方衰退は避けられないと感じるので、多極集中は必要。良くも悪くも頭が良い人の物の見方・考え方をしているなという感想。誰もが努力すればフリーランスでやっていけるわけではない。
Posted by ブクログ
元財務官僚の高橋洋一による、人口減少危機論について悲観的な話を否定した一冊。
一般的に人口減少=経済縮小と思いがちだが、彼曰くそうではないらしいということがよくわかった。
Posted by ブクログ
ここまで明確に人口減、年金破綻、消費増税の目的をハッキリ言ってくれる人は少ない。。
パチンコ依存症に目が行くから、IR法案賛成!は暴論だが、あの脱税の温床、ギャンブル依存症による社会不安は、全くその通り。
高橋さんが橋下さんを支持している理由もわかった。
Posted by ブクログ
★4.2(3.82) 2018年11月発行。2008年大蔵省を退官した著者。確かに人口減少を懸念する巷の書籍は根拠がないが、流石著者は東大数学科を出ただけあって、言っていることは一番正しいように思える。労働人口が減ってもAI等により一人当たりの労働生産性を上げるか女性の労働参加率を高めるだけで、問題ないのはその通り。また年金政策も正しい理論に基づけば、年金財政が破たんすることはないのに、何も知らないマスゴミにはあきれる。それにしても財務省をはじめとする利権を何とか食い止めないと、日本は存亡の危機に。
老後に備えて
一部ご紹介します。
・適切な金融政策で、非労働人口が労働人口に変わる。むしろ、人口減少時代の方が、人手不足故に、効率化を図るための技術革新を起こすインセンティブが働くため、生産性向上が実現する。
・全体の物価は、個々の価格とは関係なく動いていく。
・人口減少でも良質な製品であれば売れることもある。だが、人口増加でも、良質な製品でないと売れない。
・年金は保険である。40年払った保険料=20年間で受けとる年金。
・「ねんきん定期便」は、国からのレシート。
・民間保険は手数料を保険外交員に貢ぐだけ。
・最低一つは、日本語以外の言語をマスターした方がいい。英語も数学も、プログラミングも、会計などもりっぱな言語の一つ。
・歴史を振り返れば、人口減少より、人口増加の方が問題だった。多くなった人口を養うのに、使えるリソースは有限だったからだ。
・人手不足は、外国人労働力ではなく、AIやロボットで補うべき。
・外国人が留学生として、日本に入国し、日本の高額医療を受けて、彼らの母国に帰ってしまう。つまり、国民保険に不正加入されているために、日本の医療費が食い物にされている。
・老後に備えてお金を貯めるべし。
・金融商品を選ぶ時のポイントは、「税制の恩典」と「手数料」だ。
・自分の才能を信じ、スキルを身につけ、組織に属さなくても、自分の力で食べていけるだけの武器を身につけるべし。「好きこそものの上手なれ」。自分が好きなことは、他人よりも自分のアドバンテージになりやすい。
Posted by ブクログ
人口減少危機論は地方公共団体の関係者が言っている。
実際には影響はない。
人口減少対策は個別なので、他の地方の事例は役に立たない。
婚外子を認めることが人口減少防止になる。
GDPとは、みんなの給与×総人口。
総額が減っても問題ない。
人口減で価格が下がることは、直接にはデフレとは関係ない。デフレは通貨量で決まる。
年金を支える人口比が減少しても、給料が増えれば問題はない。昔は給料が低かったので年金額も少なかった。
Posted by ブクログ
どの国でも同じ状況だと思いますが、乳幼児の死亡率が減ってきて皆が豊かになってくると自然と少子化になると思います。大昔のヨーロッパ、そしてアメリカ(新しく入ってくる移民を除く)、日本、中国の例を見てもそうです。今人口が増えている、インド・アフリカも同じ道をたどるのではないでしょうか。
人口減少が危機だ、と唱えている人の気持ちになると、人口が増えることを前提とした体制に組み込まれた中で仕事をしている人・業界にとっては、大きな変化を伴うことなので、聴きなのかもしれません。しかし一般の生活者にとってはどうなのでしょうか。この本はその観点から書かれていると思います。
以下は気になったポイントです。
・日本では過去3回、自治体が大合併した歴史がある、1888年(明治21)で7万以上の自治体があったが、1889年の明治の大合併で、1万5859の市町に再編、昭和、平成の大合併を経て、2014年には、1718となっている。人口減少で自治体が消滅するという相関関係は必ずしも成立しない(p15)
・2013年に民法改正され、嫡出と非嫡出の法定相続分の規定がなくなったが、社会的な偏見はある(p33)
・デフレは人口の減少とは無関係であり、むしろ貨幣量と大きな関係がある(p63、78)
・2017年1Qには、バブル経済がピークだった1992年同期以来、25年ぶりの人手不足感に見舞わられた(p81)
・移民政策は、人口増加、経済成長、さらには社会保障制度を支える財源増加にはあまり寄与しない(p97)
・1961年当時、日本の厚生年金制度は、当初積み立て方式であったが、インフレに弱いので徐々に賦課方式となった(p111)
・公的年金(国民年金、厚生年金)は、ざっくり言うと40年間納めた保険料と、20年間でもら年金額が同じになるように設計されている、20歳から60歳までの40年間納めた金額を、60歳から80歳までに受け取る(p117)
・年金定期便の「これまでの保険料納付額」は、累計の納付額が記載されている、厚生年金は労使折半なので、会社が半額を負担しているため、国はこの欄に書かれた2倍の額を受け取っている(p119)
・法人税は、そもそも所得税をきちんととれていれば徴収する必要のない税金だから、日本は所得の捕捉率が低いから、法人税率が下がらない(p126)
・人口減少は、この20年間ずっと続いているが、安倍政権・小泉政権以外の時は、就業者数が増加していないという事実を知るべき(p162)
・新しいモデル就業規則では、副業・兼業が新たに書き加えられていて、これまでの原則禁止から、届け出により原則自由となる(p165)
・パチンコは日本の法律ではギャンブルに入らない、三店方式といって、その場で換金せず、景品所で球数を精算して、建物の外にある換金所で換金するので、競馬や競艇とは異なる理屈(p202)
2019年5月5日