あらすじ
「安全地区」に指定された仙台を取り締まる「平和警察」。その管理下、住人の監視と密告によって「危険人物」と認められた者は、衆人環視の中で刑に処されてしまう。不条理渦巻く世界で窮地に陥った人々を救うのは、全身黒ずくめの「正義の味方」、ただ一人。ディストピアに迸るユーモアとアイロニー。伊坂ワールドの醍醐味が余すところなく詰め込まれたジャンルの枠を超越する傑作!
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Posted by ブクログ
面白かったー!
解説部分にも書かれてたけど登場人物に対して覚えた違和感やカタルシスに対して、次の段階で「それっていいことなの?」とこちらの首を締めてくるのがよい!
辛い……
人に正義はなし得ないんだからバランス感覚と思いやりだけは残しておかないと大変なことになるな……
個人的に好きなのは終盤まであった監視カメラのデータを削除するくだりが最後にはなくなってたところ。
やっぱり伊坂さん作品
拷問に近い取調べ、サディスティックな人の集まりが公僕たる警察官であること…
なんたかいつもの伊坂作品と違っていて、読むのが不安になっくる。
それでも読み進めていくうちに正義の味方が現れて
…と思ったら、失敗したり人を殺しちゃったり、くもゆきが怪しい。
最後の最後になって、ようやく…
いえ、最後の最後まで読者の気持ちを引きつけて放さない、自分にとっては傑作です。
面白かった!伊坂さん、ありがとうございます。
Posted by ブクログ
巡るめく登場人物の登場と死にめっちゃ戸惑いましたが、必死に読み進め、終盤はページをめくるのがもったいなくなりました。キャッチーなタイトルは作中で端役が言うだけで(あっけなく死んで茫然とした)、そもそもが誤訳であるとは、おもしろいと思いました。実際、目の前で処刑なんて行われたら私たちは娯楽として消費できるのか。私はネガティブなので、「もし自分だったら」「冤罪だったら」と怖くなりそうです。内容も展開もおもしろかったです。
Posted by ブクログ
☆4.0
なんとなく真壁さんがまだ生きてるんじゃないかと思えちゃった分、ちょっと私の中での評価が下がったかも?
でも、それでも伊坂幸太郎はおもしろいなぁ
これは担当した患者さんが面白いって教えてくれた作品第一弾!
この危険人物の見つけ方は日本人が陥りやすそうな方法よね
大きな権力には逆らえず、大衆の意見が正しいと思い込むやり方
正義の味方と裏で手をひいてた真壁さん、ワクワク楽しかったなぁ
Posted by ブクログ
「その場面は記録される事なく、ただ、音も立てずに高速で経過していく時間の流れの中へ溶け、消えていく」
それまでの少し重たい内容とは一変、物語を締めくくるこの文がとても心地よく、すっきりした気持ちでページを閉じることができた。
「正しさなんてものは、どこにもない。スピーチが出過ぎたらブレーキをかける、少し緩めてやる。その程度だ。」
Posted by ブクログ
伊坂作品にしては心重たい部分が長くて疲れる本だった。
平和警察とは名ばかりの一般市民に対して魔女狩りを行う世の中に対して、ちょっとした正義感から立ち上がる1人の青年を描いた物語。
揉み消された平和警察の横暴を始めとして伏線の散りばめ方と回収のスマートさは伊坂幸太郎健在と言ったところ。
真壁鵠太郎という敵側に置いておくには些か魅力的すぎるキャラクターが最終的には黒幕の1人であるあたりは伏線で裏切りを重ねながらも大事なところは押さえているな、という感じ。
まさかタイトルが「不満があってもこの世で生きていくしかないよね、まさか火星にでも住むつもり?」みたいなニュアンスとは思わなかったけど。
Posted by ブクログ
たしか解体全書で伊坂幸太郎ご本人が一番好き?自信作?って言ってた気がするので読んでみた!
そんなに数多く作品を読んでるわけじゃないけどかなり拷問の描写がきつくてちょっとびっくりした。
ずっと大学生の子がヒーローだと思ってたから、まさか死んじゃってると思わないし、全然別の人がヒーローの正体だったりあの人が本当は……みたいなずっと面白い そんで読みやすい
平和警察なんかできたら終わりだよー
Posted by ブクログ
監視社会のディストピア。
伊坂作品の中では特に暗めな気がする。他の作品と比べるとコミカルというかユーモアチックな文章が少ないから?
真壁が魅力的。警察内の中の唯一のまとも人。
飄々としてるけど罰せられない程度に薬師寺の権力の乱用に反抗したり、嗜めていた。
刑事部長を最初から最後まで馬鹿にしていたけどそれもブラフなのは流石だと思った。
薬師寺の最後として自分がこれまでやってきたことが帰ってきた感があったすこしすっきりした。
監視社会はたしかにテロ対策として効果はあるかもしれないが、目的がテロを目論む人たちの謙虚ではなく、この物語のように体制に反発する人、考えをもつ人たちを黙らせることにシフトして独裁というか、人々の考えを統率して自由を奪うことになるんだ、と考えた。
そもそもそれぞれ監視するようになるとつながりというかコミュケーションを結ぶことができないようになり、孤独感のある社会になりそう。
Posted by ブクログ
途中まで読むのがしんどくて、読むスピードは落ちていたが、後半はどういう終わり方をするのか予想できず読む手が止まらなかった。
そして気持ちいいくらいの伏線回収。「そういえばそんなのあったな」の連発。手のひらで転がされている感覚に近かった。
最後まで読んで初めて面白いと思う話だった。
Posted by ブクログ
何日かに分けて読んだのでテンポに乗り切れなかったのがくやしみ。登場人物も多いし誰が誰か忘れないうちに一気読みが良さそう。衆人環視のディストピア(反理想郷)となった架空の日本(仙台)の話。平和警察やばい。拷問の描写エグくて怖かった。真壁捜査官好きだったから突然の爆死悲しかったけど、まさかの生きてて嬉しかった!ラストの床屋のシーンめっちゃ良い。あと、解説がぼくりり君だったのも嬉。彼の考察さすが。伊坂さん「火星に生物が?」を「火星に住むつもりかい?」に勘違いして生まれたタイトルなのも可愛くて推せた。
Posted by ブクログ
公的機関による監視社会、事実が捻じ曲げられるディストピアとなった日本。
正義のヒーローが立ち上がり、最後には既存の仕組みが緩やかに破壊される。
緩やかにというのが面白かった。結局仕組みを破壊するためには、リーダーをすげ替えて既存の仕組みから新しい仕組みに移行させる必要がある。
今の仕組みに問題があるからと言って真っ向から戦ったとしても、相手がその仕組み上のリーダーであれば、よっぽどのことがない限り変えられない。
しかし、その仕組みを提唱するリーダーを失脚させ、すげかえることで仕組みを変えられる。
そんなメッセージを受け取ったように感じた。