【感想・ネタバレ】恐怖の構造のレビュー

あらすじ

サーカスのピエロを、たまらなく恐ろしく感じる症状を「クラウンフォビア」という。また本来なら愛玩される対象であるはずの市松人形やフランス人形は、怪談やホラー映画のモチーフとして数多く登場する。なぜ人間は、“人間の形をした人間ではないモノ"を恐れるのか。また、日本人が「幽霊」を恐れ、アメリカ人が「悪魔」を恐れるのはなぜか。稀代のホラー作家が、「エクソシスト」や「サイコ」など、ホラーの名作を例に取りながら、人間が恐怖や不安を抱き、それに引き込まれていく心理メカニズムについて徹底考察。精神科医の春日武彦氏との対談も特別収録!

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同い年なんで読めた(〃^0^〃

内容的にわ非常に興味深い話で面白かったんだけどでも(・x・;)。。。
「エクソシスト」と「羊たちの沈黙」がよく例えに出てくるわけです(・_・)b
だと。この二つに御縁がない人達はたぶんちちんぷんぷんちんぷんかんぷんなんじゃないか?とへ(゜_゜へ)(ノ゜o゜)ノ
あと。キングの話もよく出てくるけど。こっちわホラー好きな人なら知ってるんだろうから。まぁ。アレだけど(ー.ー;)
年若い人たちが。果たして「エクソシスト」を。「羊たちの沈黙」を。どこまで知ってるんだろうか否か?(・_・ )( ・_・)?
などと心配で心配で不安が募る(pq.<;)!
平山氏によると不安わ恐怖より恐怖らしいから。読後感も恐怖の構造だ\(・o・;\)(/・o・;)/

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2018年11月09日

Posted by ブクログ

ホラー小説に対して抱いていた疑問や違和感のようなものの正体が、はっきりと理解できました。思い返してみると、怖くないなと思った作品は確かにその通りでしたし、逆に怖かった作品もそうでした。
思えば、初めて平山さんの作品に触れたときの、なんだこれは、という衝撃は忘れられません。以来、毒に侵されたようにして読み耽っていますが、そのエッセンスが本書には凝縮されています。所々に散りばめられている平山節に一気読みしてしまいました。
これから読むホラー小説は、きっと今までとは違った視点で読んでしまうかもしれません。表面上だけではなく、その裏側まで。それが善いか悪いかは分かりませんが、今まで以上に恐怖を楽しみたいと思います。

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2018年08月26日

Posted by ブクログ

面白くって一気読み! 

恐怖とは何か、不安とは何か、何と怖いと思うのか、なぜ恐怖はエンタメになりうるのか…そうそうそうだよね、と思いながら読む。映画やスティーヴン・キングについての項や、春日武彦との対談も面白かった。

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2018年08月12日

Posted by ブクログ

ホラー映画は見たくない嫌なものというだけでなく、写し鏡的に、人間の恐怖の感情を理解するうえで役に立つ。「エクソシスト」の撮影秘話は、嫌だなと思いつつも、そこまでやるのかとという狂気を感じる。『独白するユニバーサル横メルカトル』は随分前から気になっていて、怖いもの見たさで読んでみたいと思っているけど、なかなか手が出ない。

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2025年06月17日

Posted by ブクログ

ホラーと恐怖について1番勉強になった本。
目から鱗の内容が満載。

⭐️昨今は自分の評価が下がること、すごい人だと思われなくなることに恐怖を覚える人が増えています。〜名前も顔も知らない他人に肯定され続けないと、自我が保てなくなっているように見えるんです。〜今の子供たちは内圧に怯えているのではないでしょうか。

⭐️笑いと恐怖
物語がホラーになるかお笑いになるかは、単純に火力の問題なんです。→やりすぎが笑になる。

⭐️国別の恐怖
文化的恐怖と生態的恐怖
落とし穴と振り子やホステルやソウが生態的恐怖?ただ、なぜ?の要素は必要。
文化的側面が強くなる。宗教感の強さ。
キリスト教では悪魔の存在を恐れている。
アメリカでは幽霊より悪魔。日本は幽霊。
ヨーロッパも怪談が多い。

