あらすじ
古代ギリシアのヘロドトスは海賊たちを英雄とみなし、ローマのキケロは「人類の敵」と罵倒した。スペインとオスマン帝国が激突したレパントの海戦の主役は海賊であり、大英帝国を裏面から支えたのもカリブ海に跋扈するバッカニア海賊だった。19世紀、欧米の覇権主義で海賊は滅びたが、現代のソマリア海賊として甦る。キリスト教とイスラームの対立、力と正義の相克など、多様な視座で読み解く、もう一つの世界史。
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海賊という切り口
地中海の主役の変遷や大西洋の覇権争い、紅海の最近の動きまで広く海賊という切り口で世界史の知識が得られました。アメリカで「カリブの海賊」が、また「ワンピース」のルフィ達が英雄の様になったのも分かる様な気がします。
Posted by ブクログ
ワンピースにも出てくる名前があちこちに。
と、それはさておき、古代から現代までの海賊史。
やはり大航海時代が面白い。
以前に岩波文庫の海賊日誌みたいなのを読んだけど、マゼラン始め、海賊による日誌、もう少し読んでみたい。
Posted by ブクログ
海賊とはヒーローなのか、それともヴィランなのか。
確かに色んな場所との交流や、自国の繁栄のためには
海へ出て知らない土地へ行ったり
それこそ世界大航海あってこその今。
ただ、そこには残虐性だったり奪い合いだったり支配だったりが必ずと言っていいほどついてくるもので
たくさんの国が滅び、また生まれ、そして滅んで
現在の国家がそれぞれ出来上がったのだなと。
なんと人間は欲深く渇望し愚かでありながらも
探究心や自由、繁栄を求める生物なのであろうかと
今もたいして変わらないな、と思った。
因みに、途中で投げ出したくなる昔の名前の難しさに
なんとか食らいついて読み終わった。
Posted by ブクログ
海賊という側面からの海洋史。
引用できそうな箇所が多く、ためになった本。
古代ギリシア海賊王、ポリュクラテス
「友人に感謝されるには何も奪わずにいるよりも、奪ってから返してやるほうがいいのだ」 ーま、そりゃそうかもしれんが、、、
ゲルマン民族大移動の中のバンダル族、長い旅路の上にカルタゴに定住し海賊国家(?)となる。その略奪の悪だつさからVandalizeの語源となる。
アッバース朝時代のアブ・ハスクはクレタ島を占拠し多才にわたってきた船を焼き払い、いぶかる部下に「何が不満なのだ、私は乳と蜜が流れる血にお前たちを運んできたのだ。休息しお前たちの不毛な土地のことは忘れてしまえ」(強引すぎる)
レパントの海戦後のセルバンデス。下級貴族で生活の厳しかったセルバンデスはレパントの海戦に参加することでのちの官職を得るためレパント海戦の総司令官やナポリ総督の推薦状を得てスペインに帰国。しかし帰国途中で海賊にとらわれ、上記推薦状から高貴な貴族と思われ法外な身代金を要求される。払える親族もないことから10年ぶりに帰国することに。帰国後も十分な職なく税金の徴税代理人。 徴税したお金をあづけていた銀行が破産したことから国から訴えられる運命に、、、(悲惨すぎる、、、)
その他諸々、エピソード満載。
Posted by ブクログ
大学の授業の課題がきっかけで読んだが、海賊という側面からみる世界史は非常に興味深かった。
この一冊で海賊についての外観をまるっと理解できる良冊。
特に海賊黄金期の大航海時代がワクワクさせる。
丁度パイレーツオブカリビアンをも観ていたため、海賊の面白さにハマってしまった。
Posted by ブクログ
世界史を概観しながらその中で海賊がどういう風に位置付けられるか、どのように歴史の流れに影響を与えたかといった分析。
古代ギリシャの力があることは聖なることだという英雄視から古代ローマのキケロの人類の敵論という認識の違いがある。強国か生まれて海洋秩序が整うと海賊は衰え、強国の衰亡と海洋秩序の乱れから海賊が跋扈するという歴史の繰り返し。イスラームやノルマン人、オスマントルコ、英国など、海賊行為と国家の結びつきも。西洋と北アフリカ諸領の関係と海賊の終焉は知らなかった。
Posted by ブクログ
#2024年に読んだ本 44冊目
#8月に読んだ本 7冊目
海賊がどういう時代背景に
活躍したものか
よくわかってなかったので
読んでみた
けっこう読みやすかったです
Posted by ブクログ
歴史上では海賊=悪だけではなく、様々な形で海賊というものは存在した。
海賊という切り口で地中海周辺の世界史全体を振り返ることができる本。
古代が好き。