【感想・ネタバレ】ブルー・オーシャン・シフトのレビュー

あらすじ

伝統的な大企業、新興企業、非営利組織、政府・自治体……あらゆる業界や組織のリーダーが、ブルー・オーシャンへの移行[シフト]を果たせる人々の心に自信を芽生えさせ、新たな成長機会を掴み取るための5つのステップ。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

ブルーオーシャン戦略の指南本。
事業創造戦略とは。
実際は電子書籍だが、検索結果でなかったのでこちらで登録

メモ
・イノベーションで破壊が起きるのは、そこに代替の要素が存在する。高機能により代替されるものもあれば、必ずしも高機能とは限らず、破壊的イノベーションのような、ニーズを満たす低機能の製品の場合も同じ。撹乱的創造という言葉で表現。
・一方でセサミストリートのような既存市場を撹乱せずに行う非撹乱的創造も存在する。バイアグラも非撹乱的創造。グラミン銀行、ライフコーチ
・撹乱的創造のみならず、非撹乱的創造も存在する事を念頭におくべし。赤いものを探すと青いものは見えなくなる。
・ブルーオーシャンシフトの基本手法3つ
1 業界の長年の懸案を打開する解決策を示す。
  カセットCD mp3 デジタル写真など
2 業界の長年の懸案を再定義した上で解決する
3 真新しい問題を見つけて解決するか、真新しい事業機会を掴み取る
 バイアグラ、グラミン銀行、着メロ
 サイバーセキュリティ、BOPなどが今後の機会
・技術イノベーターとバリューイノベーターは異なる。以下に孵化させて商業的な成功に導くか、普及につなげるか。
・買い手に愛される理由は技術ではなく、シンプルさ、使いやすさ、楽しさ、優れた効果にある。
・ブルーオーシャン戦略家は答えを求めて自省し、何が可能か、何から利益が上がるかを業界の現状にとらわれずに知ろうとする。競争優位の構築ではなく、競争を無意味にすることに邁進する。既存顧客を奪い合う代わりに非顧客層に着目して新たな需要の開拓を目指す。
・ブルーオーシャンシフトのプロセス
1 準備にとりかかる pmsマップ
2 現状を知る 戦略キャンバス
3 目的地を思い描く 買い手の効用マップ 非顧客層の三つのグループ
4 目的地をへの道筋を見つける 六つのパス
5 戦略を絞り込み、実行に移す ブルーオーシャン見本市
・pmsマップ パイオニア バリューイノベーションを体現するサービス事業。利用者は顧客でなくファン。かつてない価値を提供する。
安住者settler 顧客価値は二番煎じ。戦略は横並び。
移行者migrator 競合他社より優れた価値を提供するが革新的ではない。
・対象選定基準
安住者またはそれに近い移行者
責任者がレッドオーシャンからの脱術をねがっていふこと。
他に大きな施策が進行していない。手一杯でないこと。
事業製品サービスが背水の陣を敷いている
・現状の全体像を明確にする。→戦略キャンバス
自社の製品サービスが何にどれくらい力を入れているかを他社製品と比較しビジュアル化したもの。
戦略の四要素1競争要因2各要因の提供度合い3自社と他社の戦略プロフィール4自社と他社のコスト構造を明快に示す。横軸は買い手の価値でなく主な競争要因。買い手の価値と競争時に重視する要因は異なることも表せる。
・ブルーオーシャンシフトで戦略プロフィールが次の3つの基準を満たす。1基本形状が業界の平均的な形状と見るからに異なっている2戦略プロフィールにメリハリがある。3訴求力のあるキャッチフレーズを用いて市場に語りかけ、製品やサービスがもたらすものを率直に伝えるべき。美辞麗句とは無縁の誠実な内容。差別化目的ではなく、実際に買い手にとっての価値の飛躍的向上につながっていることが最初の試金石。
・戦略キャンバス作成 5-12の競争要因を特定。
製品サービスのほか、流通プラットフォームに関連する可能性。3つ全てについて考える。言葉は買い手の視点で。
比較対象は業界リーダー。
・買い手の効用マップ
苦痛をしいて需要を頭打ちさせている要因は何か、これを理解するきっかけを与えてくれるマップ。
自業界を含むほぼ全ての業界が解決すべき大きな問題を抱えている気づきを引き出すもの。業界が放置している問題と解消すべき苦痛をあぶり出し、対処することで引き出される効用を示す。
顧客経験のフローを横軸に、縦軸に効用を生み出すテコを表現するもの。テコは例えば、顧客の生産性、シンプルさ、利便性、リスク低減、楽しさや好ましいイメージ、環境への優しさ。
顧客経験フローで効用を低減させている要素をあぶり出す。
・ブルーオーシャン戦略では非顧客が第一。既存顧客の取り合いではなく、新たな需要の掘り起こしによる業界の成長が狙いなので。
非顧客層の3グループ
1潜在的な非顧客層。仕方なくサービスを使っている、すぐにでも乗り換えうる顧客。
2検討した上で利用しない判断をした非顧客層。条件を満たすのは容易で切り替え起きやすい。
3これまで決して潜在顧客にならず、事業機会には別の領域が対応しているとみなされている非顧客層。可能性は大きいが決してその他全員ではない。恩恵を受ける可能性はあるが、現実的でない、魅力がない、想像できないなどの理由により本気で購入を考えだことがない人々。
・成長率が10%を超える非顧客層は遠からず重要な非顧客層となる可能性。
・6つのパス 他の人々の目には熾烈や競争が展開されるレッドオーシャンしか映っていない場合でも事業機会を見つけられるようにするもの。質問を工夫することで新規市場創造に関する洞察を得ようとするもの。
1代替業界に学ぶ ✖️同業他社への注目 別の業界でサービスが選ばれる理由を掘り下げ、購入決めて要素をうまく組み合わせる方法を探し、新しい市場空間を開拓する。
2業界の他の戦略グループから学ぶ 顧客が戦略グループ同士を比べて一つを選ぶ際の決め手をつかむ。規模の大きい順に二つの戦略グループをくらべてみる。
3別の買い手グループに目を向ける 直接購入者のみならず、それに影響を与える人にも想いを馳せること。、
4補完財や補完サービスを見渡す 製品サービス価値を増減させる補完材に着目する。観察から機会を見出す。業界の従来定義とはずれた要因も効用阻害要因としてみつけだす。
5機能志向と感性志向を切り替える
6外部トレンドの形成に加わる
・新たな価値コストフロンティアを開拓して競争から抜け出すには既存の要素を取り除き、新しい要素を創造することで未知の価値を買手に提供することが必要
・国内事例がわかりやすくて秀逸。
ニューズピックス、jins、ソラコム、パーク24