⭐️集団こそが不安を生む
アカ狩り

⭐️不安の時代がやってくる
70年代、1973年にはノストラダムス、日本沈没や悪魔のいけにえ、ジョーズが公開された。
平成初期はオカルトブーム
いまは将来、日本が亡くなる、日本蒸発,的な怖さがある。

⭐️スプラッター映画は嫌いだけど、スプラッター描写のある映画は好き。
何だかわかる気がする。

⭐️大衆は狂人が好き。
レクター博士のような。
ほか、黒澤明監督の撮影の邪魔だからと、家や電柱を取り除かれたとか。ジョブズとか。
あとは、エクソシストの監督もやばい。
ブロックバスター映画、エクソシストはジャンル潰し
※逆にジャンルが開く映画ゾンビや悪魔のいけにえなど。ユーモアがある。
フリードキンの狂気。内緒でピアノ線で引っ張ったり。撮影現場にショットガンを持ち込んだり。

⭐️ヒッチコックのフレンジー

⭐️次世代の恐怖ツール、VRが台頭する。 

⭐️各ジャンルにはそれぞれのゴールがある、ホラーは主人公が生き残るか死ぬか?というもの。

⭐️各論と総論
一つの事柄は好転するけど、全体的には不安が残った状態になる。それが怖いのがホラー。

⭐️主人公のアーチ
どう成長させるか?どう変化されるか?
キャラクターの強さ。

⭐️実話怪談のコツ
噂話のジャンクフード、脚色も大事。

⭐️書き手自身がどんなアンテナを張って、何に気づくか
何気ない日常の中でも圧倒的な量の情報を吸収する。

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2024年09月16日

Posted by ブクログ

映画も小説も現実も好きなので興味深く面白い。というかこの作家さんが面白い。
でも実のところホラー映画は演出やストーリーで気になるの沢山あるが恐くて観れない派。

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2024年08月07日

Posted by ブクログ

恐怖を言語化するのは難しい。なぜなら根源的な感情であり感じ方も人それぞれだからだ。本書では恐怖の構造を実体験、映画、小説を踏まえ解説していく。筆者がホラー作家という事もあり小説での恐怖に関する章は特に面白かった。恐怖と笑いの関係性も興味深い。ホラー好きにおすすめ。

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2024年06月05日

Posted by ブクログ

恐怖とは何なのかを平山夢明さんなりに分析された一冊。平山作品のルーツや仕掛けを見ているようで、ファンブックとも言えます。恐怖の根源は不安。そこにいろんな要素が加わるようです。

文化:特に宗教感。キリスト教ならでは日本ならでは。
年齢:若者は老人よりも将来が未知つまり不安要素。なので若者は老人よりもホラーを好む傾向かある。なるほど。
集団:孤独だと生じないことが集団だと起こる。
人の形をしている:不気味な人形やロボット
緊張と緩和:恐怖は緊張を生む。弛みがあることで何度も緊張する。

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2023年08月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ホラーや怪談が好きすぎる作家・平山夢明が、フランケンシュタイン、エクソシスト、ゴッドファーザーなどを例に挙げながら恐怖を考察。“恐怖よりも、不安のほうがむしろ恐ろしい”や“自分以外の人間、集団を意識した瞬間から不安は生まれる”という考えになんとなく同意。正直、私は同じ種でありながら理解しがたい「人間」のほうが恐ろしい。エクソシストの映画より監督の所業に怖さを覚えた。恐怖は奥が深い。

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2023年06月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

2つの理由から読む事になった『恐怖の構造』(平山夢明)。
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❶『世界一ゆかいな脳科学講義』(アンジェリーク・ファン・オムベルヘン)。

恐怖症の話になった時に、「これってどんなものがあるのか」と気になりました。

❷『ホラーの哲学』(ノエル・キャロル)。「ホラーに関して外国人と日本人の視点に共通点又は相違点があるとすればどんな事なのか?」が気になった。

「欧米文化由来の映画&小説に馴染みがなく理解しにくいと感じてしまった」という事が大きかったですね。

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❶について本書においては、クラウンフォビア(ピエロ恐怖症)、高所恐怖症、閉所恐怖症、先端恐怖症、飛行機恐怖症などが紹介されていました。

