【感想・ネタバレ】NHKにようこそ!のレビュー

あらすじ

ひきこもりの大ベテラン佐藤は気づいてしまった。人々をひきこもりの道へと誘惑する巨大組織の陰謀を!――といってどうすることもなく過ごす佐藤の前に現れた美少女・岬。彼女は天使なのか、それとも……。
コミック化、アニメ化され大ヒットとなった伝説の青春小説! 電子版特典としてコミック版第1話を収録!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

おもしろかった。
伏線がしっかり張られたライトノベルのような展開のよさと、勢いがあって読みやすいのに、不思議としっかりとした筆致。のめり込んで読んだ。
特に印象的だった場面は、
・ロリコンエロ画像収集にのめり込み、小学生の盗撮を行おうとするあたり。気持ち悪さが振り切れてていい
・ドラッグの描写。トリップしている中でその前章で書かなかったデートを描き、さらに飛躍をする構成は見事
あとがきにもあるが、作者の実体験が折り込まれてるからこそ、こんなにも生々しさが滲んでいるのだろう。ただのエンタメとしてもおもしろいけど、人物の心理に感情移入できる強度がある。おもしろかった。

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2022年01月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

確か新聞で紹介されてて知った本。2002年発行と意外と古い本だった。なので、表紙が違ってて残念。確かにこの頃引きこもりは流行っていた。私が勤めたとこでも引きこもり対策をやっていたのに、3年後にはもう下火だったもんな。移り変わりの早さよ。しかし、今や私も立派な引きこもり。夢がかなったわ。すごいポップな口語で書かれてて、奇しくもちょうど前に読んでた「嫌いなら呼ぶなよ」と一緒の感じ。なら、これも純文学なのか。全然聞いたことない初読みの作家さんだったのと、あとがきで自分のことのようで恥ずかしいと書いてあったので、生きてるか心配になって珍しく調べちゃった。生きてて良かった。しかし、今も苦しんで引きこもってる人もいるんだろうなぁ。人生に意味なんか考えちゃならんよ。薬物をやってる間のことがすごい書かれてて、本当にやってたんじゃあるまいな、と思う。合法ならいいのか。

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2023年08月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「死のう、もう死のう。しかし俺は死なない。なぜならば、今日は天気がいいからだ。」(p46)
 この軽々しく死のうと思って、すぐに撤回する感覚は、私にはすっと馴染んできました。「あー死にたい」とか思った直後に、「でも死ななきゃならんほど何か具体的な苦しみがあるのか?いや無いよなあ」となるんですね。
自分を苦しめている仮想敵。それがNHKの本質だ。」(p303)
 自分の中で発生増殖する、漠然とした苦悩。それを仮想敵として名付けるというのは、つまりそれを何らかの実体として見たいということ。実体としての敵がいれば、まだ戦ったり、逃げたり、恨んだりができるから。でも、そんなものは実体としては存在しないことを佐藤(主人公)は分かっているんですね。じゃあ、どうやって敵を倒すの?というのは物語のハイライトなので読んで確かめて欲しい所です。
 なお、本書を読む前に数話でいいのでアニメ版を視聴しておくことをおすすめします。岬(ヒロイン)を演じる牧野由依さんの声がすばらしく可愛いので、その声をイメージしながら読まないと損です。

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2016年09月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 アニメを視聴した後に原作を読むと、内容は意外とあっさりしてると思った。そのため、単純に話の内容だけを見ると、アニメ版の方が圧倒的に多く、その分、この物語を楽しめる。その一方、アニメ版では厳しい描写(例.薬物使用)や、アニメでは詳細に語られなかった内面の描写を小説版では味わえる。したがって、どちらか一方を既に触れた人でも、楽しめるように工夫されている。
 本作は筆者の実体験をもとにしたひきこもりを主人公とした話である。そのため、ひきこもり特有の悩みや葛藤を追体験できるのが本作の良さである。

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2023年07月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

【本の内容】
俺は気づいてしまった。

俺が大学を中退したのも、無職なのも、今話題のひきこもりなのも、すべて悪の組織NHKの仕業なのだということを!

…だからといって事態が変わるわけでもなく、ずるずるとひきこもる俺の前に現れた清楚な美少女、岬ちゃん。

「あなたは私のプロジェクトに大抜擢されました」って、なにそれ?

エロスとバイオレンスとドラッグに汚染された俺たちの未来を救うのは愛か勇気か、それとも友情か?

驚愕のノンストップひきこもりアクション小説ここに誕生。

[ 目次 ]


[ POP ]
新聞広告でこの本を見かけたとき、てっきり“NHK”について書かれた新書だとばかり思っていた。

不祥事に揺れるNHKのイメージアップを図るべく書かれた本だと。

手元に届きライトノベル系のイラストが描かれた表紙を見ても気づかなかった。

実はとんでもない思い違いをしていたことに。

引きこもりになり大学を中退した俺は、この状態を脱しようともがいていた。

健全な社会生活を営みたいのに、外出することさえも、誰かに悪口を言われているようで苦しい。

そこでハタと気づく、これは“NHK”の陰謀だと!(NHKが何の略かは本書をどうぞ)

話自体は本当に馬鹿ゞしくってしょうがないだけど、俺のつらい気持ちがわかってしまう上に、おかしくってたまらなかった。

社会的に精神的に追い詰められる気持ち、倦怠感、未来への不安に恐怖、云々。

おまけにひきこもりだ。

ネガティブな要素が満載なのに、妙に明るく展開するのは何故?

最後、世をはかなむのではなくって、「ぼちぼちとがんばってみる予定」となる。

大変だけどなんとか生きていく。

こういう話、大好き。

[ おすすめ度 ]

☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

[ 関連図書 ]


[ 参考となる書評 ]

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2014年11月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

近い将来こんな感じになるんじゃないかと思うと怖い・・・りあるに・・・。

ひきこもりでも人間で、社会不適合者でも人間で、誰かが苦しんでいれば助けたいと思う。
社会に不適であるから悪である、ということではないのだと感じた。

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2013年01月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

タイトルに惹かれて読んでみた。
引きこもりが主人公なので場面展開の少ない
ストーリーなのですが意外と飽きません。

全編に渡って言い訳ばかりで全てを人のせいにする
主人公は人間として最低ですが、憎めません。
おそらく少なからずそういう負の部分に共感できるところが
あるからなのかなぁと思いますが。

「世の中はいろいろと複雑で目に見えるような悪者など、存在しない。」
(本文引用)
単純な悪者というものが存在すればその悪者に立ち向かうという
人生の目標が簡単に見つかるのにというような
感じで書かれていましたが意外と真理かなと思います。

暇つぶしで読むには軽い感じで読めるかなと思います。

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2012年03月04日

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