あらすじ
「老後は安泰」のはずだったのに! 後藤篤子は悩んでいた。娘の派手婚、舅の葬式、姑の生活費……しっかり蓄えた老後資金はみるみる激減し、夫婦そろって失職。家族の金難に振り回されつつ、やりくりする篤子の奮闘は報われるのか? ふりかかる金難もなんのその、生活の不安に勇気とヒントをあたえる家計応援小説。
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Posted by ブクログ
読み進めていくうちに、他人事ではなく自分も心配になってしまうぐらいのめり込んで、あっという間に読み終えた。自分の親は老後の資金あるのかな、墓や葬式の準備してて欲しいなと思ってしまうぐらい(笑)
人によって何にお金をかけたいかは違う。冠婚葬祭も、台湾バナナも、スポーツジムの会費も。ただ冠婚葬祭は自分だけの問題ではないから、やっぱり家族になる人はお金の価値観が似ている人がいいと改めて思った。
夫婦共に失業した篤子と夫、いまいちしっかりしないさやか、パン屋の経営が心配だったサツキ、不倫された美乃留、親子関係を拗らせてる志々子、最終的にみんな前を向いて新しい道を切り開いているところがよかった。唯一勇人だけは変わらず、機転が利き、穏やかで周りを安心させるところが素敵である。
Posted by ブクログ
冠婚葬祭やイベント事は、重要視している人にとってはお金をかけることに躊躇ないけれど、最低限で良いと思っている人にとっては華美にすることへの抵抗があるものだと感じてた時期に読んだので、結婚式や葬儀代、高級老人ホームなど身の丈にあっていない出費に苦しめられる主人公と周りの温度差にイライラしながら読んだ。これは、たぶん作者の思う壺。
主人公の主婦がとにかく応援したくなるキャラクターであることが救い。前半はイライラさせられたが最終的にはやなヤツではない周りの人物たちは、とても人間臭くてリアルだった。
物価高を生きる中、見栄っ張りは身を滅ぼす!と実感したし、冒頭に書いた節目のイベントへのお金のかけ方については家族間で事前に話し合っておきたいと感じた。最後はいい感じにまとまってよかった!
Posted by ブクログ
【あらすじ】
クレジット会社の事務職で働く後藤篤子には建設会社で働く57歳の夫・章あきらと結婚を控えた雑貨店で働く28歳の娘さやか、大学4年生の息子勇人はやとがいる。1200万円の預金はあるが、夫の両親への仕送りが月9万円、娘の結婚式や新婚旅行、新居の資金で500万円かかり、さらには篤子と章は仕事をクビになってしまう。舅の死により夫の妹である櫻堂志々子しじこに葬式代と墓代はだせと言われ、400万円ほどかかった。ママ友の神田サツキに節約術を聞きながらお金の相談をしていく。
篤子はコンビニでバイトを始めるが夫は無職で、義母芳子への仕送りしなくてすむように姑と同居することになる。姑からは夫の軍人恩給で月4万はいるから月6万の年金は使っていいと渡される。サツキから義母が1ヶ月行方不明で役所から年金詐欺を疑われないよう芳子に義母のふりをしてほしいと頼まれる。芳子は10万くれるならやるといい、ミッションは成功する。サツキから今度はおじいさんに成りすましてほしいと言われ実行するが、成りすまし相手が県議会議員をやっていてネットに写真ものっていると知り100万円のお金は受け取らずに逃げ帰る。しばらくして志々子が芳子をうちで引き取りたいといいに来て、夫も嫌いだった元職場のスタッフにあいにいって仕事を得た。サツキの義母はその後見つかったが誤嚥性肺炎をこじらせ亡くなってしまう。葬儀の後、サツキは奄美へ帰ることになり、篤子はフラワーアレンジメント教室仲間の美乃留(夫が別の女性をはらませ離婚)と奄美女子旅行を想定する。
【感想】
120万円の祭壇や50万円もする檜の棺など、なんでこんなにお金がかかるの?というような思いを篤子が代弁してくれてるので共感しながら読めた。金銭感覚が合った家族やパートナーだったらスムーズに事がすすむのに違うからいざこざが起こる。本当にお金が絡むと人間は恐ろしい。
後半いきなり年金受給詐欺の話が出てきたり、さやかを控えめな女性として書いて夫にパワハラを受けているのではないかという話で引っ張ってたのに実は鬼嫁だったという展開になったり、その辺りの話を広げる必要はなかったのではと思ってしまった。