あらすじ
学習指導要領が改訂された。そこでは新しい時代に身につけるべき「能力」が想定され、教育内容が大きく変えられている。この背景には、教育の大衆化という事態がある。大学教育が普及することで、逆に学歴や学力といった従来型の能力指標の正当性が失われはじめたからだ。その結果、これまで抑制されていた「能力」への疑問が噴出し、〈能力不安〉が煽られるようになった。だが、矢継ぎ早な教育改革が目標とする抽象的な「能力」にどのような意味があるのか。本書では、気鋭の教育社会学者が、「能力」のあり方が揺らぐ現代社会を分析し、私たちが生きる社会とは何なのか、その構造をくっきりと描く。
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Posted by ブクログ
<目次>
まえがき
第1章 現代は「新しい能力」が求められる時代か?
第2章 能力を測る~未完のプロジェクト
第3章 能力は社会が定義する~能力の社会学・再考
第4章 能力は問われ続ける~メリトクラシーの再帰性
第5章 能力をめぐる社会の変容
第6章 結論:現代の能力論と向き合うために
<内容>
著者は、「新しい学力観」には与していない。というか、「新しい学力観」は「新しくない」ことを証明している。また、「コミュニケーション能力」や「協調性」が公平に測れるはずがないともいう。それは基準を決めるのが、社会だからだという。
ここまではついてこれた。しかし、第4章は全く分からなかった。もう少しうまく説明してほしかった。