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2020年03月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 「ブルーオーシャン戦略」の実行法をまとめたもの。


・ブルー・オーシャン・シフト実行の三つのき基本手法
 ・業界の長年の懸案を打開する解決策を示す
 ・業界の長年の懸案を再定義したうえで解決する
 ・真新しい問題を見つけて解決するか、真新しい事業機会を掴み取る

・市場創造を成功させるために重視すべきは、技術イノベーションそれ自体ではなく、買い手にとっての価値を飛躍的に増大させることなのだ。

・実のところ、優れた市場創造戦略は往々にして、技術的イノベーションには全く頼らない。

・ブルー・オーシャン戦略家は、買い手にとっての価値を飛躍的に高め、価値とコストのトレードオフを打ち破るために、何を増やしたり創造したりするかだけでなく、何を減らしたり取り除いたりするかも同様に重視する。

・ブルー・オーシャンの創造に乗り出すに当たっては、必ず「何から始めるか」が問題になる。「まずは対象を絞りこむことから」が答えである。つまり、どの事業または製品・サービスに挑むかを見極めるのだ。

・結局のところ、業界とは創り出すものである。心躍る何かやイノベーションを実践すれば、業界に活気が溢れる。

・PMSマップの三つのセグメント
 ・パイオニア(pioneer):バリュー・イノベーションを体現する事業や製品・サービスを指し、その購入者や利用者は顧客ではなく愛好者と呼ぶにふさわしい。かつてない素晴らしい価値を提供し、新たな価値コスト・フロンティアを開拓する、ポートフォリオ刷新のカギを握る存在である。戦略は競合他社と一線を画し、利益を伴う力強い成長が見込まれる。
 ・安住者(settler):パイオニアの対極をなし、顧客にもたらす価値は二番煎じによるものである。製品や価格を少しずつ変える競争手法を取り、戦略は同業他社と横並びである。業界自体が成長し利益を上げていない限り、大きな成長は見込めない。
 ・移行者(migrator):パイオニアと安住者の間に位置する。競合他社よりも優れた価値を提供し、業界内で最高水準かもしれないが、「革新的」と呼べるほどではない。

