あらすじ
低炭水化物ダイエットは正解か? 脳が砂糖をやたら欲しがるのはなぜか? 食べた分だけ動けば確実にやせるのか? カロリーを減らせば体重は減るのか? アメリカの一流医科大学院教授が229の医学論文から導きだした「食事」の結論とは。あなたは「誰か」に太らされている!
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Posted by ブクログ
……どの食べ物でとろうがカロリーは同じ働きをする、
と 言うわけではないのだから……
元米国農務長官、トム・ヴィルサック
皮下脂肪はok.内臓脂肪は悪
p169
空腹、報酬、ストレス。これら3つの脳の経路が高インスリン血症をもたらすと、肥満とメタボ症候群が引き起こされる。
視床下部で慢性的にインスリンが作用していると、レプチンはシグナルが出せなくなる。すると脳はこれを飢えと判断し、交感神経系活動を低下させ(怠惰になる)、迷走神経の活動を増大させる(空腹になる)。腹側被蓋野では、慢性的なインスリンがレプチンシグナルを抑制することによって快楽報酬経路を解除する(報酬をもたらす)。高脂肪で糖分の詰まった料理を食べたくてたまらなくなり、過剰なエネルギー摂取と言う結果に陥る。扁桃体の慢性的な活性化はコルチゾールのレベルを押し上げる(ストレスを抱く)。そのこと自体が大量にエネルギーを摂取させるとともにインスリン抵抗性をもたらし、インスリンのレベルを徐々に押し上げて体重増加が加速する。
p420
食べていいリスト(一部)
○好きなだけ食べていい
玄米、天然魚、ナッツ、牛乳、プレーンな乳製品、加工されてないフルーツ、未加工野菜、豆腐、オリーブ油、キャノーラ油、卵、コーヒー
△週5回まで
全粒粉のパスタ、普通の市販牛肉、加工肉類、ドライフルーツ、トウモロコシ、赤ポテト、ひまわり油、マヨネーズ、ウスターソース、醤油
×週1回しか食べちゃダメ
精製した穀類、白米、餅、パン、ケーキ、ポテチ、ピザ、ジャガイモ料理、野菜フライ、ジャム、スムージー、炭酸飲料、野菜ジュース、ケチャップ、はちみつ、砂糖
p440
インスリンを減らす…レプチン抵抗性を改善する
グレリンを減らす…空腹感を減らす
ペプチドYYを増やす…満腹感が速く抱けるようにする
コルチゾールを減らす…ストレスと空腹感を減らし
エネルギーが内臓脂肪として貯蔵されるのを防ぐ
インスリン…ジュース×。糖分を減らし食物繊維を食べる
グレリン…朝にタンパク質。夕食は早い時間にとる
ペプチドYY…おかわりは20分待つ。食物繊維をとる
コルチゾール…運動をする
Posted by ブクログ
カバーをとったら、黒い本だった。いいデザインだな。気に入った。
本文中にも難しいと書いてあったが、体内のエネルギー状態の説明(4章)の部分がとても難しかった。体重を減少させる効果のあるレプチンが十分あっても、インスリンのせいでその効用が阻害されてしまう。またレプチンが十分あって(ほんとはもう十分なのに)も、脳が認識できないレプチン抵抗性もある(まだ足りないと錯覚して、たくさん食べてしまう。ほんとは十分なのに!)この本だけではインスリンは悪者だなと感じた(他書籍でインスリンの重要性必要性は確認済み)
肥満にたいし、どうしたらよいかという点で2点あげていた。低糖質・高食物繊維の食事をする。一日15分中強度の運動をする。食物繊維については、フルーツのスムージーはダメ(不要性食物繊維を完全に破壊するため)とある。(多分同じ理屈で野菜のスムージーもダメなのだろう)サプリメントでの摂取も推奨されていない。理由は、水溶性食物繊維はインスリン感度と関係性がないため。不要性食物繊維はインスリン感度と相関関係にあるので、水溶性食物繊維が主のサプリメントでは(インスリンという点では)意味がない。
あと、
母体の食生活が、胎児に及ぼす影響。
ストレス反応の生化学的な内容。
さいごの方では、
肥満に対して外科的なアプローチ。
社会を変えていく方法。
などが書かれていた。
一番印象に残ったことは、「生化学的反応が行動につながる」ということ。では感情は何なんだろうと思った。いつも思うこの疑問。また黙考の沼にはまりそうだ。
お腹いっぱい。でもしばらくして、もう一読すると思う。友人から帰ってきたら、また読もう。
■以下ライブ感想文
