あらすじ
天然女子高生と気弱なストーカーが繰り返す、週に一度の奇天烈な逢瀬の行き着く先は――?(「金曜のバカ」)バカバカしいほど純粋なヤツらが繰り広げる妄想と葛藤! ちょっと変でかわいい短編小説集。
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Posted by ブクログ
p.237
不思議だね、人間はどうしてこうもゆっくり歳をとるのだろう。
〈八十年は生きるらしいわよ。飽きないのかしらね〉
面白かったです。金曜のバカは本当に笑い、引き込まれました。ゴンとナナもよかったです。
Posted by ブクログ
短編集。「金曜のバカ」はなんとも不思議な話であったがまあまあだった。「星とミルクティー」は昔の天体観測で出会った星の痣がある女の子との話と、現代の自分の赤ちゃんの話の繋がりがよかった。「この町」は松山市が舞台であり、旅行したこともあり身近に感じられ、さらには同じく地方出身として共感できるところが多かった。「僕の愉しみ 彼女のたしなみ」は僕が恐竜オタクであることを隠したがっていることをそんなに気にすることでもないと思ったが、自分だって大学生になってその人独自の世界や趣味を持っていることは素敵と感じたのだから高校生の僕には仕方ないか。また彼女にも野球の趣味があるというのも良かった。「ゴンとナナ」は前半は七海視点でストーリーか進んでいくが、後半は飼い犬であるゴンの視点で進んでいくのが新鮮で面白かった。
Posted by ブクログ
金曜のバカ
おじさん
二年前に自衛隊を退官し、護身術教室を始めた。カナの親戚。
みお
カナのクラスメイト。
綾乃
カナのクラスメイト。
カナ
通学中にオタク風青年にパンツを見られる。自転車でT字路の用水路に落ちる。金曜日は護身術教室に通っている。
オタク風青年
専門学校を一昨年の春に中退してほとんど何もしてない。笹藪の中から女の子を待ち伏せして覗き見している。カナを襲って投げ飛ばされた。書店でアルバイトを始めた。
カナのお母さん
カナが護身術教室に行くように、おじさん経由でお小遣いを渡すようにしている。
カナのお父さん
書店の店長
堤さん
書店員。
浅木
護身術の生徒。
星とミルクティー
僕
細川新一。高校三年生のときしし座流星群を見に行く。
智子
僕の彼女。親が起きててしし座流星群を見に行けない。
女の子
ひかり。新一と同い年。しし座流星群を見に来た。手に星型の痣がある
ひかり
新一と智子の赤ちゃん。
この町
おれ
小谷雅樹。高校一年生。ドリーム高松・松山号でマミと東京に行く。コンビニでバイトしている。
マミ
高校一年生。雅樹の彼女。
コンビニの店長
橋田
よっちんとケモノみたいに頻繁にまぐわっていた。
山本
雅樹のクラスメイト。
渡辺
雅樹のクラスメイト。
林
雅樹のクラスメイト。
北村聡子
国語教師。雅樹の担任。
僕の愉しみ 彼女のたしなみ
黛
新丸子から目白の高校に通っている。野球オタク。家族全員がマリーンズファン。
片岡
学芸大学から目白の高校に通っている。恐竜オタク。中二の秋に二週間だけ付き合った彼女にフラれた。
ゴンとナナ
あたし
ナナ。藤島七海。吹奏楽部を退部した。
荻野
吹奏楽部でホルン担当。藤島を吹奏楽部に戻そうとしている。三日に一度割合で部活を休んで藤島の元に訪れる。
ゴン
あたしの飼い犬。
遠藤
吹奏楽部顧問。
桜子
パートリーダー。
キミちゃん
君原。吹奏楽部。
ミイ
となりのサカイ家に通ってたメスの白猫。
Posted by ブクログ
この本は短編5本。
いや、読みやすい!くすって笑えるところアリなので公共の場で読むのには適していない。でも気軽に読める!
