【感想・ネタバレ】桑港特急のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

山本一力の小説の魅力は人情とか人のつながりとか、生き様とかライフスタイルとか、そういう描写や表現を楽しむことである。この本でも、小笠原諸島での生活、ゴールドラッシュに沸くサンフランシスコでの人の生き様、中国上海での描写あたりは非常に生き生きとしていて、読んでいてもうきうきしてくる。

残念なのは、その生き生き感が後半になるに従って、空回りしてくること。銀行強盗の大活劇シーンのはずが、ハラハラドキドキ感が妙に薄く感じられるのだ。

例えば、カンフーVSナイフ使いのシーンも格闘シーンの迫力が全く感じられないし、西部劇の核心たる銃による戦闘シーンに至っては、実にあっさり終わってしまうし…。

活劇シーン以外が見事なだけに、クライマックスが残念すぎる。やはり日本人にウェスタン小説は重荷なのかも知れない。

本作は山本一力の異色作ではあるけれども、代表作になるものではないと感じた。

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2020年01月16日

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