あらすじ
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。
部活も自由にできない、希望する進路にも進めない、彼氏も作れない…そんな制限だらけの日々に耐えてきたけれど、息子の病気治療をきっかけに、宗教をやめました!
エホバ2世の著者が明かす、カルト宗教の世界と洗脳がとけるまで…
感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
カルト宗教の間違いに気づいたきっかけが子供を愛する気持ちだったのが素敵だと思った。
カルト宗教なんかどう考えても怪しいのに信者になる人は一体何を考えているんだろうとずっと思っていたので、その様子がリアルに書かれていて興味深かった。
NOと言えない自分自身がない人は、違和感に気づいてもあっという間にカルト宗教に取り込まれてしまうものなんだと怖く感じた。
軽い気持ちで入信してみたら厳しい束縛人生が待っているなんて恐ろしい。
一旦入信してしまえば世間から孤立させられて宗教内でしか生きられなくされて辞めたくても辞められなくなってしまうやり方はただの束縛DV彼氏と同じやり方でしかない。
まだ判断力のない子供の頃に入信させられてしまった筆者は本当ただの被害者でしかないので、目が覚めて良かったと思う。
私もカルト宗教2世(なぜか信仰心はなかった)で生まれた瞬間からカルト漬けだったので、制限が多すぎると諦めることに慣れてしまうのは共感できた。
自分の意思を伝えても99%答えがNOだから意思を持つこと自体が無意味になって無気力になる。
カルト宗教から子供を守るために、18歳未満は宗教に入るの禁止とかいう法律作ってくれないかな〜。
ブラック企業と仕組みが類似
自分も、とある宗教団体の2世です。ブラック企業に勤務しておりましたが、悪質な宗教団体と脆弱な企業の共通点を見出だす作品に思えます。NOと言えない、自分達のやってはいけないことは隠し、信仰を継続する。交際に付き添う…など。たっちゃんとかんちゃんはその中でもよく幸せを獲得したと思います。かんちゃんの俗っぽいと言うも姿勢も頼もしいですね。浸礼は、自分も小さい頃滝に打たれる修行を経験したので、重なりましたが、たっちゃんのお母さんのように成人してからとなると、可哀想な洗脳に映ってしまいます。自分はエホバのようにあからさまな怪しい儀式は少なかったのですが、どちらにしてもある程度小さい頃に経験しておいて、後で意味を見出だす方が人生的に効率がいいかと思います。宗教の必要性、何がきっかけで求めるかは年代によっても変わるので、親のもとで教えてもらえるうちは、その中で活動しても悪い結果ばかりではないかと思います。あと、美味しい食事が頂けるのも、神様に感謝する気持ちは忘れてはいけないと言うことも思い出しました。本作品では、わざと飢餓状態にするようなやり方が描写されていましたが。お子さんの輸血の同意書にサインをする場面では、宗教に入信している方の典型的な思考回路が上手く表現されていました。お子さんと自分の間で揺れる母親の心情は経験がないので想像の範囲ですが、家族信仰をしないと、本当の家族より長い付き合いになるのも事実です。宗教は家族問題を深く考えられるので、続編も読み進めたいと思います。試し読みの予想より、読み応えありました。思い切って購入して正解でした。しかし、エホバの信仰は見下す態度が多いのが引っ掛かります。自分の神様の信仰心を見直さなければとも思いました。
Posted by ブクログ
自分にとって宗教は全くの未知の世界であり、洗脳された人たちの集まりという漠然としたイメージしかなかった。
本書は、なぜ信者はそこまでのめり込むのか、なぜ洗脳されていることに気づかないのか、様々な疑問を解消してくれた一冊だった。
日頃から鬱憤を溜め、悩みを共有できる友達もおらず、純粋で騙されやすい母がカルト宗教にどっぷりハマり周りを巻き込んでいくところから始まる。
著者は当時小5で、宗教の怪しさを疑うには早い年齢だった。
母からほだされだんだんのめり込んでいく。
数十年かかったにしろ、結果その洗脳から解放されて安心した。
宗教は心の拠り所として機能する分には素晴らしいと思うが、無知に付け込み金を取ったり周りに強要したりするのは間違っている。
もっと健全な宗教が増えたら良いのにと思うがそう簡単にはいかないのだろう。
一度足を踏み入れてしまうと行きがかり上引くに引けないジレンマがありそれに苦しめられている人はたくさんいて、素人には想像もできない難しい問題が蔓延っているのだと思った。
Posted by ブクログ
カルト宗教や入信する人達のことが理解できなかった自分にとって、その背景がリアルで興味深かった。
当人にとっては心の拠り所だが、家族であってもそれは異なる。結果、家族内に味方が欲しくて娘を利用。
特に子どもにとっては人生を奪われるほどの危機。
まさに洗脳。
他人だから巻き込むんじゃねー!とか言えるけど、家族だからこそ逆に言えない。
時事ニュースと絡めて大問題。
こんなのが政治と繋がってるなんて失望。
益々政治への不信が強まるし不安。
これがマザコン?
