【感想・ネタバレ】赤心 隠密絵師事件帖のレビュー

あらすじ

河鍋暁斎の弟子である絵師、誠之進は磐城平藩の隠密という裏の顔を持つ。兄弟子・鮫次の弟が怪しい行動を共にする連中がいるらしい。その一人はアメリカ公使館員ヒュースケンを刺殺した薩摩藩士、伊牟田尚平だった。鮫次は弟の身を案じ、誠之進は伊牟田らの動向を探るべく、鮫次の故郷、九十九里へと向かう。絵師の鋭い眼が、知られざる幕末の真実を抉り出す問題作、物語が大きく転回する第三巻。

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Posted by ブクログ

江戸末期から明治に至る部分の歴史。
いつもなんとなく、スッキリしなかった。
江戸のことを知ると、確かに世界の情報は入ってはこなかったが平和であった。飢饉に関しても、地域によっては大変だったが全土を考えると、通常の範囲以内。

文化は成熟し独自の美意識、価値観を作った。

が、突如江戸沖に外国船がやってきて、人口の大きな江戸は混乱。そして、薩摩や長州のような中央から遠い外様に密輸貿易を簡単にさせ、薩摩に至っては沖縄から奄美地方までを幕府には内緒に領土化して圧政をしいていたのだ。
薩摩は域内の領民にも武士にも同じようにして、大きな金で武器を購入。反乱の機会を与えてしまった。

しれば知るほど、クーデターでしかないし、薩摩藩など南の知識のない田舎者に江戸支柱を荒らされ、江戸町民は戦時下のような幕末。

これが正義であろうか?いつもスッキリしなかった。

このシリーズ、『敗者の側にも真理がある』と、帯にも買いてあるように、そんな史実をぼうだいな膨大な資料とで物語に描き、密度の濃い時代小説シリーズになっている。

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2021年09月14日

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