レプチン 脂肪細胞が生成して分泌する成分。体内に十分なエネルギーがあると、余剰分は燃やしていいと脳に伝える。気分よく感じさせ。長期間にわたって食事摂取量を減らすように、体重を一定に保つように指示する。100
レプチン抵抗性 暴飲暴食の根源。体重過多・肥満を引き起こす原因。脳でレプチンが検知できず、飢餓状態だと思い込みエネルギー貯蔵量が増え(暴食)、エネルギー使用を節約させる(怠惰)104
インスリン エネルギー貯蔵ホルモン。属に「糖尿病ホルモン」と言われる。血中脂質は、脂肪細胞に取り込まれる。この時、脂肪細胞のドアを開けるのがインスリンで鍵のような役割を果たしている(脂肪細胞は中性脂肪になる)。インスリンレベルがさがると、中性脂肪は分解され脂肪細胞は小さくなり、体重が減る。
レプチンとインスリンのシグナル伝達系は同じ。このせいか、インスリンの作用がレプチンシグナルを遮断することが分かっている。要はエネルギーを貯蔵しようとインスリンが活動しているとき、エネルギーを節約しようとするレプチンの動きを封じ込んでいる。レプチンが多くある状態でもインスリンが先行して体重が増える結果につながる。115
インスリンは体のエネルギーを脂肪細胞に貯めさせ、レプチン抵抗性と「脳の飢餓」を引き起こす。「暴飲と怠惰」を生み体重増加、肥満を起こす。
肥満の原因は、怠惰と暴食だと考えられていたが、それは肥満の結果である。肥満とは脳内で起きた生化学的な変化のこと。変化が行動(暴飲怠惰)を起こす。変化のカギはインスリン。119
現代の大部分の人は同じ量のぶどう糖に対し、30年前に比べて2倍のインスリンを分泌している。119
体重の構成要素は4つ 骨・筋肉・皮下脂肪・内臓脂肪。このうち落とすべきものは内臓脂肪。特に肝臓につく脂肪は要注意。簡単な判断方法は胴回り。男性は102㎝、女性は89㎝(これはアメリカでの出版なので日本人に当てはまるか不明)197-204
インスリン抵抗性があるかの確認方法。ウエストをお尻で割った比率が、女性で0.85、男性で1.0を超える場合が(アリだと)該当する。もう一つ、首の後ろ、脇の下、指関節の黒色表皮腫(黒ずみ厚くなり、周囲のひふとの境界が浮き上がる症状)があるかどうか。208
LDLは2タイプある。タイプAの大型低密度LDLこれは血液中にあり、血管内壁に入ることはできない。血中LDLの80%を占める。もう一つは、タイプBの小型高密度LDL。血管内壁に潜り込み、アテローム性動脈硬化プロセス(動脈の壁が厚くなる)を引き起こす。食事性脂肪はタイプAのレベルを引き上げ、炭水化物はタイプBレベルと引き上げる。(悪いのは炭水化物由来のタイプB小型高密度LDLたったんだw)
食事性脂肪は7つのタイプに分けられる。詳細は割愛。プラスに働くのはオメガ3脂肪酸・心臓病を防ぐのに役立つ。マイナスに働くのはトランス脂肪酸。アテローム形成と非アルコール性脂肪性肝疾患の危険がある。この脂肪酸は、ミトコンドリアで完全分解できない。分解できない脂肪は、動脈の壁に沈殿する。
7つとは、オメガ3脂肪酸・一価不飽和脂肪酸・多価不飽和脂肪酸・飽和脂肪酸・中鎖脂肪酸・オメガ6脂肪酸
トランス脂肪酸(半硬化油)
果糖。自然界では単体では存在せず、ぶどう糖と一緒にくっついている。果糖はぶどう糖に比べ、メーラードはんのうを7倍はやく発生させる。老化現象、がん、認知能力の低下など様々な退行変異プロセスを引き起こしかねない。メタボ症候群の主要要因であるとい論文が数多く出てきている。慢性代謝性疾患の主要因である。ほぼ肝臓でしか代謝されない。266
果糖の有毒性は摂取量により変わる。
エネルギーを燃やす3つの方法 安静時エネルギー消費量REE60% 食品の産生熱量TEF10% 身体活動5%~35% 304
朝食を抜く人は、日中そうでない人よりもっと多く食べてしまう。原因の一つは胃のホルモングレリン(空腹を伝えるシグナル)のレベルが高くなるため。308
TEFを上げるには朝食にたんぱく質をとるとよい。たんぱく質を燃やすのはほかの食べ物を燃やすよりコストがかかる。
Posted by ブクログ
筆者は米国の小児内分泌障害の専門家。
体重130キロとか150キロとかの子どもがゴロゴロ出てきて、凄まじい筈なのに感覚がマヒしてくる。食事云々だけでなく、最後はボトムアップで国を動かさねば…ってのが米国的。パンツの上にはみ出た贅肉を「マフィントップ」と呼ぶのが一番衝撃的だった。これから毎日、つまむ度に思い出しそう(笑)。