・ブルー・オーシャン・シフトの取り組みに参画して、新しい価値コスト・フロンティアの扉を開くアイデアの素晴らしさを目の当たりにしない限り、人々はそのアイデアをいとも簡単に的外れだと無視し、有効性を否定する。そして、業界のいわゆる「最良の慣行」に反するとして拒否してしまう。たとえ、そのベストプラクティスが時代遅れか、まったくとんでもないものであったとしてもである。

・競争要因としてのブランド
 しかし、ほとんどの場合、ブランドは戦略プロフィール―つまり購入者や利用者に何をもたらすか―によって左右される。…要するにブランドとは、事業活動の結果であり、独立要因ではない。
 ブランドを手がかりに競争要因を掘り下げるなら、ブランドが顧客にもたらす魅力的な要素は何かを探るとよい。…チームが「ブランドのもたらす価値」と見なすものの根源を探り当てるには、自社の製品やサービスを顧客が購入する理由の上位三つを、メンバーに考えてもらうとよい。

・顧客経験の六つのステージ
 購入、納品、仕様、併用(製品を使う際に必要となる他の製品やサービスとの併用)、保守管理、廃棄

・効用を生み出す六つのテコ
 顧客の生産性、シンプルさ、利便性、リスク低減、楽しさや好ましいイメージ、環境への優し

・現場調査のルール:購入者と同じ経験をする
 現場に赴く際には可能な限り、みずから顧客の立場になるか、既存顧客の家庭や職場での様子を観察するかして、顧客経験のサイクル全体を通してどのような苦痛や困難が生じるかを注意深く記録するよう、強く勧める。

・もし、ブルー・オーシャン・チームが引き出した知見を幹部層が軽視しているようなら、一般の顧客が経験している苦痛を懐疑派にその目で見てもらう機会を、忘れずに設けよう。

・非顧客層の3つのグループ
 潜在的な需要全体≠関数(業界の既存顧客)であり、むしろ
 潜在的な需要全体=関数(業界の既存顧客+非顧客層の第一グループ+同第二グループ+同第三グループ)
 第一グループ:潜在的な非顧客層
 第二グループ:断固たる非顧客層
 第三グループ:未開拓の非顧客層

・業界の非顧客層
①業界の縁にいて、仕方なく製品を使っているか、使用を最小限にとどめているのは、どのような人々だろう。
②この業界の製品やサービスを検討した結果、あえて背を向け、別の業界の製品やサービスによってニーズを満たすか、完全に諦めてしまったのは、どのような人々だろう。
③この業界が提供する効用から大きな恩恵を受けるが、現状の提供形態がふさわしくない、あるいは価格が高すぎるといった理由により、購入を考えたことすらないのは、どのような人々だろう。

・新たな価値コスト・フロンティアを開拓するための6つのパス
パス1:代替業界に学ぶ
    同業他社に着目する→代替業界に学ぶ
パス2:業界内のほかの戦略グループから学ぶ
    戦略グループ内における競争上のポジションに焦点を当てる→自分達の業界ないしターゲットとする業界の戦略グループを見渡す
パス3:別の買い手グループに目を向ける
    業界の既存の買い手グループに焦点を当てる→複数の買い手グループを見渡して、業界の買い手グループを再定義する。
パス4:補完財や補完サービスを見渡す
    業界が定義する製品やサービスの価値をもとに、その最大化に焦点を当てる→顧客が求めるトータル・ソリューションを見渡して、製品やサービスの価値を増減させる補完財や補完サービスについて理解する
パス5:機能志向と感性志向を切り替える
    業界の機能志向ないし感性志向の枠内で費用対効果を高めることに焦点を当てる→自業界ないしターゲット業界の機能志向/感性志向を問い直す
パス6:外部トレンドの形成に加わる
    外部トレンドへの適応に焦点を当てる→自業界やターゲット業界に間違いなく影響を及ぼす外部トレンドの形成に加わる

・ブルー・オーシャンの開拓機会 4つのアクション
 業界常識として製品やサービスに備わっている要素のうち、取り除くべきものは何か
 業界標準と比べて大胆に減らすべき要素は何か
 業界標準と比べて大胆に増やすべき要素は何か
 業界でこれまで提供されていない、今後創造すべき要素は何か

・ブルー・オーシャン戦略案のプレゼンテーション
 時間制限は5分
 ・製品を説明する
 ・理想の戦略キャンバスを紹介する
 ・ERRCグリッドを説明する
 ・顧客にとっての効用を簡潔に紹介する
 ・自社にとっての経済的便益をおおまかに説明する

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2018年11月03日

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