あらすじ
『最後の事件』と呼ばれるホームズとモリアーティの対決から5日後、
現場を訪れた2人の男――ピンカートン探偵社調査員のチェイスとスコットランド・ヤードのジョーンズ警部。
2人は情報交換の末、モリアーティへの接触を試みていたアメリカ裏社会の首領デヴァルーを共に追うことに。
ライヘンバッハ川から上がった死体が隠し持っていた奇妙な紙を手がかりに、捜査が始まる!
コナン・ドイル財団公認、再読必至のミステリ大作!
解説「期待に応え、予想を裏切る」有栖川有栖
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匿名
ホームズもワトスンも不在なんてどうなるんだろう!?と読み始めた頃は驚いたし、思わずホームズ探しをしてしまいましたが、読んでいく内にすっかりストーリーに引き込まれていきました。悪手が多かったので怪しんではいましたが、まさか…。そこは変えないで欲しかった気もしますが、再戦もあるかもという期待もあったり。最後まで楽しませて貰いました。
Posted by ブクログ
ホームズかモリアーティかどっちかがどっちかだろう、と思いながら読み進めてたんだけど、追い詰められたシーンでは、おや、第三者か!?と思わされた。
読みとしては当たってたし、その点では想定内だったけど、スリリングな展開で楽しめた
2023.1.15
9
Posted by ブクログ
ホームズが出てこないホームズ作品。ホームズの世界観の中での別作品くらいに思って読んだほうが楽しめるか。
ホームズ作品で言うところのワトソン役(物語の語り手)であるチェイスが実はモリアーティだった訳だが、叙述トリックとして、納得できない人も多いだろう。
帯より:
ホームズとモリアーティ教授の対決である「最後の事件」の5日後、その現場を、二人の男が訪れる――ピンカートン探偵社調査員のチェイスと、スコットランド・ヤードのジョーンズ警部だ。彼らは、情報交換の末、モリアーティ教授への接触を試みていたアメリカ裏社会の首領を共に追うことにする。
Posted by ブクログ
解説で有栖川有栖氏も触れているが、いわば"やっつけ"で作られたキャラクターであるモリアーティを「こう肉付けしたか」というのが読後の最大印象。
「絹の家」や巻末に収められた掌編と違い、本編はいわゆるパスティーシュとは一線を画する。
ライヘンバッハの滝での戦いの後日談として、ヨーロッパとアメリカを股に掛けた犯罪組織の暗躍を軸に発展させた独自の物語と言える。
もちろん時代背景を始め、正典のいくつかから引いてきたモチーフ等に、"ホームズものらしさ"は感じられるけれど。
娯楽小説を書く作家としては無論、優れた技術を持っているのは確かなので、今作も面白く最後まで読むことはできるが、そこそこの長編にも拘わらず、結末ですべての伏線がきれいに回収される、ということはなく、形が微妙に合わない枠に何かの物体を力づくで押し込めたような、そんな纏め方に感じられた。
"隣の部屋で咳込む男"は一体何だったのか?