【感想・ネタバレ】世界を変えた50人の女性科学者たちのレビュー

あらすじ

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科学・技術・工学・数学(STEM)の分野で、世界を変えるような輝かしい偉業を成し遂げながら、歴史の陰に隠れがちだった女性科学者50人にスポットをあて、その驚くべき業績やバイタリティあふれる人生をチャーミングなイラストとともに紹介します。差別や競争にさらされながらも、情熱のままに研究を続けたヒロインたちの姿は、若きリケジョのみならず、壁に立ち向かいひたむきに夢を追うすべての人の背中を押してくれます。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

歴史を揺るがした50回の衝撃と、未来を彩る教育的アート――『世界を変えた50人の女性科学者たち』を読んで
2018年4月に刊行された『世界を変えた50人の女性科学者たち』は、少し大きめのビジュアルブックである。ページを開いた瞬間、そのおしゃれでユーモラスな挿絵にまず目を奪われるが、そこに描かれているのは単なるポップな伝記ではない。文章とビジュアルの奥に潜んでいるのは、強烈なエネルギーと、社会の分厚い壁を覆してきた情熱の歴史である。
本書が描き出すのは、科学・技術・工学・数学(STEM)の分野において、歴史の陰に追いやられがちだった女性たちの足跡だ。彼女たちが生きた時代は、そもそも女性が学問を深めたり、仕事で活躍したりすること自体が極めて困難であった。徹底した男性優位の社会構造や、人種差別という理不尽な壁が立ちはだかるなかで、彼女たちはそれらを乗り越え、自らの手で塗り替えながら世界に多大な貢献を果たしてきた。本書は、そうした「女性の活躍の場が切り拓かれていった歴史」を、50人の生涯を通じて鮮明に映し出している。
読んでいて最も胸を打たれたのは、この本に登場する50人が、ただ「優れた業績を残した人」にとどまらず、「世界に衝撃を与えまくった人たち」だという事実である。50人の女性科学者が紹介されているということは、言い換えれば「世界を力強く叩き、揺るがした出来事が50回も記されている」ということだ。既存の偏見や常識をすべて巻き返し、たった一発でとてつもない偉業を成し遂げた彼女たちの軌跡は、純粋に面白いと同時に圧倒される。その事実を前にすると、「自分にも何かできるのではないか」「もっと頑張ってみよう」という活力が内側から湧き上がってくるのを感じた。
さらに本作の魅力は、内容の深さだけでなく、著者のレイチェル・イグノトフスキー自身の哲学にある。彼女について調べてみると、アメリカで生まれ育ち、「教育的なアート作品を創作すること」に心血を注いでいる人物だという。彼女にとって、勉強や教育、リテラシーといったものを、独自のイラストと文章を通じて世に広める行為そのものが、ひとつの「アート」として位置づけられているのだ。このアプローチには深く感銘を受けた。難解な専門書としてではなく、ビジュアルという直感的なメディアを通して知識を伝えることで、読者の心にダイレクトに火をつけることができる。
現に、この本を読んで触発される人が世界中にいて、その人たちがまた新たな歴史を動かし、世界はどんどん回っていくのだと想像すると、たまらなくワクワクした。日本ではこれまで女性科学者のロールモデルを知る機会が少なかったとも言われるが、こうした本が次世代の手に渡る意義は計り知れない。
家に一冊置いてあるだけで、本棚が、そして日常がパッと華やぐ。そんなパワーを持った素晴らしい本だった。世界を揺らした彼女たちの物語は、これからを生きる私たちに対して「あなたも世界を揺らせるかもしれない」と静かに、しかし力強く語りかけている。

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2026年04月30日

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