その他も気になりネット検索という禁断の手を使ってしまった結果、

何と70種もある事が判明(一部をあげると……暗所、細菌、集合体、血液、注射、対人、醜形、女性、男性、新型コロナウイルス、動物、雷、階段、薬物
、鏡、水、化学製品、色、発言、意見、嘔吐、学校、カエル、癌、孤独、失敗、新奇、赤面、ハチ、爬虫類、雪、笑われ、失笑、クモ、病院、電話、体重増加、悪魔、宇宙、幽霊、死、ガラス、アリ、キノコ、洗浄、風船、美人、夢、野生生物、低所、結婚、口臭、13、4、etc…)

まぁ、こんだけ読むと本人が何かしらのトラウマを抱えれば恐怖症という名の付く症例になるんだろうなという気はしてきた。

続いて❷に関する事も本書の中に書かれており、スッキリしました。

内容としては「根っことなる文化が違えば感じる恐怖の質も変化してくる」というもので、それを最も大きく左右するものが宗教観であり、

『エクソシスト』(ウィリアム・フリードキン)が例として出された時には、「仏教や神道がベースにある日本人とキリスト教を規範にして生きる欧米の人々が感じる恐怖は全く別物かもしれないと。

YouTubeで海外の方が日本のアニメを見て、私たち日本人と同じように怖がったとしても…

その内容が異なるかもしれないとすれば、なかなか興味深いお話です。

『鬼滅の刃』(吾峠呼世晴)も感じ方が違うのかな。

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今回では自身の疑問の解明だけでなく、「これはッッ」と思う情報もゲットできて楽しめました。

それが以下8点。

❶ホラーでストレス発散

人は「得体の知れない怪異/モンスターの正体を知りたい」という好奇心でホラーを見るだけだなく、ホラーで劇的な体験をしてストレス発散をする。

❷不気味の谷

日本のロボット工学者が提唱した「ロボットの造形や動作を人間に似せる際、ある一定の領域になると強烈な嫌悪感をおぼえる」という理論。

❸恐怖と笑いは薄紙一枚の差

【人間には過剰な恐怖にさらされると、目の前の現実を受け止めきれず、笑いで処理しようとする性質がある。

バナナの皮で滑って転ぶという笑いは、転倒した人の頭から血を流し始めた瞬間から恐怖に変わる】

すんごくわかりやすい。ストレス発散方法である笑いが一変すると恐怖になる可能性があるとは。

❹中国のホラー作品事情

「昔はいっぱいあったけれど、現在の中国では中国共産党が幽霊を認めておらず、その関連の映画は上映どころか制作さえ許されていない」とのこと。

厳しい…。

❺(厄介レベル)恐怖<不安

「恐怖は対象とそれに対する対策方法が明確だけど、不安は何をどう克服すればよいのかがわからない」という話は興味深かった。

過去に【不安が原因で起こった事件】としては

・関東大震災時の朝鮮人虐殺
・オイルショック時のトイレットペーパー爆買い
・冷戦時のアカ狩りと呼ばれる密告と迫害の横行
・1967年デトロイト黒人差別をめぐる暴動

などが紹介されてました。

❻若者がホラーを好む理由

「「未知」や「無知」に対して備えておきたいし知っておきたい。でも注意書きやお説教では面白くないので、ホラーで知ろうとする」とのこと。

手段がホラーっていうところがビックリした。

❼ホラー映画が流行る時

ホラー映画が突出して流行る場合は、その背景に社会不安がある傾向が強いとのこと。

深い。

❽ホラー作家の「恐怖と緩和」意識的コントロール。

人間はずっと緊張していると神経が疲れてかえって集中できなくなるので、途中に緩和を入れる事によって無意識のうちに来るべき次の恐怖へ備えてもらうんだそうです。

いろんな工夫があるのね。

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…という具合に学ぶ事はいっぱいありました。

ただ、【お稲荷さんの祟り】や【市松人形怪異】、【ドラッグ依存の人へのチョッカイ】などの話では

「なかなかすごい事やってんなこの人」と思っちゃった。

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2023年04月30日

Posted by ブクログ

恐怖を求める心理の説明書。+制作側へのアドバイス本。

色んな作品が代表作として出てくるが、「エクソシスト」「羊たちの沈黙」狂人による恐怖の格上げ!やっぱスゴイ。
筆者の「川崎大師事件」…周りに迷惑…本人無事だし。笑って話せる筆者に恐怖。