完全に違うやろ。
Posted by ブクログ
カルト宗教信じてました。
たもさんによる著作。Twitter @tamosan17
2017/4/27発売。
著者が10歳の時に母親に連れられて入信したエホバの証人に関しての体験記。
息子の輸血治療の時にエホバの証人に違和感を覚え35歳時に脱退。
1995年1月の阪神大震災を経験しているので兵庫県西宮市辺りに住んでいたものと思われる。
本書内では4人兄妹で長女の姉は18歳の時に家を出て国立大学へ進学と。
他の兄妹はどうなったのか少し興味がある。
本題とはずれるので描かれないのは仕方ないが・・
たもさんの母親も元々純粋まっすぐ君タイプの為か色々と不要なものを
押し売りにあい苦労もしていたようだ。
つまり元々信じやすい素質があった。
(何でも疑って生きるのも大変なので結局バランス感覚なのだが)
家族の中で味方を作る必要性が出て次女のたもさんが狙われた。
Noと言いにくい大人しいイエスマンは犠牲になりやすいという典型と言える。
たもさんにとって良かったのは夫になるカンちゃんさんとの出会いと結婚だろう。
もともと俗世寄りの彼との生活によって徐々に世間知や常識を得ていたのだと思う。
あと退院した息子が偶然見ていたYou Tube。
単純にyoutubeすげーなと。
当時のオウム真理教のおかしさを糾弾した内容も多くアップされている。
これはエホバの証人もインターネット禁止しようとするわなと。
エホバの証人に限らずオウム真理教事件の起きた1995年を境に宗教を取り巻く
環境は大きく変化している。
多くの新宗教が信者減少に苦しんでいるようだ。
エホバの証人も子供への虐待とも言える行為。輸血の禁止。
大学進学やフルタイムで働く事を否定する事。
このような無理は続かないものと見ている。
もちろんカルト宗教に限らず、企業でもブラックな所はあるし
宗教めいた組織もある。
私自身、最初に就職した会社(パワハラが酷かった)を思い出した。
このたもさんの話をカルト宗教体験記として読むだけでは無く
自分自身に置き換えて冷静に読むともっと多くの学びがあると感じた。
カルト宗教の支部や組織を金魚鉢にたもさんは例えていた。
金魚鉢状態に陥っている人は実はもっと多くいると思う。
ほんのちょっとずつでも良いから自分の知らない世界を知ろう。
リアルさが伝わってくる点が良い
本作を読む前に、いしいさや『よく宗教勧誘に来る人の家に生まれた子の話』(2017)講談社 を読んだ。こちらも、JWの信仰を幼少期から強制されていた女性の元信者の体験談に基づく漫画だが、このいしい氏はJWの活動は半ば嫌々やっていたようである。対して、こちらの『カルト宗教信じてました。』の筆者は10代・20代の頃は信仰心が随分強い信者であったようだ。加えてバプテスマも受けていて、ガチの信者だったようだ。
私も中1のときにバプテスマを受けて高校の頃までは集会に通っていたガチの元信者だが、さすがに25年もやり続けたこの筆者には負ける。むしろ、それでよく辞めることが出来たと感心できる。
ネタバレになるが、筆者の子どもが心臓の病気になったときに、その子の輸血治療に同意するか否かを悩んだシーンが描かれている。結局、輸血に同意したようだが、それでもなおその時点ではJWを辞めなかったのは、組織の教えに強く傾倒していた一つの証左だろう。
