【感想・ネタバレ】1年A組のモンスター: 15【イラスト特典付】のレビュー

あらすじ

怖いですよ、全員が…ね――。文化祭後の人気投票に不正があったことが発覚し、戸惑う教師たち。渚沙から犯人は恵利香だと聞いていた自見は物的証拠がないため解決方法を模索していたが、恵利香に暴行を受け拘束されてしまう。自見の体に刻まれた"傷"を確認した恵利香は自らの"傷"も自見に見せつけ「お揃い」だと微笑む。目的を果たした恵利香に解放された自見は、渚沙から聞き出した情報をもとに桃・茉莉・真紀の協力を得て恵利香との決着をつけるため奔走する――。A組のモンスター・恵利香の闇が自見に襲いかかる女子校再生ストーリー第15巻!

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「いじめ」「体罰」「モンスターペアレント」など、学校生活における問題が絶えない昨今、教師と生徒のあるべき姿とは一体…?

女子校を舞台に、担任いじめが横行するクラス・ 1年A組を担任することになった教師・自見太郎(童貞)がその独特の教師観で問題児たちを教育していく物語。
赴任初日から始まるいじめの連続…。生徒という立場を利用した卑劣で狡猾なやり方がとにかく汚い!
ちなみに私は1年A組みたいなクラスだったら秒でやめます。(by.作者・英貴)

モデルとして芸能界で活躍する女子生徒にハメられ、強姦の疑いをかけられる自見先生。
しかし教師として、男として立場の弱い彼が、この圧倒的理不尽に立ち向かう姿に感動します…!
問題児達を“熱血さ”ではなく“真面目さ”で更生させる、女子校再生ストーリーがアツい!

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Posted by ブクログ

恵利香は何らかの思惑を持って自見に近付いている。その思惑は地味の凄惨な過去に関係しているかも知れない。だから自見が恵利香と向き合う事は過去と向き合う事となる
だからってあの高山理事長を許すというか、過去を過去として前を向こうと促すとは思わなかったな。彼は極度の復讐心に満ちた人間というわけではないけれど、積極的に過ちを許す人間でもなかったから
前巻にて桃が自見の呪縛を祓った件が良い意味で自見の内面に作用しているのだと再認識できたよ

それでも恵利香が難敵である事実は変わらない。自見に警戒されていると判った上でなお彼に接触する。それは何かが欲しくて欲しくて堪らず我慢できない子供かのよう
だとしたら、恵利香が発した「私だけを見て自見先生」という言葉は欲しい物に関連しているのかと思わせられるが…
自見にとっては恵利香のその言葉こそクリティカルヒット。彼女は判った上でそれを言っているのかそれとも偶然の一致なのか…
彼女は相変わらず正体が見えませんよ

恵利香に対抗するには綺麗事だけでは済まないかも知れない。思い切った方法が必要になる
そうして桃達だけでなく、真紀や渚沙まで仲間に加わるとは思わなかったけどさ。かつて自見を困らせたモンスターグループが揃いも揃って彼に味方するなんてクライマックス感があるね

渚沙が仲間に加わった事で見えてくるのは恵利香と百合子の類似。またもや自見のトラウマ案件だ
そのような辛さと直面せざるを得ない事態だけに桃達が仲間になってくれるのは有り難いだろうに、自見にとって彼女らは生徒だから守らなければならないという、教職としての本懐に立ち返るような構図に成るのは印象的。彼にとって仕事でしか無かった教師という在り方が精神的にも根付いてきたような…

ただ、そうして一対一の個人ではなく教師と生徒という枠を持ち出されるとショックを受けてしまうのが桃か…
自見を好きな同士である桃と茉莉の友情は果たしてどうなっていくのだろうね?


仲間は揃った、情報は集まった。そして恵利香はもっと自見と接触したいと考えている
整えられた恵利香を追い詰める為の算段。少しずつ描かれる過去からすると、彼女を単純な加害者とするのは間違っているように思えてしまうが、彼女がつばきにした事を思えば加害の事実から逃れさせるのも間違いと思える

彼女が自見に求めるもの、彼女が過去から得た教訓
それらが明かされた時、自見は恵利香の要求にどう応える事になるのだろうね?また、それは百合子の悲劇とどう結びついてくるのだろう?

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2025年10月05日

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