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2023年02月12日

Posted by ブクログ

「恐怖」と「不安」の区別、怖い小説の分類とか興味深かった。次怖い本を読むとき、ホラーなのかサスペンスなのかスリラーなのかを見極めながら読みたいと思います。最後の平山さんと春日先生の対談も面白かったです

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2021年12月30日

Posted by ブクログ

学術的な話は少なく、かみ砕いた平易な文章で、『恐怖』に対する私見が述べられている。個人的体験に基づいた理論の組み立ては、著者個人のものでは、と思う反面、それ故に本質を捉えているようにも感じられた。
加えて、(というよりこちらが主筋?)ホラー小説やホラー映画に関する考察もすこぶる面白い。

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2019年10月20日

Posted by ブクログ

恐怖について、アカデミック?に考察してみたのが本書。
著者の小説が大好きで大体の作品を読んでいる。作品を生み出す中で使った手法についても語られているし、映画、本など恐怖を題材にした作品の解説もありとても興味深く拝見させて頂いた。
平山さんの最近の作品『ダイナー』でも、あたかも読者である自分が、登場人物が遭遇してしまう暴力の嵐を受けているかの如く感じてしまう。そのへんのテクニックについても触れられている。
自分自身、怖いことは嫌いだし、お化け屋敷も絶対に入らない。それでも、恐怖を感じる小説を読み始める自分がいる。そのへんの心理については、後半の精神科医の春日武彦さんとの対談で、意見交換されている。

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2019年10月12日

Posted by ブクログ

非常に秀逸な新書。

本書は作家である筆者が描いているため、新書の立ち位置が非常に理解されている。「面白い」「分かりやすい」「なんだったら役に立たないけど興味が湧く」この3点を完全にカバーしている。

精神科医?の春日氏との対談も非常に興味深い。春日氏は不安に取り憑かれる性分だと明かし、以下のように語っているがとても共感を覚えた。
「不安を持っていないような奴はバカだ」と開き直り、不安を抱えていることによって生じる「ある種の緊張」が、大きな不幸を防ぐバリアの役割を果たしている(略)との説も納得できる、というかそのように自分を納得させた。

対談でのドラッグに対する見識も面白い。ドラッグは視覚や聴覚に作用して嗅覚方面にはいかない。、、、など掘り下げればもう一冊新書が書けるのでは?
ヒトの妄想にもバリエーションが知れてる、「ただの人」が思いつくものに大したものはないなんて、掘り下げて欲しいなぁ。

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2019年04月29日

Posted by ブクログ

怖い怖いと言いながらお金出してお化け屋敷に行く心理とかそういうのはわかった気がする。ホラー映画じゃないけど実は怖い映画、、とかの紹介は興味深く、観てみようと思う。作者の人格がおかしいのではと思うところはドン引きして作者のことを好きになれそうにないが内容じたいはおもしろかった

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2019年01月27日

Posted by ブクログ

他人を驚かせることが好きだ。もちろん賞賛をもらうためのものではなく、怖さを与える意味で、だけど。
じゃあ、怖さってなんだろうか?って考えたときに、すぐに思い浮かぶのが、幽霊などの非現実の怖さと、人間の心の闇みたいな、現実的怖さ。
後者の方が苦手で、だから前者の方で他人を怖がらせる。
この本によると、ホラー小説を書くときに作者が表現するのは、自分にとっての怖いもの。読んだ後どう感じるか、作者からしてみれば、”どう感じさせるか”。
それがホラー小説の醍醐味だそうだ。
なんだかシステムのバックドアを見たような、恐怖小説の核心に触れた気がした。