この手の本は、チョイチョイ言うことが違う所と、どの本でも同じ事言ってる所とがある。最終的には自分の頭で考える必要がある。
ちなみにこの本は「朝ごはん必須」派。
Posted by ブクログ
普段の食生活においてQCD(栄養(健康 )・コスト・時短 )を最適化するにはどうしたらいいんだろうと思っていた。
糖への興味だけでなく食べること全般においてインプットしておくべきことが書かれている。
・日常的な食事で心がけること。
お菓子、清涼飲料水、ファストフード、精製した炭水化物、アルコールの摂取をしない。
良質な油、食物繊維、ビタミン、タンパク質などをよく撮ること。地中海式の食事、米を抜いた古き良き和食がいい見本。
低糖・高食物繊維,本物を食べる(非加工)。
スーパーでは生鮮食品売り場にあるものを選ぶ
食品ラベルがついた加工品や腐らない食べ物は買わない。
・その他
運動の習慣を作る 1日15分でもいい。継続が大事
睡眠も大事 ストレスを削減、食事の取り方が変わる
食べる量そのものはあまり問題ではない。
そもそも満腹感などは体のホルモンによりコントロールされるものであるためこらすらが何を食べているかでその振る舞いが変わる。糖にどっぷりは負のループを生む。
食べた分動けばいいという考えも正しくない。
運動の効能はカロリーの直接的な消費ではなく筋肉や骨の発達による代謝の維持向上やストレス発散。
体重そのものやBMIの多寡はあまり気にしなくてもいい。
脂肪も皮下脂肪、内臓脂肪と分けて考える必要があり後者に気を配るべし。内臓系の疾患に直結。
果糖過剰摂取を引き起こす現代社会の食環境に流されるのは禁物。進化論的にみて必要だと推論できる糖は現代では毒になりうる。
糖が毒であるのに、これだけ蔓延しているのは糖は美味しくて食品を長持ちさせて時に見栄えも良くするから、それにより食品業界などに経済的なインセンティブが生まれるから。
また脂肪悪玉説により脂肪の株が落ちてその穴埋めが糖だったから。
また身体の生化学的な反応も糖をどんどん受け入れる中毒物質だから。
Posted by ブクログ
身体は脳より賢い=エネルギー消費量は摂取量に合わせて減ってしまう
炭水化物には、デンプンと糖分がある。デンプンはブドウ糖からできている。当分は、果糖とブドウ糖を合わせたショ糖と異性化糖がある。
食品の質は、食べる量に影響を与える。
インスリンが多いほど脂肪が作られる。インスリン抵抗性が高いと、インスリンがたくさん出る。
レプチン抵抗性=レプチンが出ても反応しないので食欲が収まらない。
インスリンのレベルが下がると、活動的になる。=体にはエネルギーを燃やす区画と貯める区画がある。インスリンが少なければ、燃やす区画に行くので活動的になる。
インスリンが高まるとレプチンシグナルを遮断する。
短時間の絶食(12時間以内)では、レプチンが低下する=お腹が空いたと感じる。プチ絶食は肥満につながる。肥満になると、暴食と怠惰になる。
ストレスを受けると甘いものが欲しくなる。
コルチゾールは、内臓脂肪を増やす。ストレス、睡眠不足でコルチゾールが増える。
皮下脂肪はいいが内臓脂肪はよくない。内臓脂肪が最初に減る。皮下脂肪をダイエットで落とすと、筋肉も減る。
脂肪と炭水化物の組み合わせは、自然界には存在しない。低炭水化物ダイエットはメタボにも減量にもよい。
低炭水化物ダイエットも、低脂肪ダイエットも糖分は制限している。
フルーツが体にいいのは食物繊維が含まれているから。
糖分はカロリーより危険な猛毒。
果糖はインスリン反応が出ないので、レプチンレベルは上がらず食べ続ける。インスリンが効きにくくなる。グレリンを低下させないので食べ続ける。
果糖の解毒剤=食物繊維と運動。
食物繊維が豊富な食べ物はエネルギー密度が低い。
運動だけで痩せないのは、基礎代謝を自動的に減らすから。
朝食で食物摂取エネルギーが高まる。
肝臓のエネルギー消費が高まるのは、寒さ、標高、甲状腺ホルモン、運動。
有酸素でも筋トレでもHIITでもよい。運動の効果は長続きしないので、しょっちゅう運動する必要がある。
果糖はブドウ糖と組み合わさって存在している。
スーパーではラベルがついていないものを買う。
デザートは週一回まで。
朝食にたんぱく質を摂り、寝る4時間前から食べない=グレリンを減らす=空腹感を減らす。
おかわりは、20分待つ。
運動によってコルチゾールのレベルは上がり、その後低く抑えられる。