筆者がJWを辞めたきっかけは、youtubeで見たアメリカのJWの児童虐待のニュースらしい。そこから組織・統治体の俗っぽいところを知り、目が覚めたという。
四半世紀にわたるJWの活動史を当時の心情に沿って描いた漫画としては大変貴重で、間違いなくカルト宗教の体験談としては一級品と言える。本当は星5つのレビューをしたかったが、一つ減らした理由は次の通り。
勝手かつ失礼な言い方で申し訳ないが、筆者はJWの女性信者にありがちなタイプの精神の持ち主だと思われる。つまり、組織の解釈・教義は論理的に考えれば矛盾だらけなのはすぐに分かるのだが、他の信者の人柄(見た目も含めて)や家族とのしがらみ、場の雰囲気、あるいは美辞麗句(「楽園」とか「永遠の命」といったワード)によって理性的な判断が鈍るようなタイプということだ。要するにカルト宗教にハマりやすいタイプということだが、本作のラストも少しポエム的な終わり方になっていて、そこら辺にまだカルトにハマっていた頃の精神が残っているように思えた。
失った時間は経済学的に言えばサンクコスト(埋没費用で、何をしても取り返せない)なので後悔してもしょうがないが、重要なのは将来のこと。将来、再びカルトに染まることがないようどういう精神を持つべきか。筆者の今後の心の変化にも注目したい。
Posted by ブクログ
昨年の銃撃事件から、統一教会問題が出てきた。
2世問題については特に考えさせられる。
そんななかでこの本を見つけた。
驚きだったのは、4人姉弟だったのに、
家族の中に味方が必要だって話で、
ちょうどいい子がいるって著者が選ばれたってこと。
ええええ、なんだそれ!!!
姉は家を出て大学に行ったのよね。
同じ姉弟なのに、学校行事や友達と遊ぶことが出来てた子もいたってことよね。
なんてことだ。。。。
カンちゃんと出会えたことは、本当に良かった。
信者同士だから、宗教内の色んなことを知ってる。
説明してわかってもらうっていう労力が最初から不要で、状況も気持ちもわかってもらえる。
宗教どっぷりな人ではなかったのに、
集会に参加して、バイト生活してたのね。
カンちゃんみたいな人でさえ、そうなんだ。。。
宗教に走る人と不倫に走る人は似てるって記載があったけれど、しかも女性なんだなと思った。
偏見かもしれないけど、女性は「人」にハマりやすいと思う。
家庭でも仕事でも、満たされない思いを抱えてる気がする。優しく話しかけてくれて認めてくれて、
心配してくれる人。そういう人が嬉しくてすがってしまう気がする。
そして、群れてると安心するんじゃないかな。。。
みんな一緒って感覚。。。
我が子をムチ打ちする話で盛り上がって笑ってる姿は、異様だし恐怖を感じる。逃げなくてはと思う。
たっちゃんが、子供の代わりに自分の手を打って、
音だけ周りに聞こえるようにしたところは、
賢明で、心からホッとした。
輸血の同意書にサインしたときも、本当にホッとした。
何かおかしい、って思って、
本をたくさん読んで、自分で考えることを始めた、
たっちゃんとカンちゃん。
ふたりだったから、なお、強くなれたのかな。
被害者救済法が出来たけど内容は不十分。
質問権行使も何回目??
その後どうなったのかと思う。
あれから、ほとんど報道されなくなったのでは??
世の中が声をあげないと、うやむやになりそう。
信じてる人にはまったく響かない本も、
疑問を感じて自ら手に取った人には、強力な助けになる。知らなかった人にも知ってもらえる。
こういう本の存在は重要だと思った。