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2018年09月02日

Posted by ブクログ

面白かった!
なぜ恐いものをみたくなるのか、どの部分に面白さを感じてるのかなどがこちらに話しかけてるみたいな文章で書いてあったので学術書みたいな硬い感じじゃなくて読みやすかった。

私は日頃そんな些細なこと不安に思わなくてもいいのにというようなことまで不安に思って思いつめて体調ガタガタになる程度には不安と常に隣り合わせで生きているので、恐怖より不安のほうがやっかいでコワイ、というような説はすごい頷けた。
明確な恐怖はそれはもちろん嫌だし怖いんだけど、明確になった時点でどう対処しようとかどう立ち向かおうとかもしくはあぁもう無理だ諦めちゃおうなんて案外腹くくれる気がする。気持ちの上ではさっぱりするというか。もちろんめちゃめちゃ怖いんだけど。
不安はジワジワ真綿で首を絞めるような感じだし明確な対処法が思いつけないし、思いつけたとしても不安が恐怖に変わるまでは実行できなかったりして生殺し状態。しかも自分で不安をどうにか克服しないうちは永遠にまとわりつく。
本書に書いてあることと似たようなことを書いてしまったけれど、この点について書かれていたことがそれだけ嬉しかったというか気持ちがスッとしたというか…。

ホラー小説の書き方も解説してあってなるほどなぁと。
ただ怖いシーンだけバンバンだせばいいってもんでもないんだなぁ。
このへんの話は、これから小説を書いていきたいと思ってる人にはそれがホラーじゃなくても役に立つようなことが多そう。

ホラー映画、小説についてもいろいろと例に出して書かれていたのでみてみたくなった。
ホラー映画わりと苦手なのにそう思えるっていうのはやっぱり紹介や説明の仕方がうまいんだろうなぁと。

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2018年08月18日

Posted by ブクログ

昔から怖い話が好きで、最近だとネットの洒落怖や、春先に発売された「日本現代怪異事典」を読んで楽しんでいる。

なんで怖い話が面白いのか?自分でも時々考えたりしているので、本書を本屋で見かけた時に飛びついた。

本書で個々に紹介されるエピソードはどれも面白いが、恐怖の構造については、概ね次のように整理されている。
- 不安と恐怖は違う。
- 不安は漠然としていて、恐怖は具体的。
- 物語は、不安で始まり、恐怖が克服されてカタルシスを得て終わる。

本文よりも、対談部分の方が、この辺がクリアに述べられている。

この整理に、個人的にすごく疑問が残った。

どちらかというと、私はカタルシスの得られない、後味の悪い話が好きだからだ。カタルシスを得たいのであれば、怖い話である必要はないと考える。

以下、酒を飲みながら、怖い話の構造について考えてみる。

怖い話は、だいたい口承で伝えられることが多い。口伝えで伝わる話は、少しずつ元の話と変わって、形成される。文字が発生する以前の物語や神話も、こうしたプロセスで生まれる。
こうしたプロセスで生まれる物語は強いパワーを持つ(と、「クリエイティブ脚本術」に書いてあった)。
都市伝説とかの類が、妙に心に残るのは、こうした理由に起因すると思われる。

怖い話も神話も、同じプロセスで生成されているので、同じ目的、つまり世界を理解するという目的、を持っていてる可能性がある。

理解できない不安や恐怖を理解したり、未然のリスクとして認識するための物語、ネガティブな方向に振り切った神話、それが怖い話の本質ではないかと思う。

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2018年08月13日

Posted by ブクログ

自分のなかの恐怖と向き合いたくて読んだ。
女の人は知らないことを知らないままにしておけない、という部分はひじょうに納得!!

