あらすじ
あなたの死後、不要となるデータを削除します。
――『dele.LIFE(ディーリー・ドット・ライフ)』
各所から絶賛されたドラマ「dele」の小説版、待望の続編!
故人より託されたデータを極秘に削除する会社『dele.LIFE』。
その所長、坂上圭司が姿を消した。
リサイクルと遺品整理のアルバイトをしていた真柴祐太郎は、圭司の姉・舞からその話を聞き、かつての雇い主を捜し始める。
だが、手がかりと思しきファイルは得体の知れぬ陰謀へと繋がっていき――(「リターン・ジャーニー」)。
誰からも愛された女子中学生が自殺した。彼女の死と、遺されたデータの謎に迫る「スタンド・アローン」を含む全2篇。
データに込められた秘密や想いが胸を震わす、記憶と記録をめぐるミステリ。
待望の第3弾!
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Posted by ブクログ
「リターン・ジャーニー」の内容はdele.LIFE(圭司)最大の危機。
今までは祐太郎の心の葛藤に焦点を当てた話が多かったが、ある意味"国家"が舞台の壮大な話であった。
「スタンド・アローン」は悲しく重たい話。結末も予想できなかった。
両作品ともにナナミの活躍が目立った。
Posted by ブクログ
ドラマ化されたdeleの原作続編3作目。
もちろんドラマの話とも違い完全新作。
てっきり前巻で解散したかと思いきや、今作で再結成した模様、しかも新たに一人加わった感、またこれがいい味出してます。
これからはミツメの話を中心に流れていくんだろうなぁ。
再結成後のこれからのエピソードもワクワクするし、ミツメの話もどのように展開していくのか、気になって仕方がない。
早くも続編が読みたい。
Posted by ブクログ
前作で、祐太郎の意図しない働きかけで妹の鈴の死の真相が明らかになってしまい、責任を感じている所長の圭司からしばらく来なくていいと言われて終わる。
本作では遺品整理のバイトを始めて数か月経つ祐太郎のところに、圭司の姉の舞が訪ねてきて圭司が行方不明だと話す。前作で依頼人の友だちとして登場したナナミの協力を得て探し始め、ネットの世界で恐れられている圭司の元同僚、夏目が絡む不正に巻き込まれていく話。国家的な不正が絡む壮大な話、夏目の正体、夏目の思想、圭司との関係が明らかになっていくスリル感がある。圭司と祐太郎の関係が修復されていつものやりとりがまた出てくるのも嬉しい。
もう1編は自殺した女子中学生のお話。いつも皆の話を笑顔で聴き、誰からも愛されていた少女が削除依頼したデータは何か。抱えていた闇は何だったのか。復活した圭司と祐太郎のコンビが少女の想いに答えていく。ナナミも大活躍。中学生らしい友だちへの嫉妬や羨望、SNS上の陰口、両親の問題は辛くリアルな問題として心に刺さる。
Posted by ブクログ
えーっ!3巻!って思いつつ、2人の再会が気になって読んでみたけれど、2巻のままで終わらなくてよかったって思ったのが正直。
「リターン・ジャーニー」は前作までちょいちょい出てきた夏目がいよいよ出てくる。ラスボス感あるけど、夏目の方が人間として扱われてないような気がして……。神格化されてると言うか。
「スタンド・アローン」はナナミがいたから、こんな結末になれたのかなって思った。聞きすぎて、逆に自分からは何も発信することが出来ないってしんどい。いや、「私はする方じゃない」思って、言えなくなっていったんだと思う。周りから見れば良い子だけけれど、吐き出し口がなければ、どんどん苦しい。子どものうちに死ねればとは簡単に冗談に言えるけれど、誰かが「あなたの本当の気持ちも吐き出して良いんだよ」って言えたら違っていたのかなとか、イフを考えてしまう。
次あるとしたら、夏目かなあ……。
Posted by ブクログ
前半は圭司の失踪を機に、2人が再会を果たす話ではあるが、少し話が大きすぎてつかみにくいもやっと感。
黒幕?の夏目の人間らしい部分も読んでみたい。。
なにはともあれ、ブランクを経てナナミも加わり再結成。
そこに舞い込んできた仕事は、自らの命を絶った女子中学生の託したデータの削除依頼。
予想外の展開でやっと行き着いた結末は悲しく、胸が苦しい。
いるべき場所で、目を凝らして、耳を澄ます。
誰かがそうすることで救えたかもしれない命だったなんて。
ナナミの再出発を無意識にも後押しした
祐太郎のキャラはやはり魅力的で愛おしい。