【感想・ネタバレ】地獄の季節のレビュー

あらすじ

マラルメ、ヴェルレーヌとならぶフランス象徴派の詩人ランボオ。その文学への訣別の辞ともいうべき『地獄の季節』、言葉の錬金術の実験室といわれる『飾画』は、彼の特異の天禀を示した代表作である。鋭い叡知と感受性、強烈な野性と独創的な技巧を奔放に駆使したこの天才詩人は近代詩史上の明星として輝きつづけるであろう。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

詩集の題名は『 UNE SAISON EN ENFER 』で、直訳すると『地獄時代』になる。「普仏戦争・ランボーが熱狂的に応援した革命政府(パリ・コミューン)の崩壊・ヴェルレーヌとの地獄の旅」を体験したランボーの青春は確かに「地獄時代」かもしれない。ただ、フランス語の「SAISON」には英語と同じく「季節」という意味があり、「比喩」と見て『地獄の季節』という題名でも問題ないと思う。

ランボーは自筆原稿・本の多くを燃やし、小林秀雄が『飾画』と訳した『イリュミナシオン』はランボーが「燃やさずに残した詩を未完成のまま編集した詩集」だった。

このためランボーの詩のテキスト整理に時間がかかり、『地獄の季節』の「gargouilles (怪獣の形をした屋根の雨水落とし・屋根を流れる雨水を受けて、地上や下水道に導くための樋)」を「蛇口」と訳すなど、少し誤訳がある。しかし、これはランボーの責任であり、小林秀雄の不運だったと弁護しておく。

『イリュミナシオン』の原稿が最悪で、「二つの詩が一つの詩に見える・韻文詩が散文詩に見える」という代物だった。こうした悪条件の中で、ランボーの翻訳に取り組んだ小林秀雄の努力は評価すべきだと思う。

ちなみに「『Fairy』と『戦』は一つの詩だった」という説もあり、「ランボーのフランス語テキスト」がまた、変更される可能性もあり。

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2013年04月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

たかだか16,7歳の「ガキ」にこんな詩を書かれたら、もはやそんじょそこらの詩人はお手上げだろう。ヴェルレーヌをも魅了したランボオのこの一節は、ヌーベルヴァーグの旗手ゴダールの「気狂いピエロ」にも出てくるが、あまりにも強烈だ。

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2011年10月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 ランボーの代表作。



 夜明け、より引用/

「俺は彼女の途轍もなく大きな肉体を、仄かに感じた。夜明けと子供とは、木立の下に落ちた。
 目を覚ませ、もう真昼だ。」

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2012年04月07日

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