あらすじ
新人賞の選考に関わる編集者の刺殺死体が発見された。三人の作家志望者が容疑者に浮上するも捜査は難航。警視庁捜査一課の新人刑事・高千穂明日香の前に現れた助っ人は、人気ミステリ作家兼刑事技能指導員の毒島真理。冴え渡る推理と鋭い舌鋒で犯人を追い詰めていくが……。人間の業と出版業界の闇が暴かれる、痛快・ノンストップミステリ!
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Posted by ブクログ
元捜査一課の刑事でありながら人気作家となった毒島真理が、出版業界を舞台に起きる事件を、鋭い観察眼と容赦ない毒舌で解き明かしていく連作短編集。
編集者や作家、ドラマ業界など、出版を取り巻く人間模様の中で次々と事件が展開する。
事件の謎解き以上に、夢や憧れに取り憑かれた人間の脆さを暴き出すのが痛快だった。毒島は「アイドルやスポーツ選手は素養があるが、作家志望者の9割は根拠も才能もない」と言い切り、編集者の苦労を代弁する。さらに「被害者意識は金言を雑音に変える」「夢は人生を拗らせる重荷になる」といった言葉で、人間の自己正当化や承認欲求を容赦なく断罪する。
『作家刑事毒島』は、推理小説の体裁を取りながら、出版業界の「夢に翻弄される人間の愚かさと執念」を描いた作品。事件の謎解きよりも、毒島の毒舌とそこに込められた人間洞察の鋭さが特に面白いと感じた。
Posted by ブクログ
元刑事がミステリー作家になり警察の刑事技能指導員でもある毒島真理先生が文芸界で起こる様々な殺人事件を警視庁捜査一課の高千穂明日香刑事と解き明かす短編集。
1.「ワナビの心理試験」:文学新人賞応募者たち(容疑者)vs.一次選考者(「下読み」というらしい。被害者)
2.「編集者は偏執者」:文学賞受賞の新人作家たち(容疑者)vs.出版会社編集者(被害者)
3.「賞は獲ってはみたものの」:文学賞は獲ったものの二作目が書けない新人作家たち(容疑者)vs.賞選考委員の大御所作家(被害者)
4.「愛涜者」:愛読者たち(三者三様、容疑者)vs.サイン会を企画された売れっ子作家(被害者)
5.「原作とドラマの間には深くて暗い川がある」:毒島先生の作品のドラマ化関係者たち(監督、脚本家、出版社員)vs.テレビドラマプロデューサー
※どれも多分日頃から中山七里先生が出版関係で接して感じていることをテーマに書かれたのだろう。お馴染み犬養刑事が毒島先生(文学界)を苦手として明日香に任せ、チョイ役になっているのがおかしい。