あらすじ
新しいクローンの体で蘇った6人が最初に目にしたのは、自らの他殺死体だった──。2000人分の冷凍睡眠者と500人分以上の人格データを乗せた恒星間移民船で、唯一目覚めていた乗組員6人が全員死亡。彼らは再生したものの、何者かによって地球出発後25年間の記憶をすべて消されていた。しかも船の管理AIも改竄されていて、もはやクローン再生は不可能に。他人に明かせない秘密をそれぞれ抱える彼らは、自分自身さえも疑いつつ、事態の真相を突きとめようとするが……。キャンベル新人賞受賞の新鋭が放つ、ヒューゴー賞&ネビュラ賞候補の傑作!
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Posted by ブクログ
恒星間移民船のドルミーレ号のクローン室で目覚めた乗組員達は、自分たちの死体が漂っている空間に驚いた。そしてAIにも過去のログが一切消去されていたのだ。自分たちの記憶は、ドルミーレ号出航前のレセプションの時までで、それ以降の記憶はない。マインドマップのバックアップも消去されている。いったどうしたことだろう。何故自分たちは殺されたのか。それを探索する乗組員たち。そして誰かが犯人なのだ。読んでいて誰が犯人かという緊張と、クローンと人間の間の葛藤が感じられる。下巻を期待しよう。
Posted by ブクログ
クローズドサークルとクローン。
自分の大好きな要素が詰まったSFミステリー。
宇宙船で目覚めた6人のクローンたちが見つけたのは、自分たち自身の死体。記憶はすべて消され、頼りになるはずのAIも故障中。
物語は2282年に制定された「クローンの国際法」から始まる。
「クローンが有するDNAは改変してはならない」などの法律が書かれていて、クローンが普通に存在する未来のリアルさが感じられてワクワクが止まらない。
こちらも『書評七福神が選ぶ翻訳ミステリベスト』で紹介されていた作品。
下巻に続く…
約1ヶ月ぶりの読書になってしまった。
子どもの大学受験や自分の体調不良や仕事など、いろんなことがやっと落ち着いてきた。
ここからはまた、ゆっくり読書を楽しみたい!
久しぶりの一冊として、気分を変えてこのSFミステリー作品を選んで良かった。
Posted by ブクログ
恒星間移民船ドルミーレ号では乗組員が自分自身のクローンを作成しながら何世代にも渡って目的地を目指している。ある時、クローンが緊急に再生された。目覚めたクローンは、眼前の自分たちの死体に驚く。6名の乗組員で生き残ったのは船長のみ。ただし昏睡状態。AIはまともに動いていない危機的状況。宇宙船内の閉鎖空間で6人のうちの誰かが犯人であるのは明らか。そして乗組員は犯罪歴があり、罪を特赦してもらうのが目的なので、誰もが殺人を犯しそうな6人である。少しづつ乗組員の過去が明らかになる中、誰が何を目的に殺人などをしたのか。真相は下巻に続く。
登場人物が少なくて読みやすい。日本人のヒロの性格は少し軽くて、日本人らしくないのが少し気になった。これも伏線なのかもしれないが。
Posted by ブクログ
#日本SF読者クラブ 読むときのポイントは次のとおり。[1]クローンは、実質的に「延命」、「不死」のために使われている。[2」クローン体にインストールされるマインドマップ(要は人格とか記憶)は、改竄できる(違法だが)。ここを押さえるとストーリーが飲み込めると思う。ヒューゴー賞、ネビュラ賞候補作だけあって、読みごたえがある。