【感想・ネタバレ】達人に学ぶSQL徹底指南書 第2版 初級者で終わりたくないあなたへのレビュー

あらすじ

SQLを扱うエンジニア必携のロングセラー、10年ぶりの改訂!
――SQLの正しい書き方・考え方が学べる本
開発者のためのWebマガジン「CodeZine」の人気連載を大幅加筆・修正して2008年に刊行、好評を博した『達人に学ぶSQL徹底指南書』の改訂・第2版です。
第2版では、初版構成を生かしつつ、SQLの強力な機能ウインドウ関数を全面的に採用して多くのコードをリバイスしました。全体的な解説の見直しや最新化も行ない、CASE式、ウィンドウ関数、外部結合、HAVING句、EXISTS述語など、SQLを扱うエンジニアに必要な「正しい書き方・考え方」「ビッグデータ時代に対応したモダンなSQL機能を駆使した書き方」を徹底解説しています。
標準SQL準拠のため、Oracle/SQL Server/DB2/PostgreSQL/MySQL等々の幅広いデータベースに対応しているほか、実際の開発現場でも活かしやすい実践的なコーディング事例も多数紹介しています。
チューニングテクニックやリレーショナルデータベースの歴史なども網羅。
SQLの原理となっている仕組みや、この言語を作った人々が何を考えて現在のような形にしたのか、というバックグラウンドも掘り起こして伝えます。
・脱初級や、より高みを目指したいDBエンジニア、プログラマ
・「SQLとは何なのか」を知りたいと思っている人
※本電子書籍は同名出版物を底本として作成しました。記載内容は印刷出版当時のものです。
※印刷出版再現のため電子書籍としては不要な情報を含んでいる場合があります。
※印刷出版とは異なる表記・表現の場合があります。予めご了承ください。
※プレビューにてお手持ちの電子端末での表示状態をご確認の上、商品をお買い求めください。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

本書はSQLの構文の説明は一切なしに、いきなりCASE式の解説から入っています。
(まえがきで断っているように、実務でのSQLの経験がある人を対象にしているためです)
そして、以降でも随所でCASE式を使ったSELECT句での分岐が使われています。
また、相関サブクエリの説明はなく、代わりにウィンドウ関数を使うことを勧めており、その解説に紙面を割いている点が第1版との大きな違いのようです。

パフォーマンスチューニングについての解説は少なく、そちらは著者の「SQL実践入門」に譲り
こちらの本ではピュアな言語としてのSQLに的を絞っています。
SQL全体が体系的に書かれているわけではありませんが、順に非常に読みやすい解説になっています。
ただ、業務で生かそうとなると、何度も読み返して初めて自分の引き出しにできそうです。

本書は2部構成になっており、後半の排中律の拒否とSQLの関係や
「データベースがデータを集めたものではなく、真の命題を集めたものである・・」というデイトの言葉の引用(これは1部で出てきますが)などは実に奥深く、「ラッセルの論理学」や「ファインマン物理学」などを引き合いに出すあたりに著者の博識を感じます。
SQLのリファレンス本ではないですが、読み物として面白く、これは著者が認めるように遠山啓著「無限と連続」に負っているようです。

最近はNonSQLの話題も豊富な中で、NonSQLはSQLほどのイノベーションではない、と断言するあたり
著者はSQLを正しく俯瞰していると思わせ、単なるすぐに使える表層のテクニックではなく
SQLとは何なのか、そのバックグラウンドを知るのに手軽に読める一冊だと思います。

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2019年02月19日

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