1番好きなのは「星とミルクティー」。ストーリーが青春ラブストーリーな感じですっごく好きなやつ。主人公は多分、ひかりに恋してるんだと思う。でも主人公がひかりに抱いている感情が不明確になっているのがまたいいところ。こんなの読んだらもう!死にたくなる。この物語の中で。
「僕の愉しみ 彼女のたしなみ」はストーリーがすごく好き。
「この街」ではすごく気持ちとかが伝わってくる。ひとことひとことがセンスいい。東京への憧れからそら恐ろしくなる気持ちが伝わった。イメージしやすい。ストーリー終始、切なかった。でも全然共感できないのは、主人公が最初から痛い人だったから。
「この史上最大の幸せ者め!(自分に対して)」
Posted by ブクログ
越谷さん5冊目。青春ストーリーだけど主人公の馬鹿丸出しで終始爆笑。男子の思春期特有の切なさを忌憚なく表現していて、共感する内容ばかりだった。タイトル通り全部の主人公が「バカ」なのだ。中でも「金曜のバカ」では、女子高生の○○○を見てしまい、彼女に恋をした変態男性ニート。その女子高生を草むらで帰宅する姿を見送る、が、この変態は女子高生に抱きつく。護身術を身に着ける彼女に毎日ぶん投げられる。しかし変態は毎回戦いを挑み続ける。彼女も何故か応戦する。全作、バカなんだけど健気な男子の姿に「青春だ~!」と納得した。
Posted by ブクログ
「金曜のバカ」「星とミルクティー」「この町」
「僕の愉しみ 彼女のたしなみ」「ゴンとナナ」の
5編からなる短編集。タイトルからどんな話かと
思ったんですが、どの話もそれぞれ短編ながら
なかなか面白かったです。
「金曜のバカ」は天然女子高生VS.引篭もりストーカー。
「星とミルクティー」ちょっといい感じのSFストーリー。
「この町」は思春期男子のバカっぷりが見事に書かれ、
「僕の愉しみ 彼女のたしなみ」お互い秘密を持った
二人の青春ストーリー。「ゴンとナナ」は飼い主と
飼い犬のはなしでどれもクスクス笑えながらサクッと読め、
読み終わった後はほわぁ~んとなる作品でした。
Posted by ブクログ
思春期。それは恋をして猛烈アタックしたくなったり、自分は井の中の蛙ではありたくないと野望をいだいたり、人付き合いのために自分の趣味を隠そうと躍起になったり、一時の失敗にくよくよしたり、という多感な時期である。
長い人生のたかが3年程度であるが、そういうときにこのような”バカ”な経験をした5人の物語。
Posted by ブクログ
どんどん読み進めていける作品でした。
越谷さんの作品はどれも読み進めていくのを苦に感じない。すっかり越谷オサムのファンになってました。
この作品は、青春という言葉を連想しますね。どの話も感情移入してしまう文章力があります。
どの話もそれぞれ入り込めますし、登場人物の人相?は全然違うのに共感する。
どれもどれも印象的で好きですが、星とミルクティとこの町が特に印象に残ってます。
また読みたくなって再読。
以前ほどの感動!って感じはなかったけれど、あーなるほど…とか、色々感想が増えた。
金曜のバカは、引きこもりの彼が彼女と出会ったことで、少しづつ生活が変わっていくことが嬉しかった。ただ恋?をしただけで、外に出るようになったりバイトを始めたり筋トレしたり…。成長なのかな。二人の関係が終わってしまうだろうことが少し切なかった。
星とミルクティは、以前凄く感動した記憶があったけれど、読んでいくうちにそうでもないような…?という気になった。でも、また星が降る夜に会えたらいいね→星が見えた日に「ひかり」に会えた。望遠鏡→僕の未来の望遠鏡=「ひかり」が成長した時にあの頃の僕と会ったということ?!って思って、想像を巡らせられて良かった。