あらすじ
大正二年、帝大講師・南辺田廣章(みなべだこうしょう)と書生・山内真汐(やまうちましお)は南洋の孤島に上陸した。この島に伝わる“黄泉(よみ)がえり”伝承と、奇怪な葬送儀礼を調査するために。亡骸の四肢の骨を抜く過酷な葬礼を担う「御骨子(ミクチヌグヮ)」と呼ばれる少女たちは皆、体に呪いの痣(あざ)が現れ、十八歳になると忽然と姿を消す。その中でただひとり、痣が無い少女がいた。その名はアザカ。島と少女に秘められた謎を暴く民俗学ミステリ。
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Posted by ブクログ
作られたとはいえ植え付けられた恐怖はどうしようもない。抗えない。
時間が経って真実に気が付いても根付いたものを変えるのは難しい。証拠が無いから尚更。
祓い屋の終わり方は悲しいけれど残った御骨子達は助かってよかった。
廣章先生みたいな頭のいい人は憧れる。
根神さまは優しい。
祓い屋から完全に助けれないから手の届く範囲で手助けをしていた。
全部終わった後も引き取って、異国にも一緒に行って。
アザカが恵島にいたのは偶然だけではないのか。
実験の為に使われた島。作られた伝承と呪い。
御骨子が不憫。
アザカがいてよかった。廣章先生が来てよかった。
全員は救えなかった、間に合わなかったけど、呪いが無くなってよかった。
Posted by ブクログ
大好物の民俗学ミステリということで、期待して読み始めましたが、久しぶりに一気読みしました。ちゃんと?人外的なモノも登場しますが、何より一番怖いのは生きている人間、というところがしっかり出ていて切なくなりました。シリーズ続いているので楽しみです。
Posted by ブクログ
民俗学好きにはたまらないとの、恩田陸さんがコメントしていたのに惹かれて購入。
物語の中心は、死者の弔いかたや死生観で、葬送儀礼や埋葬について、島独自の風習がある。
以前読んだ民俗学の専門書で、埋葬の仕方と死生観、例えば死んだ後魂がどうなるか、残された地や家族に禍がないか、などが深く結びついていることを読んだので、その後でこの小説を読むと頭によく入ってくる。
また、舞台である沖縄の孤島の外国語のような方言も、異郷の奇妙な葬送儀礼という雰囲気がよりリアルで世界観を作っている。
師匠のキャラクターがたっており、シリーズものの感じがよく出ている。
ヒロインと思われた少女の最後は、個人的には残念。アニメっぽいのと、少女の可憐さがなくなってしまった…。そこがポイントなのかもしれないけど。
Posted by ブクログ
表紙の雰囲気と、タイトルにひかれて購入しました。
当初、慣れぬ言葉と多くのルビに飲まれ読むのが少々辛かったのですが、読み進むにつれ気にならなくなってきました。お話も闇や腐臭に満ちているはずなのに読んでいる方は苦痛ではなく、流れる色とりどりの景色と、どこか夕焼けのような赤く金色に輝く彩りが印象的です。それは私の頭の中にだけ残った色かもしれません。
人それぞれの印象でしょうが、これはハッピーエンド。
そして表紙の女の子はあの子なのか、それとも物語の切欠のあの子なのか。どちらも当てはまりそうなところが、最初と最後がつながる円で、本編そのものなのですね。