あらすじ
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さまざまな格闘技で繰り出す技は、力学や解剖学の観点から見ると大変合理的で、いわゆる「力技」とは一線を画します。本書では、さまざまな格闘技の技を科学的に分析し、その威力の秘密に迫ります。
空手の「突き」とボクシングの「ストレート」の違い、わかりますか?
【スポーツ・バイオメカニクスの第一人者、吉福康郎氏が、さまざまな「格闘技の技」を科学的に分析して、1冊の本にまとめました!】
「空手の突きとボクシングのストレートの違いは?」
「空手の前蹴りとムエタイの前蹴りの違いは?」
「なぜ体の小さな柔道選手が大きな相手を投げ飛ばせるの?」
こんな疑問をもったことはありませんか? 本書では、さまざまな格闘技の技を分析し、その威力の秘密に迫ります。
【この本の内容(一部)】
●拳が速いほどパンチの衝撃力は増えるの?
●ストレート・前蹴り・フックに比べて回し蹴りがよけにくいのはなぜ?
●頭突きの威力はどのようなもの?
●パンチが当たる瞬間、拳を固く握りしめる意味はなに?
●グローブ使用でも安全とはいえないって本当?
●レスリング出身の選手は、アッパーなど突き上げるパンチが強い?
●回し蹴りは「足が胸から生えているつもりで蹴る」と聞いたがどういう意味?
●伝統空手の前蹴りとムエタイの前蹴りはどう違うの?
●首相撲からひざ蹴りへの攻撃に対処する方法はあるの?
●打撃技につかみを入れると有利になる?
●腕ひしぎ十字固めは、一度極まるとなぜ逃げられないの?
●柔道の技に対抗するにはどうしたらよい?
●握力の強い相手に手首を握られたとき力に頼らずに抜く方法はない?
●強力な素手の突きをどうやって防げばいい?
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
基本攻撃から防御、練習、実践に至るまで、科学的に解明できた格闘技や武術の技術を素人でも解り易く解説した書。
これを読むと、一言で【強さ】と言っても、その中には努力や練習の蓄積だけでなく、生まれついてからの境遇から性格、性質から遺伝子に至るまで、様々な要素が含まれていることがわかる。
また、人は一朝一夕に強くなれるというものではないが、強くなる方法は様々あり、人によって向き・不向きがあることをよく理解し、自分に合った方法を模索すべきということもよくわかった。
Posted by ブクログ
タイトルの通りの内容なのだが、単にパンチやキックの強さを測定したり筋肉の動きを説明するだけではなく「いかにしてダメージを与えるか」「手首の極め方」「握られた手首を抜く方法」さらに「ナイフを持った相手と戦う方法」など実用的な内容が掲載されている。これも著者が格闘技経験者であるから出てくる視点かもしれない。
この手の本にしては珍しく「気」を扱っている。「そんなものはあり得ない」と言って一蹴するのではなく、考察し解説をするという姿勢は科学者として素晴らしいことだと感じた。
Posted by ブクログ
極真空手をやってて、物理学についての基礎などを知っている人にとってはとても良い本だと思った。
僕は去年極真空手で全国2位の成績を残したことがありますが、そんな僕でも新しい発見をこの本から取り入れることができました。しかし、この本は初心者または物理学が苦手な人にとってはとても難しくて分かりにくいと思うので、星4つにしました。
なので、この本は今までの練習内容の改善のきっかけにもなるし、どのように相手の動きを抑制していくべきかを学べるのでとても良い本だと思いました!
Posted by ブクログ
ありそうでなかった本。打撃系、組み技系を問わず、技がどんなときに最も有効に極まるかを力学や人間の体の仕組みをもとに解く。各項目1ページほどの文章量しかないので説明が専門的だとわかりにくいところがある。見開き片側の図がよかった。
Posted by ブクログ
スポーツ・バイオメカニクスが専門で自らも格闘技経験のある中部大学の工学部教授が力学と解剖学を用いて格闘技の動きを解説。そう言う人(どういう人??)に取ってはとても実用的なんだろう。
例えば体重の重い相手に押し負けないためには相手の体を持ち上げればいい。向こうが80Kg、こちらが60Kgの場合まともに押し合うと負けるが上に向かって10Kgの力で引き上げると、向こうの体重が10Kg減り、こちらの体重が10Kg増す。相撲の引きつけ、はず押し、がぶり寄りの理屈だ。
格闘技漫画のウンチクの数々を真面目な学者が解説していると思えば間違いない。例えばヒットマッスル、背筋が盛り上がっているのがパンチ力を生むというよくある説明だが、近大の筋生理学の専門家で空手の熟練者でもある谷本説では強いパンチを打つと広背筋が伸びて傷つき筋修復により筋繊維が太くなる。原因ではなく結果だそうだ。へぇーっ。
他にもナイフを持った相手と素手で戦う方法とか、(先ず全速力で逃げる。そらそうだ)、相撲取りがなぜ強いかとか(脂肪を除いても体が重いから)とか。最強の格闘技はという質問に対してはルール次第としている。(異種格闘技戦は当然ながらそれぞれ自分のルールでが有利)
面白いのは「気」を真面目に扱っている所。実感として「気」は存在するという立場。
以下抜粋
西野流気功法の道場で、しばらく「気に対する感度を高める練習」をしてからリラックスして立っていると、師範が両手を突き出す様な動作で私に「気」を発しました。私はその「気」に押されて道場の端までよろめくように歩いていき・・・ おお、カメハメ波だ!