あらすじ
スティーヴン・キングを読むならまずはこれ!
その町を覆ったのは霧――目の前さえ見通せぬ濃霧。その奥には何かおそるべきものが潜む……豪雨に襲われてスーパーマーケットに集まった被災者を襲う災厄とパニックを描き、映画化、TVドラマ化された伝説の中編「霧」他、「恐怖の帝王」の凄みを凝縮した問答無用の傑作集。キング入門者に最適、キング・ファン必携の一冊!
収録作品
「ほら、虎がいる」(松村光生訳)
「ジョウント」(峯村利哉訳)
「ノーナ」(田村源二訳)
「カインの末裔」(松村光生訳)
「霧」(矢野浩三郎訳)
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Posted by ブクログ
『霧』が読みたくて買った短編傑作選だったが、『ノーナ』に不思議と惹かれて読後も印象が強い。
主人公以外誰もノーナの姿を見ていないのなら、主人公の内なる暴力性が他者の形をとって現れたということなのだろうか。孤独な生い立ちでどこにも行き場のなくなった主人公に、ただひとつの指針として女神のように現れている。主人公の認識ではノーナは確かに目の前にいたのだと思うと、この歪みがなぜだか神秘的な出来事のように思えてしまった。
『霧』は映画を観たことがあるはずだが内容をほとんど忘れており、読みながら「そういえばそうだった」と思い出していった。
生きるか死ぬかの状況下で先の見えない不安が人々を締め付けて、思いもよらない暴走が始まる。そんな人間の心理が丁寧に描かれていて面白かったし恐ろしかった。誰もが正気ではいられないだろうに、オリーの見せる思慮深さ、レプラー先生の潔さが光っていてカッコよかった。
絶望を感じながら、まだ諦めないというラストになっているのがいい。
Posted by ブクログ
短編集で5本の作品が掲載されている。
ほら、虎がいる…7ページで終わる超短編。よくわからなかった
ジョウント…瞬間移動の話。眠らせて移動させるが、起きたままだと想像を絶する事態に。
ノーナ…読み終わった後にまた最初から読むと理解できるタイプ。
カインの末裔…これも10ページと超短編。断片すぎてもっと読みたい。
霧…タイトル自体は「霧」だが、霧は隠れ蓑なだけでその中にいる全貌が不明な生物との戦い。最後に決着がつかず結果がどうなったかわからないまま、手記が残されるという形で終わるのが怖い。少し前の時代のアメリカの暮らしがわかり、固有名詞がかなり出てくるのがリアル。
Posted by ブクログ
全体的に後味が悪いですね…!
世界観が独特で、オチがきちんとわからないままの作品もあったりします。
ミストの前の短編でしたら、「カインの末裔」がお気に入りです!
そして表題のミスト…「霧」ですが、本当に怖いですね。
謎に満ちた化け物が、無駄に種類多く存在する時点で、私だったら精神崩壊です。
霧の外側に出れるのかと思いきや、ラストは…。
登場人物が全員、何も悪い事をしていない一般人という点でも、理不尽な状況が表されていると思いました。