私は!
結果を待っていて、その結果によって次の対応を決めなければいけないことが分かっている状態が!
めちゃくちゃ怖いんだ!!
できれば味わいたくないけど、普通に生活して仕事してるとそんなことばかりだから困る。

これからは分析することで向き合えるようになれるかも。

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2022年02月16日

Posted by ブクログ

人間が恐怖を感じる心理について考察された新書。

「DINER」の作者だったのか。
呪いの人形の話がウケるらしいんだけど、何が面白いのか笑う人が気持ちが全くわからない。ちょっとどういう幼少期を送ってきたのかと思ってしまった…
人が不安を覚える心理にもお国柄や文化の違いが表れている。結局人間が生み出したものだもんね。
考察というより映画の雑学みたいな話も多く、雑多な情報という感じ。エクソシストが凄まじい状況で撮られたということはよくわかった。
余談だけど蓮コラ(トライポフォビアというらしい)、私は駄目だった。

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2021年02月12日

Posted by ブクログ

 平山夢明初期の犯罪ノンフィクションなど、興味深く読んだものだ。
 しかし、平山その人が前面に顔を出す本書となると、もういけない。言行にピカレスク・ロマン的な痛快さが感じられない。もっとも、ピカレスクな人物なら冒険小説に手を染めているのだろう。
 書に親しむというのは、著者を好きになるとか、その喜びや悲しみに共感する部分があるように思う。
 私が平山と面談の機会を得たとしても、ほぼ話が噛み合わず、物別れに終りそうだ。
 巻末対談の春日武彦は贔屓の学者なのだが、相手に引きずられたと見え、発言が不良化している。

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2019年01月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 僕はオバケが怖い。小さい頃から便所に行くのが異常に恐ろしかった。今は部屋の中に便所があるが、昔は部屋の外にあった。しかも、明かりは暗くてボットん便所から赤い紙くれと手が出て来るような妄想にとらわれていた。
 結局はオバケなどいなかったのだ、「恐怖より不安がコワい」という分析には納得した。僕はオバケが出るかもとおい不安に慄いていただけなのだ。でも、今でも便所は怖い。

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2018年12月03日

Posted by ブクログ

ホラー作家による恐怖考。語り口調のせいか、思っていたのより軽めな感じ。一番へぇ~っと思ったのは、映画「エクソシスト」撮影の裏話。あの恐ろしさは監督が「狂ってた」からなのか。

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2018年10月12日

Posted by ブクログ

怖いもの見たさという言葉がある。
私は怖がりで、家人が「ただいま」と帰ってきただけでもたいそう驚いて呆れさせたことがある。
そんな「ビビリ」なのに、ゲゲゲの鬼太郎は大好きだったし、Xファイル(プラナリアが怖かった!)チャッキーに、エイリアン、テキサスチェーンソー、その他J ホラー(リングなど)も見ている。
真昼間の太陽サンサンでないと見られないし、一人で見られなくて被った毛布の中にきょうだい無理やり引き入れて(毛布が襲いかかる!)嫌がられたこともある。
ホラー小説、漫画も読んでいる。
が!怖がりだ!

さて、怖さとは不安からやってくるものだそうだ。
「恐怖の場合は闘うか、腰が抜けるかの二択ですが、不安の場合は無限に選択肢があっって、おまけに答えはないときている。それを振りはらうために、人は過剰な行動に出るのです」(53頁)
確かに、魔女狩り、アカ狩り(レッドパージ)、ヘイトスピーチ、ついでに「こんな人たち」と言い切ってしまうどこかの国のお偉いさんも、ずっと害が大きいとは思わないだろうか。
チェーンソーをぶん回すならそいつを使えなくしてやればいい、ビデオから出るならビデオを見なければいい、でも、隣の人間が自分を密告しようとしている、「かも」しれなかったら?
犯罪者「かも」しれない、国を売る「かも」、不安は増大していくばかり。
もしそうなら、自分の平穏を守るために、どうする?

「生命とはなんなのか、生きるとはなんなのか」(156頁)
それがホラーからの問いかけだ。
簡単には答えは出ない、だからこそ人は「恐怖」にたまらなく惹かれるし、畏怖の念から逃れられない。

特別対談の内容が、下手なホラーよりずっと怖い。
「確認魔」「脱法ドラッグ」、その他諸々、紳士的な前半部との違いが際立って、怖かった。

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2018年10月07日

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